二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: キミがスキ…[inzm] プロローグ、1話更新 ( No.18 )
日時: 2012/03/02 22:17
名前: 奈流羽 (ID: 6DNfJ1VU)


2話

 天気のいい日だった。おひさま園の子供たちはサッカーをしていた。
ただひとり、紅卯は寝ている。しかも“みんなの広場”で、だ。
そこはみんなが雨の日や、…まぁ晴れの日でもだが、くつろぐ場所である。
自由な遊び場、いわゆる普通の家庭で言う、リビングのようなものだ。
 紅卯はというと、実は誕生日プレゼントを作っていた。この夏、あと一週間ほどで晴矢の誕生日なのだ。
小さい頃から仲良しで、そして何より一番の友達…いや、親友なのだから。もちろん、玲名たちとも仲は良いが、紅卯の中では晴矢が一番なのであった。もちろん、そんなこと誰にも口にしないが。
 そうして、プレゼントを作り終え、自分の部屋に置きに行った。
もう一度ここに戻ってきたのはお茶をのもうとおもったのだ。そうして飲み終わった後、とんでもない睡魔に襲われ、寝てしまった…とまぁ、こういうわけだ。

晴矢「あ〜疲れた…。あいつら相変わらずつえーな。」

そこへ晴矢が帰ってきた。休憩のためだ。

晴矢「あ…紅卯。」

そして紅卯を見つける。と、同時に赤くなった。
あまりにも可愛かったのだ。紅卯の寝顔が。

晴矢「かわいすぎだろ…/////」

晴矢は前から紅卯のことが好きだった。いつも一緒にいて、いつも笑顔を向けてくれる、彼女が。

(気づいてないんだろうな…)
(俺のことなんて、なんとも思ってないんだろう…)

そう。普通なのだ、彼女は。いつだって、何事にも平等で。晴矢に対してもそうなのだろう。

晴矢「カゼ、ひくよな?」

ふとそう思った彼は、紅卯にふとんをかける。紅卯は寝がえりをした。
 晴矢のその様子と、紅卯を見ていた人がいた。
杏である。サッカー始まるよ、と言いに来たのだった。

(やっぱり晴矢って…)
(紅卯のこと、好きなんだ。)
(応援、、しなくちゃなぁ…)

蓮池 杏。この少女は小さいころは、晴矢のことが好きだった。
だが、ある時気づいたのだ。晴矢が見ているのは自分ではない、と。
どうしたって、こっちを向いてくれるわけないのだ。どうしたってこっちを見てくれるわけないのだ。
晴矢の目には、紅卯が映っていたのだから。杏は、そうして諦めた。もう今は普通に友達だと思っている。

杏「晴矢…私、応援してるよ、晴矢の恋。」

(気づいてくれるといいね。)
(紅卯ならきっと、晴矢の気持ちに応えてくれるハズ)

そして、ドアを開けた。

杏「晴矢!もう始めるよ。」

杏は満面の笑みで、晴矢に言った。

晴矢「おう!!」

それにニカっと笑い返す晴矢。
 今日の空は本当に気持ちのいい青空で、
その下で遊ぶ彼らもまた、気持ちのいいほどサッカーを楽しんでいた。