二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 聖職者 ( No.1 )
日時: 2012/02/19 21:43
名前: 優姫那 (ID: FRnJyOeS)

ヒュオオオオオ!!!

グランドラインのとある島に立ち寄った麦わらの一味を突風が襲った。

「あ!!」

船長ルフィは自身の誓いの帽子が風に飛ばされてしまい、腕を伸ばすが風に追い付かず、帽子は届かないところまで飛んで行ってしまった。

「ぼうじ〜〜」

ルフィにとっては自分の命の次に大事な麦わら帽子。なくなっては困るどころの話ではない。




















「………これのこと?」

上から聞こえた低音の声を振り返ると栗色の髪を元結でまとめた赤い目の男がいた。

「見つけてくれたのか?」
「突然この帽子がおれのとこに飛んで来たから持ち主は近くにいるだろうと思って、探してたんだ」
「よくこの帽子がルフィのだってわかったわね?」

疑問に思ったナミが問いかけた。その男は至って表情を変えることなく話し続けた。

「ここら辺にいる人で、その帽子が似合う人って言ったら彼女だけだった。それだけのことだ」
「ありがとう!」

満面の笑みを浮かべてルフィは感謝の言葉を述べた。

「ちょっといいかしら?」
「何だ?」

ロビンが会話に割って入った。

「あなた、フィオレータ・ゴドリックね?」
「手配書と顔違うのに…よくわかったな。じゃあ改めて自己紹介といこうか。おれはフィオレータ・ゴドリック。フリーの海賊だ」

Re: 聖職者 ( No.2 )
日時: 2012/02/04 11:55
名前: 勇姫那 (ID: EZkVITYZ)


「まさか…!あの”星織者”フィオレ!?」
「ふぃおれ?誰だ?」

海賊の情報などまったくと言っていいほど知らないルフィは首をかしげ、ナミは噂でしか聞いたことのない名前に驚愕する。

「私も詳しくは知らないわ。懸賞金2億7千万ベリーの海賊よ」
「2億7千万!!?ルフィとほとんど同額じゃない!!」
「……おまえ、仲間になれ!!」
「いいぜ」
「ちょっとルフィ!!」

















「こいつは誰だ」

船に戻ったルフィたちを迎えたのはゾロの問いかけと尋常じゃなく不機嫌な目だった。惚れた女が見知らぬ男と船に戻ってくればそら妬くだろう。

「新しい仲間、ゴドリックだ」
「よろしく」
「よろしくじゃねえ!!」

ゾロの怒声はもっともだ。

「一つ誤解があるみたいだから言っておく。おれは女だ。レズでもないからルフィを狙ってはいない」
「ああそうか。……女?」
「男にしか見えないだろうが、一応女だ」

ゴドリックはゾロに向けてニヒルに笑った。

この女の加入で良くも悪くもサウザンド・サニー号に影響が出てくることになる。

Re: 聖職者 ( No.3 )
日時: 2012/02/04 15:27
名前: 七々斗 (ID: ZYR2ZLjZ)

ごめん、今見つけた。

Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.4 )
日時: 2012/05/05 20:53
名前: 勇騎那 (ID: rtyxk5/5)

名前 プリンセス・アマンダ
性別 女
身長 186cm
享年 41
容姿
瑠璃色の髪をポニーテールにして、オレンジの目。左目の斜め下に泣きぼくろがある。

性格
包容力のある女性。
優しさと勇ましさをあわせもつ。一言でいえばイイ女。
でも、男に対して少々喧嘩っ早いところもある。

生涯
11歳の時にボーバトン学校アカデミーに入学。
7年生の時に卒業を目前に中退。並びにロジャー海賊団の船員になる。
シャンクスの教育係を自ら志願し務める。
ロジャーの処刑のすぐ後に聖地マリージョアを襲撃。
ルージュのお産に立ち会い、エースをガープに預けた。
フィッシャー・タイガーとともに2度目の奴隷解放に尽力。
助けた九蛇三姉妹をシャボンディ諸島にいたグロリオーサに託す。
それから三年後にシャンクスとの間に子を身ごもり、一年後に愛娘ロルシアを出産。
娘が自身が中退したボーバトンに入学すると同時に心臓に重い病を患う。
闘病生活を続けながら自分が持つ術のすべてをロルシアに叩き込んだ。
ロルシアが17歳でボーバトンを卒業したのち、持病が悪化して亡くなった。

