二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.113 )
日時: 2012/03/24 13:19
名前: 勇騎那 (ID: L9PtbysF)

ジャングルなう


ドゴォ…ン!!!


「痛ってェ…」

爆発音と同時に背中に感じた焼けるような激痛で目が覚めた。やたらとでかい、ゴドリックの身長の倍は有ろうかという肉球の跡がくぼんだ地にできていた。

シャボンディ諸島のしょっぱなから全開の戦闘で腹がすいた。周りを見れば、ここはジャングルだ。木の実もそれなりにあるし、割と猛獣もいる。つまり食料は十分にあるという事だ。

「何か無ェかな?」

木の実一つでも、肉のカケラだけでも腹がいっぱいになる体質のゴドリックは、近くにポツンとあった木の実を口に含んだ。

「!!?うっ!!」

想像できないほどの味だ。なんとか一口は飲み込んだが、二口目は味を知っているから食えたものじゃない。まずくても一応空腹は満たされた。

「まさか…これ、悪魔の実か?」

間違いなさそうだ。生前のアマンダが言うには「悪魔の実ほどまずい物はない」…らしい。

「おれも能力者の仲間入りか。大歓迎だぜ」

さて、どうしたものか
能力者になったのだから、何の能力かは知っておいた方がいい。木々の間から海が開けている。そこから海王類が海から顔を出しているのが見えた。ふざけたつもりで右手を銃の形にして、その海王類を撃つ真似をしてみた。

すると、人差し指の先から青い閃光が放たれ、海王類をしとめると、その海王類はユメの世界へ旅立っていった。

「(ユメユメの実か。結構強そうじゃん?)」

悪魔の実に関して結構知識のあるゴドリックは名前とその能力を覚えていたりする。今自分が食べた実の事も把握済みだ。

「そこでおれを見てるのはだーれだ?」

くるっ!!ッとハイスピードカメラでも捕らえられないほど素早く振り向いたゴドリックは視線の主の首根っこをとらえた。

「降ろしてよ!!」

金髪にアリスコーデのちっさい女が自分を睨んできた。全然恐くない。

「ほらよ」

先ほどの荒々しい手つきとは裏腹にその女を優しく降ろしてやった。

「降ろしてって言われて本当に降ろす人初めて見た」
「うるせェよチビ」
「チビって言わないで!!気にしてるんだもん!!」
「へェ……」

意地悪く笑ったゴドリックにその女は怒りを覚えた。189と147じゃあ身長差がありすぎる。

「フィオレータ・ゴドリック」
「は?」
「それがおれの名前。お前は?」
「…アリス」
「初めまして、アリスちゃん?」

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.114 )
日時: 2012/03/24 13:30
名前: サリー (ID: ZjIbjScL)

お、アリスでたぁあああ!!!キタ—!!!

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.115 )
日時: 2012/03/25 17:29
名前: 勇騎那 (ID: M4UdAK/d)

「ここってどこだ?」

シャボンディ諸島から飛ばされてきて、飛ばされている間はずっと爆睡していたゴドリックは現在地が分からない。全く持って皆無だ。

「町まで連れてってあげる。それから話すね」
「おう。頼む」

アリスに任せてジャングルを抜けることを優先した。

「行くぜ!!」
「ちょっ、何するの!?」

ゴドリックはアリスの身体を両腕で抱えた。いわゆるお姫様抱っこだ。

「しっかりおれに掴まっとかないと怪我するぞチビ」
「チビって言わないで!!」

アリスを抱きとめたままでエスぺランス・ヴェントの乳白色の風を利用して飛行する。たちまち、ゴドリックの栗色の髪を勢いよく風がなぜる。島の中心に大穴が開かれた要塞のように国が成り立ったところに降り立った。

「ゴドリック!!なんてことしてるのよ!!」
「あ?何がだ」

アリスはゴドリックにしゃがんでもらい、聞き取れる程度に声を落として耳元でひそひそと話し始めた。

「<この国は男子禁制なの。男のあなたが入ったら生きて帰れないんだもん!!!>」

もはやお約束になってきたが、アリスも自分を男だと思っている。呆れながらハァとため息をついた。

「<お前な、人の性別くらい正しく見分けろ。おれは女だ>」
「<ウソでしょ!!?>」
「<全くウソは言っとらん!!!>」

すくっと背を伸ばしたら身長差が広がった。

「で、ここはどこなんだ?」
「アマゾン・リリー。九蛇が住む女人国よ」

道理で男がいないはずだ、と納得。



「ぎゃああああ!!」

突然、空を切り裂く悲鳴が聞こえた。

「行ってみるか」
「うん」

声がした方へかけていくと、そこにはコシのある黒髪、トレードマークの麦わら帽子、スカイブルーのベストに白いキャミソール、ボトムスにムートンのハーフパンツを着たうちの純粋無垢最強無防備鈍感船長”東の海”フーシャ村産だったじゃないか。
体中傷だらけで気絶している。

