二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.76 )
日時: 2013/07/31 21:03
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)




翌日・FFI——


たくさんのスポットライトがスタジアム内を照らし、FFIのエンブレムを模した電光掲示板を華やかに飾る。
外ではスタジアムに沿って仕掛花火があがっていた。


マクスター[さあ!! 全世界が注目するサッカーの祭典・フットボールフロンティアインターナショナル、世界大会!! 予選を勝ち抜いた強豪10チームが、サッカーのために作られたこの聖地・ライオコット島で激突します!!
実況は私、マクスター・ランド。解説は、元ヨーロッパリーグ・エースストライカー、レビン・マードックさんで、お送りします。]

レビン[宜しく。]

マクスター[さぁ、まずは開会宣言です! 宣言者は、今大会唯一の『推薦選手』である、日本代表・雨城零選手になります!]


「「「!!」」」

円堂「ええ!!」


何も知らなかった円堂達は驚く。


秋「推薦選手って、アフロディくんが言っていた…」

壁山「俺達、何にも聴いてなかったっすよー!」

不動「……」

風丸「お前達、静かにしないか! 驚いたけど、一応開会式中だぞ…!」


ユニホームを着た零が、学校の朝礼台のような場所で、スタッフらしき人と何かを話している。
話し終えると台にあがり、笑顔を貼り付けたままコホン、とわざとらしい咳払いをし、お辞儀をする。
会場が急に静まった中、零は宣言を始めた。


零「何の事故もなくこの日を迎えることが出来、本当に嬉しく思っています。わたくしのような未熟者が『推薦選手』という大役に選ばれてしまい、今でも困惑しているところです。けれども、本大会では実力を出し切り、そして私だけでなく各国の選手の皆様も、全力を尽くし、世界の頂を目指して欲しいと心から願っております。
…それではこれより! フットボールフロンティアインターナショナル世界大会、開会式をここに始めます!!」


最後で一気に声のトーンをあげ、会場は拍手と歓声に包まれた。
零は再び頭を下げ、いつもの猫背とは対照的なしゃんとした姿勢でその場から降りた。


マクスター[雨城選手の見事な開会宣言に、皆さんもう一度拍手をお願いします!]


マクスターの言葉で拍手が少しの間続く。
拍手と歓声が終わると、マクスターの実況が再開された。


マクスター[では、いよいよ選手入場です!!]



(選手入場)



入場を控えた日本代表。
久遠が先頭に立ち、円堂達に言い聞かせる。


久遠「全員揃っているな。」

円堂「はい!」


綱海「…しっかし、まさか零が、推薦選手?だとは思わなかったぜ。」

目金「僕は予想出来ていましたけどね。」

木暮「何知ったかぶりしてんだか。ウッシッシ…」


目金が得意気に言うと、木暮が茶化す。


鬼道「零の実力が如何ほどかは分からないが、強力な味方であることは確かだ。」

壁山「ちょっと安心しちゃったっす…」


円堂「よし、行こうぜ!!」

「「「おう!!」」」


日本代表のエンブレムが電光掲示板に掲示される。


マクスター[日本代表『イナズマジャパン』の入場です!! チームを率いるのは、キャプテン、円堂守!! このチームは、世界のレベルから見れば、まだ経験も浅く、成長途上ですが、粘り強い試合運びで、何度も、逆転勝利を収め、世界への切符を手にしました。]


円堂家も宇都宮家も鈴目も、雷門サッカー部も、病院の吹雪や緑川も豪炎寺家も、円堂達の晴れ舞台をテレビで観ている。


レビン[逆に、成長途上にあるが故、爆発的な進化の可能性を秘めていると言えます。今大会の、ダークホースになるかもしれません。]

マクスター[なるほど。イナズマジャパンの活躍にも、期待がかかります!! 続いて入場してきたのは、コトアール代表『リトルギガント』!!]


マネージャー・矢舞・戻ってきた零は、各チームの個室の設置テレビで様子を観ている。



(ちょっと抜かし)


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『フットボールフロンティア世界大会、ここに開幕致します!!』


大画面で入場の様子を見ていたらしい初老の男性と、その隣には側近のような小太りの男、2人の少し後ろの方には、スーツを着た女性がいる。
小太りの男が、肥え太ったような高めの声で話しかける。


???「いよいよ始まりますね…ガルシルド様。」

ガルシルド「ああ…」


『ガルシルド』と呼ばれた男は、丸いサングラスを画面の光の反射で光らせた。


ガルシルド「この開会式は、私の計画の『始まりの儀式』でもあるのだよ…」

???「フフッ…」


女性がヒールの音を立ててガルシルドに歩み寄る。


???「楽しみねぇ。」

ガルシルド「その様子だと、準備は出来ているようだな…」


ガルシルドは席を立つ。


ガルシルド「妃咲きさきくん…」


ガルシルドは、ふっふっふっふ、と不気味な笑みを零した。


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(ED)


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