生前の異名は”時渡り”のアマンダ
各地を次々に飛び回っていたことからこの異名がついた。

Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.5 )
日時: 2012/02/10 21:04
名前: 勇騎那 (ID: ET4BPspr)

慈愛者


「ね、シャンクスって女の子に興味ないの?」
「何だ、いきなり」
「前から思ってたけど、あんたって正常?」
「何でそんなことを聞くんだ?」
「ぁっ、あたしは教育係よして聞いてるだけよ!好きだからとからじゃないから。勘違いしないでよね!!」

「……期待させるな」

アマンダが去ってデッキに一人になったシャンクスはぼやいた。



一方こっちは船長室。バン!とドアを破壊しかねない強さで思いっきりこじ開けた。晩酌をしていたであろう船長のロジャーとその右腕レイリーがいた。アマンダはロジャーとレイリーに泣きついた。

「最悪だよ船長、レイリーさん…。あんなわけのわかんない話するなんて、絶対バカだと思われたに決まってる……」
「シャンクスの方も同じことを思ってるかもしれないな」


____聖地マリージョア

燃え上がる戦火の中でアマンダは三人の少女を見つけた。
牢獄の中で怯えていた彼女たちを見つけた。

「早く逃げなさい!!」

鉄格子を自身の技で破壊すると、彼女たちはおぼつかない足取りで逃げ出した。逃げ惑う奴隷たち…それらを逃がさまいとする海兵たちの声…
火災の熱…




「あとどれくらいのものを差し出せばいいの………?」


Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.6 )
日時: 2012/02/10 21:05
名前: 勇騎那 (ID: ET4BPspr)

「誰じゃ…!?」

黒髪の壮麗な少女はアマンダを見るなり睨みつけてきた。しかし、相手が自分の恩人であると分かった途端安心したような表情を浮かべた。

「そなたであったか」
「アマンダよ。プリンセス・アマンダ」
「わらわはボア・ハンコック。こっちは妹たちじゃ」
「サンダーソニアです」
「マリーゴールドといいます」
「よろしくね」

ふっと笑いかけるとソニアとマリーもつられて笑った。


Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.7 )
日時: 2012/02/10 21:07
名前: 勇騎那 (ID: ET4BPspr)

聖母-ヴィーナス-たち

「アマンダ」
「何?」
「この子が生まれたら、必ずガープさんに預けて」
「ロジャー船長が言ってたのよね?」
「ええ。彼が言うには「ガープは仲間程に信用できる」だそうよ」
「それが案外一番安全かもね。でも、ロジャー船長がそこまで考えてるとは思えないけど」
「フフッ。確かにロジャーはそんなに器用じゃないもの」
「妻に言われちゃ、さすがの海賊王もおしまいね」
「だって本当のことだもの。あっ、そういえばシャンクスとはどうなってるの?」
「それがまだ片想い中」
「ええっ!!?あなたたちってもどかし過ぎてイライラするわ。私が思うにはシャンクスの方も片想い中と思ってるんじゃない?両片想いなのよ!」
「そうなのかしら?」
「あくまでも私の憶測よ」
「期待しちゃうから何も言わないで!ルージュの憶測が外れたためしなんて一度もないんだから」
「ごめんなさい。フフフフ!…ぁ……いたっ…」
「もしかして…破水したっていうの?」

数時間にも及ぶ難産の末、ルージュは男の子を産み落とした。エースと名付けられた男の子は、ガープに預けられた。ルージュは20ヶ月もの間腹に宿していたエースを産むと、息を引き取った。

Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.8 )
日時: 2012/02/10 21:09
名前: 勇騎那 (ID: ET4BPspr)

勇女と優女

ローグタウンで船長ロジャーが処刑された。世界政府としては海賊たちへの見せしめのつもりで行った公開処刑だったが、ロジャーが死にぎわに放った一言で大海賊時代の幕開けとなった。

「アマンダ!バギー!おれと一緒に来い!!」
「誰がてめえなんぞと行くかぁ!!」

嵐の中で雨に打たれながら立つ。アマンダはシャンクスとともに戦いたいと思った。この先、海賊たちの往来で世界中の海が荒れるだろう。そんな時代に一人でいたくなかった。何より、シャンクスと居たかった。