「(黒海—メール・ノワール—)」

パチン!とクイックを鳴らしたら、長いまつげがまぶたを持ち上げた。

「それ、うちの船長なんだ。引き取る」

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.116 )
日時: 2012/03/24 19:05
名前: サリー (ID: ZjIbjScL)
参照: http://www3.atpaint.jp/kakiko/src/1332583345904.jpg/img/

アリスの設定つけたします!!

*両親について
・離婚の理由は父が権力を暴走させすぎていたから。
 そして母が見るに見かね、離婚した。

*銃について
・新世界産
・どんな弾丸でも装填できるので火薬星などもOK
・元大物海賊だった祖母の物。

*一味について
・ゾロとロビンとチョッパー以外には超毒舌。
・ゾロの事になったら変態、ストーカー、なんにだってなれるww
・サンジに超厳しい。

あとURLにアリスの設定イラストあります!

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.117 )
日時: 2012/03/24 19:47
名前: 勇騎那 (ID: L9PtbysF)

了解なり

・サンジに厳しい

ゴ「これに関しちゃ、アリスとおれは同志だな。あと、ちょっと分かりづらいところがあっただろうから能力解説はしとくからな?」

ユメユメの実
眠らせて悪夢を見せる悪夢人間。眠らせるというより悪夢の中に閉じ込めると言った方が正確。ユメとは現実とねじれの位置にある。現実、または現実のものとゴドリックは交わらない。ゴドリック自身がユメそのもの。超人系—パラミシア—の能力。


黒海—メール・ノワール—
クイックを鳴らして眠っている奴の目を覚ませる

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.118 )
日時: 2012/03/24 20:21
名前: サリー (ID: ZjIbjScL)
参照: http://www3.atpaint.jp/kakiko/src/1332583345904.jpg/img/

いやぁそれはね

ア「なによ!!ゾロ様にマリモマリモって!!
  そんな事言うんだったら自分の眉毛直してから言いなさいよ!! 
  変態エロ野郎!!」
ウ「お前がそれは言えねェだろ」

ってことです。
ちなみにゾロの事は「様」つけで呼びます。


ユメユメの実…悪夢じゃなくていい夢見られるんだったら私食べます☆

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.119 )
日時: 2012/03/24 23:06
名前: 勇騎那 (ID: L9PtbysF)

余文

ゴ「何をおっぱじめてんだお前は」
勇「ごみんごみん」
フォ「引っ越し準備で全コミックダンボールにしまわれちゃって、しばらく更新がのろくなるからその埋め合わせ?」
勇「そういうことです」
ゴ「ダンボールに入れる前に53,54巻は確保しておけバカ勇騎那」
勇「言わないでよ!!実際バカなんだから!!」
フォ「いじめてやるなって」
ゴ「で、何するんだ?」
勇「え〜っと、監督&キャスト陣トークww」
ゴ「それっておれ達だけだろ」
フォ「ま、とにかく話そう」
勇「じゃーあ、キミ達の事はネタバレになるからアマンダの事話すね」
フォ「アマンダさんの何を?」
ゴ「考えてないんだろ?初期設定でも話しておけ。サリーとちょっとかぶるけどいいだろ」
勇「いいんだね?えっとね、最初は、ゴドリックの母親じゃなくて、ただ単にロジャー海賊団のクルーとして出そうと思ってたんだ」
フォ「それがどこから変わったのよ?」
ゴ「思い付きだろ?」
勇「それは違う!元々アマンダが奴隷解放の大罪人っていうのと、ゴドリックが本名ロルシアでシャンクスの娘っていう設定は出来上がってたし、アマンダを母親にして政府がゴドリックを消そうとする理由を増やしたかったんです」
フォ「へェ…」
ゴ「それだけじゃないだろ?」
勇「実をいうともう一つあって、年齢を計算してたらシャンクスより少し年上だったの。女の方が年上ってなんかいい香りがするんだ(あたしだけ)」
フォ「それで妄想止まらなくなったんだ?」
勇「Oui<はい>」
フォ「ま、いいんじゃない?」
ゴ「…今ふと思ったんだが、お前、フォークスに手抜きしてないか?」
勇「それはまだフォークスの設定を生かせる所までいってないだけ」
フォ「おれが水中人—マーピープル—だから」
ゴ「魚人島か?」
勇「フォークスの事は強制終了しよう」
ゴ「何かほかの事にするか」
フォ「じゃあさ、ゴドリックのモデルとかはどうだ?」
勇「あ〜それはね、結構いろんな所から貰ってるんだ」
ゴ「へェ…。例えばボーバトンは?」
勇「そうだね。ボーバトンっていうか、リーゼ・ジオン自体がイギリスをモデルにしてあるんだ。ボーバトンって本編にはなかったけど全寮制の私立学校なんだ」
フォ「おれ達かなりスゴイ所に入れられてたんだ…」
勇「うん。イギリスは11歳から17歳まで学校に通う制度だし、制服の上にローブを着る学校って本当に有名な私立学校しかないし」
ゴ「ふ〜ん」
フォ「ここまでにする?」
勇「あたし疲れた」
ゴ「おれも」
フォ「じゃあ終わりだ。お疲れさん」
ゴ「二人ともお休み」
フォ「おい!能力で悪夢見せる気か!?」
勇「やめて〜〜〜〜〜!!」

