二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.108 )
日時: 2012/03/16 16:34
名前: 勇騎那 (ID: MoBT/TTN)

「ウソップブルック!!!ゾロを連れて逃げろ〜〜〜〜!!!」

「行くぞブルック!!!」
「ハイ!!!」

ウソップはゾロを抱えて走り出す。

「全員!!!逃げる事だけ考えろ!!!今のおれ達じゃあこいつらには勝てねェ!!!」

ルフィの声を聞くが早いか、一味は別々の方向へ逃げ出した。

「ハア全コーラ使い果たすぞ…!!!こいつが最後の攻撃!!!」

「風来砲!!!」

バーソロミュー・くまの巨体が吹き飛び、ナミ、サンジ、フランキーは脇目も振らずに駆け出した。

「「PX-1」!!ロロノアが虫の息だ!!そっちから行け!!」

ウソップ達が狙われた。

「フランキー!!ナミさんを頼む!!先に行ってくれ!!!」
「サンジ君!?」
「気ィつけろよ!!こっちは大丈夫だ!!!」

サンジがウソップ達を逃がすために引き返していく。

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.109 )
日時: 2012/03/20 13:34
名前: 勇騎那 (ID: AxOVp0E5)

「おろせ……!!」
「は?」
「………お前らを逃がす……!!」
「バカ言うな!!今のお前なんか、おれより役に立たねェよ!!一緒に逃げるんだ!!ルフィがそう判断したんだ!!」

おろせというゾロに冗談じゃないとウソップは首を振る。

「ギャー来たァ!!!」

パシフィスタはすぐ後ろに迫ってきていた。

「…どうぞお先にっ!!!」

ブルックがパシフィスタの前に立ちふさがり2人に逃げるように促す。

「ブルックよせ!!!そいつの強さは充分知ってんだろ!?」
「男には!!やらねばならない時があるっ!!!」

しかし、ブルックはレーザーに倒れてしまった。

「骨折り損でした!!……!!」

再びゾロとウソップをしとめようとしたパシフィスタに

「止まれェ!!!クソ野郎がァ!!!」

サンジが蹴りかかって一瞬の足止め。

「ウア…………!!!」

彼の足はすでに悲鳴を上げている。パシフィスタの狙いがサンジに切り替えられた。

「逃げろサンジ狙ってるぞ!!」
「バカ!!さっさと行け!!」

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.110 )
日時: 2012/03/23 22:29
名前: 勇騎那 (ID: L9PtbysF)

「やめろ〜〜〜〜!!」

一味が崩れかけたときにゴドリックが悲痛な叫び声をあげた。
ゴドリックの目は、血をそのまま吸ったような色をして、人間にあるはずのない長い牙と、舌をちらつかせ、背中には想像するのも恐ろしいくらいな胴の太く、長い牙と角は推定でも20㎝は有ろうかという大蛇が姿を現した。

「(出て来るな…!!)」

「何だ!?アレ!!」

麦わらの一味はゴドリックの豹変ぶりに全身に虫が這いまわるような悪寒を感じ、現れた大蛇を見て驚愕と恐怖にさいなまれる。

「あれが蛇叉—だしゃ—か」

レイリーのつぶやきは誰の耳にも届かない。






——5年前 偉大なる航路
  ”夢の社”リーゼ・ジオン

「ウェあああああ!!!」

ロルシアの背中からウルトラマリンと黒が入り混じった波動が現れた。しかし、その波動はすぐに消え去ってしまった。腰を落としたロルシアにアマンダがドリンクのボトルを手渡した。

「少し休んだ方がいいわ。あまりぶっ続けでやると命を削ってしまうから」
「ああ。難しいな」
「大丈夫よ。これを身につければ守れるものが守れる」
「またそれかよ。聞きすぎて耳にタコができたぞ」
「生意気」
「いひゃい!!いひゃい!!母しゃんはにゃしてくれ!!(痛い!!痛い!!母さん離してくれ!!)」

解放されたつねられた頬の肉をよしよしとさすった。アマンダからしてみれば、14歳になってからはかなりご無沙汰だった我が子の可愛い一面が見られて満足げな笑顔だった。



あの時、母からゴドリックに伝えられたこの怪物召喚術は、世界政府が長年喉から手が出るほど欲しがっているものだ。
プリンセスにのみ伝えられるこの怪物召喚術は、使い方を間違えれば世界中全ての生き物を死に至らしめることも幻想ではない。
特に、人を殺すことにたけた怪物の中でバジリスクの右に出る物はほかにない。
ゴドリックがバジリスクを召喚できることを知った政府は、ゴドリックに多額の賞金を懸けた。
彼女が賞金を懸けられたのはそれだけが理由ではない。
もちろんルーキーとしては戦闘力があるのもわかって億越えになった。
政府は彼女の怪物召喚の力を自らの権力保持のために利用しようとしているのだ。

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.111 )
日時: 2012/03/24 11:05
名前: 勇騎那 (ID: L9PtbysF)

「ゴドリック!!!今すぐバジリスクを消せ!!!」

フォークスが海の色の真っ青な顔をして声を荒らげる。彼女にその声は届いていた。しかし、ゴドリックには召喚した怪物をすぐにしまうことができない。


「何一つ……守れやしねェ……!!」

ゴドリックは悔しさに打ちひしがれ、右手を左肩にかぶせて涙する。人の姿をした蛇が泣いている光景がそのままある。


「聞いたことがあるわ…」
「え?」

ロビンが何かを知って言っているようだ。ルフィ、チョッパーはそれに耳を貸す。

「プリンセス・アマンダが、怪物を召喚できる術を持っていた。その術は扱い方を誤れば、世界から生き物が一匹さえもいなくなると…」
「じゃあ、ゴドリックはアマンダからそれを教わって、使えるって事なのか!?」
「恐らく。それに、政府は権力保持のために彼女の術を喉から手が出るほどに欲している。逆らったものへの罰を与えるためにね」

「フィオレータ・ゴドリック……」

目線を上に向かせた先に、本を抱えたバーソロミュー・くまがゴドリックを見下ろしていた。
はめていた手袋をはぎ取ったくまは、

「旅行するなら、どこへ行きたい?」

肉球のついた手のひらで彼女をはじいた。あの大蛇も、豹変した恐ろし過ぎるゴドリックもいなくなっていた。