「私は行く!」

Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.9 )
日時: 2012/02/10 21:11
名前: 勇騎那 (ID: ET4BPspr)

「私の夢・・・叶ったよ」
「アマンダの夢?」
「うん」

赤髪海賊団の船のデッキでぽつりとアマンダはつぶやいた。

「大好きな人の子供を、神様から授かったんだから」
「おれたちのガキがいるのか?」
「うん」

やわらかく笑ったアマンダ。その表情は一人の母の顔だった。子ができたと知り、シャンクスは自分が父になったと喜ぶ。守るべきものが一つ増えた。

「ねぇ、シャンクス・・・お願いがあるの」
「何だ?」
「この子と私が船を降りることを許して」
「なぜだ?」
「父は四皇、母は奴隷解放の大罪人、加えて両親ともロジャー海賊団の船員よ。罪人の血をひいて生まれてきた子を世界政府が放っておくとは思えない」
「確かにな」
「生まれてくるこの子に罪はないけれど、もしそのことが政府に知れたとしたら、この子は必ず命を狙われる。この子は、時が来るまで私が守り抜く。それと、この子に守るべきものができたときに守れる力をつけるためよ。お願い、船を降ろさせて」

自分の妻は一度やると決めたことは決して曲げない性分だ。

「別れはつらいが…頼んだぞ」

Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.10 )
日時: 2012/02/10 21:13
名前: 勇騎那 (ID: ET4BPspr)

泣かない姫君


お父さんがいないなんて、そんなのおかしいよ!
おかしくはないよ。片親の子供なんて世界中を探せばいくらでもいるんだから。

ロルシアは父親がいないからという理由で入学当初から他の生徒たちからいじめを受けていた。

教科書をビリビリに破かれ、制服の上に着るローブを隠され、女子生徒からは話しかけても徹底的に無視され、全校生徒が集まる大広間でランチに出された糖蜜ヌガーをべチャッと投げつけられ、時にはもう使われていない教室で複数の男子生徒に犯されかけたこともあった。その時は母直伝のエスパー技でフルボッコにした。ロルシアは自分が傷つけられたとは思っていない。

 いじめに屈しないロルシアをみて、いじめる側だった何人かの生徒は根負けしていじめをやめた。ロルシアが屈しないことが面白くないものは少なからずいて、それらの者たちによる集団でのいじめは以前よりもひどくなっていった。

Re: 聖職者〜MUD-BLOOD〜 ( No.11 )
日時: 2012/02/05 15:19
名前: 七々斗 (ID: ZYR2ZLjZ)

ってか、更新早いな・・・(・_・;)

Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.12 )
日時: 2012/02/10 21:14
名前: 勇騎那 (ID: ET4BPspr)

照美様が降りてきてくださったからだよ(≧Å///)

Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.13 )
日時: 2012/02/10 21:17
名前: 勇騎那 (ID: ET4BPspr)

ロルシアは自分の赤髪が好きだ。母は瑠璃色の髪だったから、この髪は父譲りだ。父のことは顔も知らないし、母は教えてくれないから全くわからないけれど、父がくれた美しい赤髪が好きだ。自分の目が好きだ。形も、色も、母そのもののオレンジの目が好きだ。

ロルシアが5年生になったある日のこと。いつものように大広間で食事をとった後、中庭の木に寄り掛かった。入学当初から友達がいないロルシアは一人で食事をさっさと済ませ、中庭に生えている大きな木の陰で読書を始めた。母がすすめてくれた本は、15のロルシアには一番共感できる内容のものですらすらと読みやすかった。乱世に生まれた一人の女学生が懸命に着ていく。その中で繰り広げられる仲間との固く厚い絆……激しい戦い……切なくも美しい恋……

黙々と読み進めていると、左から近づいてくる男子生徒に気づかなかった。

「優等生ぶって読書か?ムカつくんだよ」

読んでいた本を奪われ、投げ飛ばされた。ロルシアは大して気に留める様子もなく、飛ばされた本を拾って土を払った。

「父親がいねえから優等生ぶりたくもなるよな。あ〜ごめん」

棒読みの謝罪の念が一切こもっていない言葉に呆れるしかなかった。

「これだから片親の奴ってのは嫌なんだ。無愛想で、優等生ぶってて、この前おれの仲間ぶっ飛ばしてくれたしな?父親がいないから悪い女になるんだよ。お前も、お前の母親もな!!」

