二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第86話「驚愕!これが世界レベルだ!」 ( No.78 )
日時: 2013/07/31 21:18
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)




イナズマジャパン・宿舎——


モニターの前に立って説明する零。
いつもの仕事着ではなくイナズマジャパンのジャージを着ている。

(秋は冬花の隣)


零「いよいよ、フットボールフロンティアインターナショナル本選です。あっ僕、次の試合から出れますんで。」

風丸「軽過ぎるだろ!」


風丸が席を立つ。


風丸「どうしてちゃんと言ってくれなかったんだ。昨日いきなり知らされて…驚くだろ!」

零「驚かなかったんですか?」

風丸「そりゃ驚いたさ!」


怒り気味で風丸が零を問い詰めようとするも、零はどこ吹く風で全く取り合おうとしない。


零「ていうか監督が言ってたじゃないすか、代表メンバー発表の時に。」


.


久遠「以上、16名……プラス1名。」


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風丸「…あれだけでどう察せと。」

零「んー僕なら分かるけどなー。」

不動「そりゃ本人なんだから当然じゃねーの?」

零「引っ込んでろ万年ベンチ。」

不動「誰が万年ベンチだ!!」


不動も席を立ち上がって零に抗議(?)し始める。


「第一俺が活躍しなきゃあんたは韓国代表だったんだぜ?」
「僕は別にどこでもいいんすけど。ただ亜風炉さんとあのうざい2人がいるのだけがなぁ…」
「不動! 話が反れるから少し黙っていろ!」
「はぁ? 俺には不満を言う権利もねぇのかよ!」

秋「…ちょっと! 3人共落ち着いて!」


言い合いを始めてしまった3人に秋が静止をかける。


秋「せっかく本選出場が決まったんだから、喧嘩はしないでよ! 風丸くんもどうしたの? 零くんが隠し事してたのは気になるけど、風丸くんらしくないよ。」

風丸「…すまん。」


3人はとりあえず黙った。


鬼道「…しかし、何故何も言わなかったんだ?」

零「…ただ単にめんどくさかっただけっすよ。まず皆さん、推薦選手のことも知らないようでしたし。」


風丸はまだ腑に落ちないような顔をしている。


零「それじゃ、説明始めますよ。音無。」

春奈「あっ、はい!」


(大会説明省略)


零「僕らの初戦は2日後、対戦相手はイギリス代表『ナイツオブクイーン』。ヨーロッパの中でもトップクラスの実力を持つ強豪ですね。キザな連中が多いから、僕は個人的に彼らが嫌いですけど。」

目金「正直、初戦では当たりたくなかった相手ですね…」

綱海「面白そうじゃねぇか!」


綱海が席を立つ。


綱海「せっかくここまで来たんだしよ、どうせやるなら、それっくらい強ぇ相手じゃねぇと、面白くねぇからな!!」


先程の悶着で雰囲気が悪くなりかけていたが、綱海の性格で明るくなる。


鬼道「どうせやるなら、強い相手か…」

円堂「鬼道!」

鬼道「ああ!」


円堂も席を立つ。


円堂「よーしみんなぁ!! 全力でぶつかっていくぞー!!」

「「「おーう!!」」」


響木「うん…」


響木は満足気に円堂を見ていた。


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執事「それでは、失礼致します…」


老いた執事が頭を下げ、久遠の部屋から出て行く。
久遠の手元にはナイツオブクィーンのエンブレムを模したシール(シールっていうのか? 何だこれ)が貼ってある手紙があった。


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(OP)


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(練習)


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零「招待状っすか。ご丁寧にこんなもん送りつけて…さすがは紳士の国。…受けるんですよね?」