***次回に続くかもしれない。まる***
ゴ「続かんでいい!!悪夢見せてやるよ」
勇「や〜〜〜め〜〜〜て〜〜〜!!」

Re: ワンピース-聖職者〜bleu rouge noir〜 ( No.120 )
日時: 2012/03/25 15:40
名前: 勇騎那 (ID: M4UdAK/d)

アリスよりちっこいばあさんがゴドリックに驚愕しかない目線をよこしている。

「そなた…男じゃニョいか!!」

もう、お約束過ぎる。
周囲を弓矢で囲まれてしまった。

「(確か、九蛇の弓矢は武装色の覇気をまとっているはずだ。かなりまずいな)ばあさん、おれの名前は、一応覚えておいてくれ」

天を仰ぐ。大穴から覗く空は雲一つない快晴だ。

「フィオレータ・ゴドリック。本名はプリンセス・ロルシア(氷空旅—シエル・ボヤージュ—)」
「!!!」

ばあさんの目が先ほどとは違う意味での驚愕を帯びた目になった。ゴドリックは九蛇の戦士が男を知っていればここにいる全員がメロメロになってしまっていたであろう、唇を右の口角だけ上げてルフィを横に抱きかかえると、再び乳白色の風で空を飛んだ。

「ちょっとゴドリック!!どこにいくのよ!!」

アリスが叫ぶ。

「ちょっとそこまで!!」
「答えになってないじゃないの!!男顔!!」
「え?何?男前って言った?」
「言ってない!!」

都合の悪いことは都合のいいように受け取って飛んでいく。頬を切る風が心地いい。

「アッハハハハハハ!!すっげ———!!」
「でしょうとも!!」

完全に遊んじゃってま〜す。ルフィとゴドリックは今、ガキ以上にガキになっている。女だという事も忘れている。

「あ、そうだ!お前聞きたいことあるんだよ」
「あ」

金髪のショートヘア、露出の多い服を着た女に—この国の民の大半は肌の露出が多い服を着ているが—ぐるぐるっと腕を巻きつけて、ほぼ誘拐に等しい形で連れ去った。



————・・・

高い高い高い高い崖の上から重力に逆らわずまっさかさまに落ちる。
髪は乱れ、身に着けているものが肌蹴る。

「きゃあああああ!!!」

叫ぶ心配はなく、風が収まるときにはふわり、と地に足がついていた。

「あんなところから飛び降りるなんてどうかしている………!!私は…死を覚悟したぞ………!!」

その女は睨みつけて短刀を突き付けてきた。

「近寄るな!!男はウイルスを持っていると聞く!!さっき、風を起こしたな!?男は、あのようなことができるのか?」
「全ての男がそうというわけじゃない。戦闘方法は一人一人違う。それと、九蛇は男を知らねェから人の性別が分からねェのか?おれはお前と同じ女だ」

口にタコができるほど言い馴れた台詞を吐いたら、その女はただ普通の顔をしていた。九蛇で生まれ育った戦士だからか、男に関する知識が薄い。見た目で性別を見分けることなど不可能なのだろう。

「そうなのか…。私たちとは違う感じがしたが……気のせいか?」
「そう取ってもらっていい」

Re: ワンピース-聖職者〜ブルー ルージュ ノワール〜 ( No.121 )
日時: 2012/03/29 17:36
名前: 勇騎那 (ID: 7EYM.IE5)

怖い…
怖い…

おれは自分が怖い…

怪物を宿したこの肉体が怖い…
どうして母さんはおれにこの召喚術を遺したんだ…!!
すべてを見抜いてしまう頭脳が怖い…
人の言うことが嘘か本当かを見抜けるくらいならまだいい
勝敗、人の死、悲しみ、何もかも見抜きたくない……!!こんな頭脳も、推察力も、欲しくなかった!!!



