二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.58 )
日時: 2013/05/02 00:35
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: MHTXF2/b)



円堂「え、でも…なんで…」


円堂はまだ納得いかずに質問する。


アフロディ「不思議ではないだろう? 僕が母国のチームに選ばれても。」

豪炎寺「母国?」

南雲「俺達は、アフロディにスカウトされてこのチームに入ることを決めた。」

涼野「もう一度、キミ達と戦うためにね。」

アフロディ「かつての僕達だとは思わないことだ。各々が過酷な特訓を重ねた…そしてこのチームには、チェ・チャンスウがいる。」


アフロディはチャンスウに目配せし、チャンスウが前に出る。


チャンスウ「初めまして、イナズマジャパンの皆さん。いい試合にしましょう。」

円堂「ああ!」

チャンスウ「…でも、気をつけて。」


チャンスウは去り際に足を止め、声を低くして言う。


チャンスウ「決勝戦のフィールドには、龍がいますから。」


そう言うと、チャンスウは戻っていった。


円堂「…龍?」


円堂は不思議そうにチャンスウの言葉を反芻した。


アフロディ「…そして、僕達が勝利したあかつきには、日本代表の推薦選手をスカウトしようと思う。」

目金「!」

零「…」

円堂「推薦選手…?」


目金が逸早く反応し、零は相変わらず笑んだまま。円堂は聞かない言葉に、頭上にクエスチョンマークを浮かべる。
アフロディは円堂の態度に、驚いたように目を開いた。


アフロディ「知らないのかい? 一応、キミ達のチームメイトなんだけど…」

円堂「そ、そうなのか?」

目金「推薦選手と言うのは、15歳以下であるなら、立場や性別を問わず、各代表チームと大会本部が実力を認めた選手のことを指します。推薦選手の元には本部からの推薦状が届き、選考試合や予選には出場せず、本選からの参加となります。」


目金は素早く前に出てきて、説明をする。


目金「…ですが、僕達のチームどころか、今年の大会には出場していないものだと思っていましたよ…なんせ、どのチームも発表していなかったんですから…」



腕を組み、感慨深く言う目金。


栗松「でも、日本代表のメンバーを韓国代表にスカウト出来るんでやんすか?」

春奈「推薦選手は特別で、どのチームにも自分の意思で移籍可能だそうです。その代わり、怪我や病気でない以外、大会参加は強制だそうで、辞退不能だと書いてあります!」


眼鏡を掛けた春奈が大会規約書を読む。


アフロディ「…とにかく、そういうことだから。僕達はこの試合、勝つ気でいるよ。」


そう言い残し、アフロディは軽く手を振ってベンチへ向かった。


土方「まさか、アフロディ達が相手とは…」

零「ですけど、警戒するべきなのは、あのチェ・チャンスウですよ。」

円堂「…そんなに凄い奴なのか?」


円堂と豪炎寺が振り向く。
零は呆れたように笑って息を吐いた。


零「円堂さん、注意するプレイヤーくらい把握しといた方がいいっすよ? …フィールドを支配する韓国の司令塔。その巧みなゲームメイクは“完全なる戦術”と言われ、あらゆる敵を打ち砕いてきた…まさに稀代の転載ゲームメイカー。“龍を操る者”と呼ぶ人もいますけど…、…ていうか、あの人自分で言ってましたけどね。」


最後は少しちゃらけて言う零。


鬼道「龍を操る者…」

綱海「ちょっと待てよ、それより推薦選手だろ。」


綱海が軽いトーンで言う。


綱海「スカウトするっつったって、俺達それが誰だか知らねーじゃんか。んなんじゃ気になって試合に集中出来ねーっつーかさー…」


他の者達も唸りだす。


風丸「零。お前は何か聞いてないのか?」

零「さぁ。ていうかどうでもいいですし。」


零は両手を軽く挙げて答える。


円堂「まぁ、そんなこと考えたって仕方ないさ!」


メンバーは円堂に振り向く。


円堂「勝てばそいつが誰だか分かるんだろ? だったら勝てばいいんだよ!」


円堂の言葉に、みんなは気合を入れなおした。
豪炎寺も頷く。


円堂「よぉーし、やろうぜみんな! 決勝戦だ!」

「「「おう!!」」」


久遠「……」


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(少し抜かし)



一方、鬼道はチャンスウを見ていた。


不動「やれやれ…厄介な連中が来たぜ…」

鬼道「!」


鬼道はドリブルしている不動に振り向く。


不動「まぁこっちにも、日本が誇る天才ゲームメイカー様がいるから大丈夫だろうけど。」

鬼道「不動! これはみんなの力を合わせないと決して勝てない試合だぞ!」

不動「ハッ、いいじゃねぇか。」


不動はボールを高く上げる。


不動「どうせ俺は、今日も出番なしさ。」


落ちてきたボールをトラップしようとする不動。
が、不動がボールを受けた瞬間、零がボールを軽く自分の方へ寄せる形で奪った。


零「何僻んじゃってんすかー不動さん。」

不動「っ、副監督が何の用だ。」

零「別に? 不動さんが構って欲しそうだったから。」


不動は不機嫌そうに顔を顰めるが、零は余裕そうに笑みを崩さないまま言葉を返す。


零「ま、こんな簡単にボール捕られちゃうから、試合にも出して貰えなかったんじゃないんすか?」

不動「、今のは不意打ちだろ!」

零「あーはいはいそうですねー。」


「目付き最悪女」「ベンチ要員」などと、2人はそのまま口喧嘩を始める。
鬼道は何も言わずそれを怪訝そうに見ていた。


壁山「零さん、あんな奴よく相手に出来るっすね…」

綱海「ほっとけ。」


久遠はまた様子見。


豪炎寺と円堂はヘッドの練習をしている。


久遠「円堂。」

円堂「はい!」


円堂は笑顔で答え、顰め面の久遠の元へ駆けていった。


久遠「この試合、イナズマジャパンは勝てると思うか。」

円堂「ぇ……勿論です監督! 俺達は絶対に勝ちます! 勝って世界に行きます!」


円堂が少し考えて答えると、久遠は顔をあげて重々しく口を開く。


久遠「…お前には、何も見えていないようだな。キャプテンでありながら。」

円堂「、?」

久遠「今のままでは、イナズマジャパンは絶対に勝てない。」


久遠は席を立ち、少しの距離を円堂を過ぎて歩く。


久遠「それが分からないお前は、キャプテン失格だ。」

円堂「っ!? どういうことですか、監督!」


円堂は焦って久遠に振り返る。


久遠「今のお前は必要ないということだ。このチームにはな。」

円堂「!!;」


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(CM)


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