二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.62 )
日時: 2013/05/09 17:08
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)




(抜かし)



ジョンスがボールを出し、チャンスウがパスを受けた。


チャンスウ「ならく落とし!!」


ボールは土方に激突。態勢を崩した土方は鬼道に凭れ2人共転倒してしまった。


[これは…! 土方と鬼道激突だぁ!!]


ピーーーッ!


土方は足を押さえている。


鬼道「…大丈夫か?」

土方「へへ、捻っちまった…いっつ…;」

鬼道「…」


苦しそうにしながらもちゃらけて言う土方に鬼道は苦笑を浮かべる。
が、鬼道も立とうとした瞬間、足に鋭い痛みが走り小さく呻き声を洩らした。零はそれを見逃さずに反応する。

鬼道は何でもないように立ち上がり、余裕の表情を保つ。


鬼道「すまない、チャンスウの動きを読みきれなかった…
(パーフェクトゾーンプレスをかわせたとしても、やはりファイアードラゴンの個々の能力は高い…)」


零「…栗松、交代。」

栗松「! はい!」


液晶画面から目を離さずに指示する零。
栗松は元気良く返事をしてベンチを立つ。


栗松「キャプテン、行ってくるでやんす!」

円堂「頑張れよ、栗松!」

不動「ケッ…」

零「…」


フィールドへ駆け寄る栗松。
不動は不機嫌そうに息を洩らし、零は目を伏せて笑んでいる。


[イナズマジャパン、土方に代わって栗松が入りました!]


土方「栗松、気張っていけよ!」

栗松「任せるでやんすよ!」


2人はハイタッチし交代した。


ピーーーッ!



(抜かし)



ピーーーッ!


[ここで前半終了です!]


鬼道「…!」


鬼道はチャンスウがほくそ笑んでいることに気付いた。


涼野「後半も楽しもうじゃないか。」

南雲「世界大会へ行くのは俺達だぜ?」


ヒロトと緑川を嘲笑い、2人もベンチへ戻っていった。


緑川「奴等、余裕だな…」

基山「……」


円堂と綱海が立向居の元へ駆け寄る。


立向居「すいません、円堂さん…」

円堂「気にするな! 取り返せばいいんだ!」

久遠「後半は、更にメンバーを代える。」


久遠と零が円堂達に歩み寄ってきた。


久遠「…」

零「……」


久遠に目配せされ、零はやれやれというように笑む。


零「鬼道さん、緑川。あんた等はベンチだ。」

鬼道「!」

緑川「そんな!」

零「緑川は疲労でしょ? 少し足引き摺ってるよ。」

緑川「っ…」


零から目を背ける緑川。


零「自分でも気付いてたろ? 無理すんなよ。」

緑川「…ああ…」


緑川は悔しそうに言葉を返した。


零「鬼道さんは膝。さっき土方とぶつかって、痛めたんでしょ?」

土方「っ!」

「「「!」」」


メンバーはざわつく。


土方「ホントかよ鬼道…」

鬼道「…気付いていたのか…」


鬼道は次長的な笑みを浮かべる。


零「隠してたようですけど、庇うようにしてちゃ逆に目立っちゃってましたよ。それじゃ悪化するだけ。」

鬼道「分かった。」


鬼道は横向きに俯いた。


零「…不動さん、交代ですよ。」

鬼道「! 不動!?;」

円堂「…」


他の者も不動に目を遣る。
不動自身も驚いていた。


不動「へー、やっとかよ。」


不動はベンチを立つ。


鬼道「待て零! 不動はまだチームに溶け込んでいない、世界進出の懸かったこの大事な試合で、何故不動を…(零「敵はあの人を知りません。」!」

零「彼はジョーカー、ってところですかね。」


相変わらずの不気味な笑みで言う零。
不動はにやつきを隠さずに歩み寄ってくる。


不動「フッ…ジョーカーか。」

風丸「そうか! 今まで試合に出ていない不動なら、韓国にデータがない!」

円堂「上手くいけば、流れをこっちに戻せるかもしれない!」

鬼道「円堂…」

基山「確かに、一理あるな。」

零「流れを大きく変えるには、集団の中に異質な何かが必要となる時もあります。」


円堂達に言われ、鬼道は複雑な表情をする。


不動「さっすが副監督。分かってんじゃん。」


零の身長に合わせて屈み、零の肩を掴む不動。零は笑顔のまま即座に不動の手を振り払う。
不動は「おっと」と小さく声を洩らし両手を軽く挙げると、鬼道を軽く嘲り、フィールドへ歩んでいった。


不動「強い者は弱いものを食らって生きる。それが自然界の掟だ。」


風丸「…零、あと1人は?」

零「このままですよ。」

「「「え!」」」

壁山「キャプテン……」


円堂に視線が集まる。


零「僕だって出してあげたいですよー? まぁ残念ですけど、これは監督の指示なんでー。」


両手を軽く挙げ、明らかにそう思っていないような声音と口調で言う零を風丸が呆れたように睨む。


円堂「……」

マネージャー「……」

久遠「……」


円堂が何も分かっていないことを確認すると、久遠はベンチへ戻っていった。
それに続き零も。


「「「………」」」

円堂「……((ニコッ」

「「「!」」」


空気に反し円堂が笑いかけると、みんな軽く驚く。


円堂「立向居、頼むぞ!」

立向居「はい! 頑張ります!」

円堂「飛鷹! 前半、いい動きだったぞ! 後半もしっかりな!」

飛鷹「…はい。」


円堂がメンバーを元気付けると、元気良く返事をする立向居と、櫛で髪を整えながらぶっきら棒に答える飛鷹。

鬼道は、軽い準備運動をする不動を見る。


秋「吹雪くん、大丈夫? 医務室に行った方が…」

吹雪「いいんだ、此処にいさせて。…この試合、最後まで観ていたいんだ。」

秋「……」


円堂「……」

鬼道「……」


円堂は元気の無い鬼道の様子を心配そうに見つめる。


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(韓国サイド)


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[現在鬼道は治療中です! ここでイナズマジャパン、緑川に代わって、今大会初出場となる不動明王を入れてきました! 2対1で韓国優勢! 10人で挑む日本に、どんな秘策が!]


メンバーは怪訝な目で不動を見る。


[久遠監督、雨城副監督の采配に注目です!!]


ピーーーッ!


アフロディ「…10人とはね。」


アフロディは不敵に笑み、南雲にパスを出す。


[後半開始です!!]


両チーム上がりだした。


[さぁこの不動明王が、得点の起爆剤となるのかー!!]


円堂「……」


.


(ED)


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