見たくない…
見たくない…

豹変した自分なんて…見たくない
美しさの中に隠された自分なんて見たくない
泣き叫ぶ船長の姿なんて…見たくない……!!

許せない…
許せない…

自分が許せない…

どうしてあの時、すべてをユメにしてやらなかったんだ…
おれにはそれができた
それだけの能力があった
おれにしかできないことだ
あいつらのことを硬い心のいちばん深い奥底では、本当に仲間だと思っていなかったのかもしれない
だから、彼女を救おうとしなかったのか…?

すべての結果を分かっていた
誰が死に、誰が勝つのかさえも
それを変えようとしなかった自分が許せない…

船長が泣き叫ぶ姿を見るくらいなら、すべてをユメにしてやればよかった…

後悔しても遅い
何もかもユメにして、海の均衡を取り戻すことはできても、人の生命までユメにして甦らせることはできない

過ぎた時間を巻き戻すことも、
死者をよみがえらせることも、
                                                                何一つ              できない


けれど、逢わせることならできる

どうだ?
もう一度だけ、愛しい人に逢いたいか?
5分だけなら逢える

お前の好きにしろ…
おれが悪夢から覚めさせてやる
悪夢を見せることも、覚めさせることもできる

答えろ
逢うか?逢わないか?

それとも……
見た目も中身も男前な方向音痴なのちの大剣豪様に逢うか?
海賊嫌いな好きなものは宝石とミカンだけの航海士に逢うか?
絵がうまいツッコミのキレがいいホラ吹きの狙撃手に逢うか?
オールブルーを探している戦闘に手を使わない女好きのエロコックに逢うか?
褒められると嬉しさを隠せない青鼻のトナカイの医者に逢うか?
世界中でただ一人ポーネグリフが解読できる妖艶な考古学者に逢うか?
いつもコーラばっかり飲んでやがる変態の船大工に逢うか?
スカルジョークが得意な死んで骨だけの音楽家に逢うか?
……お前を可愛がってる穢れた血の娘、男前の騎士を見るか?

変わりたい…
変わりたい…

おれは、変わりたい…
お前のために変わりたい
七変化で変われないところを変わりたい…

騎士は卒業だ
剣も卒業だ
今日から違うおれになる

楽しみだな

ルビーの目は未来を見据える
大罪人の穢れた血が流れる、節々が骨ばった色の白い指の長い手は、一回り小さい手を握って海賊王が海で迷わぬように導くしるべになる

Re: ワンピース-聖職者〜ブルー ルージュ ノワール〜 ( No.122 )
日時: 2012/03/29 21:06
名前: サリー (ID: xwXeKUvt)

外伝にリクいれといたよ〜

Re: ワンピース-聖職者〜ブルー ルージュ ノワール〜 ( No.123 )
日時: 2012/03/29 21:27
名前: 勇騎那 (ID: 7EYM.IE5)

オゲ!ちょっと忙しくて遅くなるけど、頑張って出すね

Re: ワンピース-聖職者〜ブルー ルージュ ノワール〜 ( No.124 )
日時: 2012/03/31 12:09
名前: 勇騎那 (ID: unSI7YxP)

更新再開です。漫画がないから、アニメを見ながら書くことにしました

————…

「なあ、おれの前のぼろいズボンのポケットによ、なんか入ってなかったか?」

マーガレットは、胸元から紙切れを取り出した。

「これか?」
「あー!れだよ!!これがねェとおれ、もうどうしようもねェんだよ!!」

ルフィはそれに飛びついた。

「何か文字が書いてあったから、一応…。なんなのそれ?」
「ほら、見ろ」

その紙切れはルフィの手のひらの上でズリズリと一定の方向に動いている。

「不思議だな。動いているようだ」
「いろいろあってよ、仲間全員バラバラに空飛んじまったんだ」
「おれはここにいるぞ」
「あ、悪ィゴドリック」

ぽつぽつとシャボンディでのことをルフィは語りだす。

「でも、この紙を持ってるから、また必ず集まれるハズなんだ……!!」

仲間とはぐれても、希望を捨てない
どうしてそこまで信じられる…?

