二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.51 )
日時: 2013/03/18 17:21
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)




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(抜かし)



響木「豪炎寺…。実際、お前の気持ちはどうなんだ。」

豪炎寺「…俺の気持ちはどうあれ、父が、考えを変えるとは思えません。…それが答えです。」

響木「そうか…」


響木は納得したようなそうでないような、曖昧な声音で答えた。


雷門「残念だが、保護者がそう言う以上、私達としても、拒否するわけにはいかないんだ。」

豪炎寺「……」


零「……」


ヘッドフォンを耳に当て、ドアに凭れている零。
理事長達の話を聞いていたらしい零は、相変わらず薄笑いだった。


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豪炎寺は校舎を歩いて出る。


「よーし、いいぞ! 虎丸ー!」

豪炎寺「…」


みんなの練習風景を見、目を細める豪炎寺。
豪炎寺の目には、いつも以上にみんなが眩しく見えていた。

シュートを撃つ虎丸、受ける円堂、走る選手達——


零「どーすんですかー? これから。」

豪炎寺「! ……」


豪炎寺の背後から、煽るように軽い口調で現れた零。


零「言いなりの人生でもいいんすか? 豪炎寺さんは。」

豪炎寺「…お前の言えたことか?」

零「……それもそうっすね。」


零は目を伏せ、くすりと笑う。


零「まぁでも、このチームにはあんたが必要だと思いますよ?」

豪炎寺「……」
零「親に応えるか仲間に応えるか…。自分で決めることですよ。」


零もフィールドに目をやった。


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豪炎寺と零はベンチに歩み寄る。
ベンチでは風丸がドリンクを飲み、秋と春奈がマネジメントをしていた。


春奈「あ…零くん、豪炎寺さん!」


春奈がそう言うと、秋と風丸も2人を見る。


風丸「理事長に呼ばれたんだって? どうしたんだ?」

豪炎寺「いや、何でもない。…」


風丸に答え、少し俯く。


秋「豪炎寺くん…」

豪炎寺「…?」

秋「元気がないみたいだけど…」

豪炎寺「…そんなことないさ。」

秋「…だったらいいけど…」


秋は心配そうに豪炎寺を見ていた。


風丸「さ、予選決勝が間近なんだ。」


風丸は肩に掛けていたタオルを置く。


風丸「練習に戻ろう!」

豪炎寺「ああ…」

秋「……」


秋はまだ心配そうに豪炎寺の背中を見ていた。


春奈「…何かあったの?」

零「知らない。そこで会っただけだよ。」


零は頭の後ろで腕を組み、言葉を濁した。


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(抜かし・ED)


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