我慢ならなかった。自分のことはどういわれようが構わない。どんな目にあっても、自分だけのことなら迷惑をかけていないから黙って聞き流すことができた。けれども母を悪く言われることは許せなかった。

「おい、聞いてんのか……お前…」

驚いたどころの話ではない。







ロルシアが       泣いていた

Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.14 )
日時: 2012/02/10 21:19
名前: 勇騎那 (ID: ET4BPspr)

ロルシアは今までしずくが頬を伝う姿を誰にも見せたことがなかった。

「あたしのことは…どう言おうが……構わない。けれど、母さんを悪く言うのは許さない」
「本当のこと言っただけだろ?お前の母親、卑しい海賊じゃねえか」
「海賊である前に……あたしを産んでくれた人だ」

いつからいたのかギャラリーが集まってきていた。人様の面前でこんな姿をさらしたくはないが、母を侮辱されたことに対する怒りは収まる気配がない。

「君を人間オークションに売り出してやる。死ぬより辛い地獄を味わえばいい」

その生徒は”オークション”という言葉に身を震わせた。一生人間として扱われない存在_____奴隷
政府からも、誰からも守られない奴隷にされることは死んだほうがマシだと思えるものだ。
ロルシアはその生徒を眠らせて、シャボンディ諸島のオークションハウスに売りとばした。

それから、誰もロルシアをいじめなくなった。売り出されて一生人の犬として飼われるより、一時的ではあるが、ロルシアの奴隷になることを選んだ。

Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.15 )
日時: 2012/02/10 21:21
名前: 勇騎那 (ID: ET4BPspr)

「母さん!もう一回あの話聞かせて!」
「もう、ロルシア。これで18回目よ?」
「だって何度聞いても面白いんだ」
「仕方ないわね。じゃぁ、海賊と修道女の話をしてあげる。___ある海賊の一団が修道女のいる島にやってきた。その船の船長は修道女に対して「仲間になれ」といった。修道女はその誘いを断らなかった。でも、その時修道女は学生でもあった。だから通っていた学校を中退してその海賊団の船員になった。その船には、赤髪の見習いの男がいた。修道女と赤髪の男はいつもいがみ合っていた。でも、修道女にとっては喧嘩している時間さえも大切なものになって、いつの間にか初々しくも男前な赤髪の男に恋をしていた」
「そのあとはどうなったんだっけ?」
「海賊団は解散。船長は処刑された。修道女と赤髪の男は今まで胸に抱えていた想いをさらけ出して、恋人同士になった。それから三年がたって修道女は赤髪の男との間に子どもを身ごもった。両親とも有名な海賊だと、生まれてくる子は命を狙われることになると判断した修道女は赤髪の男にに別れ話を持ちかけた。赤髪の男はそれを受け入れてくれた。さらに数年がたって赤髪の男は大海賊になって、修道女は一児の母になった。」

Re: 聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.16 )
日時: 2012/02/10 21:16
名前: 勇騎那 (ID: ET4BPspr)

父さん

「母さん…病気いいの?」
「なんとかね。…クロッカスさんなら、治せたかもしれないけど……うっ…」

息は少々荒いが、布団にくるまらなければならないほど危篤ではなさそうだ。

「ロルシア」
「何?」
「あなたの父は、赤髪のシャンクスよ」
「え…?じゃあ、あたしの赤髪は…赤髪のシャンクスの髪ってこと?」
「そうよ。それだけじゃなくて、あなたは彼によく似ているの。政府の人間たちは、このことを知ったら絶対にあなたを葬ろうとするはず」
「あたしは…どうしたらいいの?」
「今から教えるわ。”七変化”の方法をね」
「”七変化”って習得できるの?生まれつきの能力じゃないの?」
「もちろん生まれつきで”七変化”の人もいるけど、ごく一部だけが自力で習得しているわ。その容姿を隠せば、世界政府の目を欺ける」
「……教えて!”七変化”の術を!」
「いい?今まで教えたどんなものより難易度が高い、その上ものにするにはかなり過酷よ。一度でも弱音を吐けば二度と身に着けられるものではないわ」
「それでもいい。母さんはあたしのことを守ってくれてる。あたしも母さんを守りたい!」
「分かったわ……」