招待状を読み終えたらしい零は久遠に目を遣る。


久遠「ああ。相手を知るには、いい機会だからな。」

零「そっすか。あっ、でも僕不参加でお願いしますよ? プライベート以外にまでパーティなんて勘弁(久遠「お前は保護者としてついて行け。」…」


零は納得いかないらしく半目で久遠を見る。


久遠「あいつらはまだ子供だ。鬼道はともかく、こういった場に不慣れな者が多いだろう。相手に失礼のないようにな。」

零「…へーい。」


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風丸「豪炎寺っ!!」

豪炎寺「ファイアトルネード改!!」


風丸のパスから豪炎寺がシュートを撃つ。


円堂「真ゴッドハンド!!」


円堂はシュートを止めた。


風丸「いいぞー円堂ー!!」

円堂「……」


『お前さんはそれでいいのか?』


円堂は先日老人に言われたことを思い出していた。


円堂「……(ピーーーッ!! !」


いきなり笛が鳴る。


零「皆さん、ちょっと集まってくださーい。」


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一同はベンチに集まる。
零の右側に冬花・秋、左側に春奈・目金がいる。


「「「親善パーティー!?」」」

零「ナイツオブクィーンから招待が来たらしくて…。試合をする前に親睦を深めたいから、今日の6時、ロンドンパレスに正装して来て欲しい、って。」

綱海「正装?」

立向居「こんなネクタイした、黒い服のことですよ。」

綱海「?」


立向居がジェスチャーで伝えるも、綱海は別のものを想像する。


綱海「えーっ?!! あんなもん着るのかよー…」

立向居「ぇ…」


目金「ま…当然と言えば当然ですね。何と言ってもジェントルマンの国なんですから…」

零「目金さんには縁のない国ですね。」

目金「それ、どういう意味ですかね!!」


零は目金を無視する。


矢舞「パーティって…何で外国に来てまでそんなもん出なきゃいけないんだよ。」


退屈そうに矢舞が言う。


零「仕方ないでしょ、こいつ等がはしゃぎ過ぎないように見てなきゃいけないんだから。…というわけで、時間厳守ですから、早めに準備しといて下さいね。」


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(海外組の紹介やら・CM)


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続き ( No.79 )
日時: 2013/07/31 21:24
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)




(抜かし)



秋「みんなー! 用意は出来たー?」

木暮「…? !」


木暮は女子達の方を見て赤面した。

着替え終わった秋・春奈・冬花は階段を下りてくる。
壁山・栗松も顔を染め、壁山はまたボタンをちぎってしまい目金の額にヒットした。


立向居「うわぁ…可愛いです!」

栗松「き、綺麗でやんす!」

春奈「ちょっと、そんなにじろじろ見ないで下さいよっ…きゃ!」


春奈は照れた拍子に、慣れないヒールのせいか階段から足を滑らせる。


零「よっと。」

春奈「!」


3人よりもあとから来た零が春奈を受け止める。


零「ったく、危なっかしいね。」

春奈「えへへ、ありがとう…」


春奈は苦笑した。


零「しかしまぁ、3人共、お綺麗ですよ。よく似合ってますし、見繕った甲斐があるってもんですね。」


零は春奈を離し、コツコツと足音を立てて階段を下りながら3人を褒める。


冬花「そんな…」

春奈「零くんのセンスが良かったのよ。あっ…その格好で『くん』じゃおかしいわね…」


春奈は顎に手を添えて考える。


春奈「うーん…あっ! 零ちゃ(零「音無。」ぇ?」

零「いくら音無と言えど許されざることがあるから。」

春奈「ご、ごめん零さん。」


零は笑顔のまま顔に影を作り、春奈は即座に謝った。


矢舞「ぶふぉっ!! その顔で『ちゃん』って…!」

不動「いいザマじゃねぇか零チャン。『馬子にも衣装』だな。」

零「モヒカンにタキシードなんて邪道過ぎますよ明王チャン。」


矢舞と不動は零をからかう。
不動と零は壁際で掴み合いの喧嘩に発展し、風丸が傍で文句を言い出す。


「何だそのヒール。実は小っこいの気にしてたのかよ。」
「そんな服着るんならヅラでも被ったらどうですか? 視界に入るだけで不快なんですけど。」
「零、そんな格好で脚を上げるな!」

秋「あれ? …円堂くんは?」

基山「そういえば、いないね…」


ヒロトは辺りを見渡す。


秋「あっ、もしかして…」


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(秋が円堂を迎えに行く)