ゴドリックはモンキー・D・ルフィという女が分からなくなった。今更だが、抗わずにサニー号への乗船の勧誘を受け入れた自分もわからなくなっていた。

「仲間とは、何の仲間だ?」
「あぁ、おれたち海賊なんだ」
「あなたたちが海賊?この国の皇帝も海賊よ」
「そうなのか!じゃあ、女だらけの海賊団なのか?強ェのか?」
「愚かな質問だ」

たちまち、マーガレットの目の色が変わった。

「海賊船には、この国の選りすぐりの戦士たちが乗っている。それは強いわ……!!蛇姫様は、国中のだれもが憧れる女帝。強くて気高く、そして世界一美しい!!
 ”海賊女帝”ボア・ハンコック!!」
「(まさか…!!ここが!?)」

ゴドリックは内心穏やかではなかった。七変化でどんなに変えても男顔の自分の容姿ではアマゾン・リリーの女帝が島に上陸した自分を消そうとしないはずがない。どうにかしなければ。

「この国は、彼女と二人の妹君によって硬く守られているの」
「以前……」

セクシーすぎる唇が重く口を開いた。

「?」
「プリンセス・アマンダがここに来たことがないか?」
「え…?…あぁ、あると聞いているわ。彼女は、蛇姫様が唯一敗北を喫した海賊。今でも彼女に追いつこうとしている戦士も大勢いる」
「そうか。ありがとう」

Re: ワンピース-聖職者〜ブルー ルージュ ノワール〜 ( No.125 )
日時: 2012/04/01 22:28
名前: 勇騎那 (ID: CR1FbmJC)

「船がない!!?ここは”凧の帯”!!?」
「そうだ。この女ヶ島は”凧の帯”と呼ばれる大型の海王類の巣に囲まれた島だ。だから航海者が立ち寄ることもまずないし、奇跡的に漂流者が流れ着くか、流れ着いてもほとんどが死体」

マーガレットに船をねだってみたものの、空振りに終わった。

「でも!お前海賊団があるって行ったろ!?」
「蛇姫様の海賊船は、”遊蛇”という獰猛な毒海蛇が船をひいているから、海王類にも襲えない。アマゾン・リリーにある船は、その一隻だけだ」
「はァ………」
「振り出しに立ててもいないのに順番待ちくらったな」

ルフィとゴドリックが同時にナイスタイミングでドサッとぶっ倒れた。3日分の疲労が一気に押し寄せてきたようだ。

「困ったなァ……。金もねェし、イカダでも造って漕いで行くか」
「そんな馬鹿な」

むくっと起き上がってルフィの一言

「よし!!イカダでも造って漕いで行こう!!」
「「思いつくままか!!!」」

マーガレットにどやされるのは仕方ないにしても、世界中で一番ボケがはまり役なゴドリックに突っ込まれるとはどういうことだ、ルフィよ。

そして、即興でイカダが出来上がったといえない状態で出来上がった。

「できた〜〜〜〜!!」
「ヘタ!!もう壊れそう!!」
「決壊するぞ」

ゴドリックの宣言通り、イカダは半壊どころか全壊…。

「だあああ!!!」

能力者のルフィ。逆らうこともできずにそのまま海へ落ちていく。

「バカが!!」

ジャケットと”エトワール”を放り投げてゴドリックは海に飛び込んだ。

「(水夢—スウィム—)」

後からマーガレットがついてきた。ユメユメの能力で全身にエメラルドグリーンの稲妻を張り巡らせて海中を泳ぎ、ルフィの身柄を確保した。

「はァ…はァ…はァ…危なかった……」
「助ける義理もなかった。男は海賊でも泳げもしないのか!?」
「フランキーがいれば良かったがな」
「困った〜〜」
「困ったのは私のほうだ。このまま馴れ合えば、情が移ってしまう!!」
「「!!」」

マーガレットは弓を構えた。

「何すんだお前!!」
「気をつけろ。特別に強い矢は使っていないが、当たればどうにかなっちまう!!」
「どうにかってなんだよ!!うわぁ!!」

ルフィは右へ、ゴドリックは左へ矢をよけた。

「…!見つけたぞ———!!!」
「マーガレットは無事よ———!!」

2人を追っていた九蛇の戦士たちが追いついた。

「別々に逃げよう」

海色のジャケットを羽織り、左腰にキンッと”エトワール”をさした。

「とにかくおれと違う方向へ行け。逃げ切れたら必ず見つけてやる」
「おう!!」

2人は別々の方向へ逃げ出した。本来、女である2人にこの国の戦士から逃げる理由も、追われる筋合いもないのだが、命を狙われている以上、逃げるしかあるまい。

「クソ……!!一番の問題はボア・ハンコックだな………。氷空旅—シエル・ボヤージュ—」