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会場では、ドレスやタキシードの紳士淑女がワイン片手に談笑し、シックな音楽が流れ、『如何にも金持ちのパーティ』という雰囲気になっている。


壁山「うわー…美味しそうなローストビーフっすー…!」

栗松「駄目でやんす! 食べたらまたボタンが外れるでやんす!」

壁山「……」


栗松が料理から壁山を離した。


木暮「これと、これと、これと、わーこっちもー!」


次々と料理を皿に盛る木暮。


春奈「木暮くん! そんなにいっぱい取っても食べられないでしょう?!」

木暮「ウッシッシッシ…」

春奈「ぁ…待ちなさい!!」


すぐに木暮を追いかけようとするが、ナイツオブクィーンの1人と目が合い、静かに微笑んで木暮を追いかけに行く春奈。


デービット「…はしたない。」


エドガー「先日は見事な開会宣言でした。あなたのような華奢で清廉な方が推薦選手だなんて、私は今でも信じ難く思っていますよ。」

零「そうですか…。私、そんなに弱そうに見えますか?」

エドガー「滅相もない。美しく、それに加えて強か。これほどに魅力的な女性はそういませんよ。その赤いドレスも、色白なあなたによく映えています。」

零「それはどうも…」

エドガー「予選大会も、あなたのような方の指導があってこそ、勝ち抜けたのかもしれませんね。」

零「はあ…。!」


エドガーと会話していた零は、エドガーの返しがうざくなってきたのか、うんざりした顔をしている。相変わらず笑顔ではいるのだが。
零は近くを通りかかった冬花に気付く。


零「冬花さん、ちょっと…」

冬花「零さん、どうかしたの?」


冬花が歩み寄ると、零は冬花の方にポンと手を置く。


零「ちょっと交代お願いします。」

冬花「ぇ。は、はい…」


零はそのままふらふらとその場を離れた。


エドガー「あなたは、イナズマジャパンのマネージャーですか。」

冬花「は、はい。」

エドガー「あなたのような美しい女性に応援されるなんて…羨ましい限りです。」

冬花「え? は、はあ…」


冬花はキョトンとするが、何とか笑って誤魔化した。



(抜かし)



円堂「やっぱり、何か変なんだよなぁ…」

立向居「! 円堂さーん!」


立向居は円堂に気付き、円堂を呼びながら手を挙げる。


風丸「こっちだこっちー。」

円堂「ああ!」

エドガー「フッ…フフフフ…」


「「「?」」」


鬼道達はエドガーの方を向く。


エドガー「いや失礼。あまりにも似合ってたものだから…」

零「…」

不動「…フッ。」


零と不動はエドガーの嫌味に気付いてニヤつく。


エドガー「さぁ冬花さん、向こうへ行きましょうか。デザートがありますよ。」

冬花「ぇ、あ、あの…」

目金「ちょっと待って頂けますか。」



(ちょっと抜かし)



エドガー「…だったら、やってみますか? 今、ここで。」


エドガーは不敵な笑みを浮かべる。


円堂「ぇ…?」


ざわつく円堂達。


エドガー「私のシュートがキミに止められるかどうか…」

円堂「!」

エドガー「『嫌』とは言わないですよね?」

円堂「……いいだろう。」


円堂は少し考えて答えた。


円堂「受けて立つ。」

鬼道「円堂! 、!」

不動「面白いじゃねぇか、やらしてやれよ。」

零「敵のシュートを見ておくことも、ゲーム攻略には大事ですしね?」


不動は鬼道の肩を掴み身を乗り出し、零は鬼道の顔を覗き込んで楽しそうにしている。


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続き ( No.80 )
日時: 2013/07/31 21:25
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)




グラウンド——


エドガーと円堂はユニホームに着替え、円堂はゴール前に、エドガーはボールを足元にして立っている。


春奈「親善パーティがとんでもないことになっちゃいましたね…」

秋「ええ…」

冬花「……」


エドガー「ルールは簡単。一本勝負、私はキミに向かってシュートを撃つ。それを止められればキミの勝ち。」


エドガーは得意気に話す。


基・立「っ…」

綱海「何が『キミに向かって』だ、馬鹿にしやがって…!」


エドガー「では、行きます。」

円堂「来い!」


エドガーがボールを蹴り上げ、シュート態勢に入る。


エドガー「エクスカリバー!!」


マネージャー「!!」

風丸「何だ、あのシュート…!」

栗松「凄いパワーでやんす!」

零「…」


零は目を細める。


円堂「いかりのてっつい!! …っ、うわあっ!!」


ボールはネットに突き刺さった。


立向居「し、信じられない…円堂さんの『いかりのてっつい』が、あんなに簡単に破られるなんて…!」

秋「円堂くん…」


観ているジャパン側は驚いている。


エドガー「どうやら、私の勝ちのようですね。…さぁ皆さん! 余興は終わりです。パーティ会場へ戻りましょうか。」

円堂「…これが…!」

エドガー「ん?」


円堂が何か言っているのに気付き、ゴールを見るエドガー。


円堂「これが…世界レベル…!! ボール全体が、体全体にズシンッ、て来て……」


円堂は掌を見つめて、感じたことを口にしている。


円堂「っ凄いなエドガー!! 今のシュート!! あんなシュートが撃てるなんて!!」

エドガー「……」

デービット「…何だあいつ。負けたのに笑ってるぞ。」


円堂は立向居達のいる方へ駆け寄る。


円堂「みんなも観ただろ?! 今のシュート! これが世界レベルのサッカー! そして俺達は、その世界レベルと戦える…!! こんな強い相手と戦えるんだ!!」

秋「円堂くん…!」

風丸「円堂…」

壁山「キャプテン…!」


豪炎寺・鬼道・ヒロトは頷く。


綱海「俺達も負けてられねぇな…!」

鬼道「ああ。みんな! 明日から特訓だ!!」

「「「おう!!」」」


エドガーのシュートに圧倒されたことにより、イナズマジャパンは皿に団結した。


デービット「本当のエクスカリバーを知らないで、おめでたい奴らだ。」

エドガー「フッ…。思ったより楽しめそうだな。」


.


翌日・グラウンド——


ヒロトがドリブルであがる。


基山「いくよ、円堂くん!」

円堂「来い!!」


円堂はまた老人の言葉を思い出していた。


『お前自身のサッカーはどこにある。』


円堂「(やっと分かったよ…。世界中の超一流の選手に勝つためには…)」

基山「流星ブレードV2!!」


円堂「(『自分自身の必殺技』が必要だって!!)」


円堂は流星ブレードV2をパンチングで受けようとする。


円堂「ぅあっ!!」

秋「円堂くん!!」

円堂「っ…もう1回だ!!」


すぐに起き上がる円堂。


久遠「…やっと自分達の置かれた状況が分かったか…」

秋「!
(…もしかして、監督はこうなることが分かっててパーティに…?)」


秋は監督を見た。


春奈「! そういえば、零さんは練習出ないの?」

零「ん?」


春奈は、隣にいる零を見る。
零はジャージを着たままで、練習には参加していなかった。


春奈「もう、選手側なんじゃ…」

零「んー……。それもそうだな。」


じゃ、出てくるよ。と言い、ジャージを着たままグラウンドへ駆けていった。


円堂「来い! ヒロト!」


秋と春奈はグラウンドを見つめる。


円堂「絶対見つけてやる! 誰のものでもない、『俺自身の必殺技』を!!」


.


(ED)


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次回予告 ( No.81 )
日時: 2013/07/31 21:26
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)




ついに世界で炸裂する、エクスカリバーと必殺タクティクス!

次から次へと繰り出される攻撃にどう打ち勝つ? イナズマジャパン!



次回イナズマイレブン、

「英国の騎士!ナイツオブクィーン!!」

これが超次元サッカーだ!!


イナズマイレブン、今日の格言!

「花は遅く咲くほど美しい。」 (エドガー)

円堂「はあ…」