二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: キミがスキ…[inzm] NEW2話更新 ( No.19 )
- 日時: 2012/03/04 19:31
- 名前: 奈流羽 (ID: 6DNfJ1VU)
3話
紅卯「は〜い、みんな!準備おっけー?」
紅卯はみんなに問いかけた。
『もちろん!』
「わたしなんかこの部屋のデザイン考えたんだよ?」
「オレだってニガテな料理作ったんだからなー!!」
「俺だって…」
口々に自分のやったことを話し出す子供たち。
そう、今日は晴矢の誕生日なのである。
杏「わかったわかった。みんなの努力は知ってるって!
でも、もうすぐ帰ってきちゃうからプレゼント用意して?」
晴矢には無理やり買い物に行ってもらっている。
玲名「クラッカー係も用意してくれ。」
ヒロト「くれぐれもばれないようにね。」
紅卯「ではおねがいしまーす!!」
ざっと、子供たちは配置についた-------------------
* * *
----------------------------------------一方
晴矢「なんで俺かなぁ…。みんなパシリに使いあがってよぉ…。」
そう、みんなに言われたのだ。買い物に行ってきて!(こい)と。
(何気にひでーよなー。俺っていつからそんなキャラになったっけ?)
そして八百屋につく。
晴矢「えっと〜…。なんだっけ。あ、そうそう、おばちゃん。
にんじんとじゃがいもと、それから肉くれ。」
おば「あいよ〜。全部で…1000円ねー。」
晴矢「おうよ!はい、これ金。ありがとな。」
おば「まいど。1000円ちょうどね。おおきに。」
おばさんに手を振り、元来た道を戻る。
(この材料だと、今日のごはんはカレーだな。)
(そういえばカレーって俺の大好物じゃ…)
河川敷で親子とすれ違った。幸せそうな。。
「お父さん、お父さん!あれ見て!おっきー鳥!!」
見ると、川の真ん中に大きな白い鳥がいた。
(あれは…)
「ほんとだね。あれはね、サギっていうんだ。お魚とりにきたんだね、きっと。」
(やっぱそうか。サギ。おおきいな。)
優しそうなお父さんだった。あの子はきっとお父さんっ子なんだろう。
ぴったりお父さんにくっついている。晴矢はお父さんも、お母さんも覚えていない。
顔も声もまったくと言っていいほど知らないのだ。
(いいなぁ…。一度でいいから会いたい。)
たびたびそう思うのであった。
…もうそろそろ園につくところまできた。意外と遠いところまで行っていたのだ。
改めて思った。
(やっぱ俺、ひどい扱いされすぎだろ!)
そして、園についた。やっと帰ってきた…
達成感と不満が晴矢の心にしみわたった。
廊下を進み、“みんなの広場”へ。
普通にドアを開けた。
“パンパンッ”
クラッカーの大きな音。
混乱する晴矢をよそにみんなは声をそろえて言った。
『晴矢、ハッピーバースデー!!!!!』
ぽかん…と口を開けている晴矢を見て、
紅卯「やった、大成功!!」
と、紅卯は叫んだ。
晴矢「え、え?ナニコレ…!?」
ぐるっと部屋を見渡すと、すっかり飾りきられたにぎやかな部屋になっていた。
そして大きなじで、“晴矢、ハッピーバースデー!”と書かれた紙がつるしてある。
何とも豪勢な…。
風介「見てのとおりお前のための誕生日パーティーだ。」
玲名「これ全部紅卯が提案したんだぞ。」
紅卯「えへへ…/////」
少し赤くなった紅卯。それもまた、かわいかった。
(これ全部紅卯が?)
(俺なんかのために、提案?)
紅卯「プレゼントもあるんだよ。みんな、用意できてるよね?」
渡すモノ。それはもちろん、一生懸命作った、あれ。
紅卯「私からは…これ。すっごい季節はずれなんだけど…
晴矢、すっごい寒がりでしょ?だから…。」
そういって渡したのは手編みマフラーとセーター。
冬に向けてのプレゼントだ。心はすごくこもっていた。
晴矢「あぁ、ありがとな。使わせてもらうよ。」
紅卯「うん…!!」
誕生日パーティー。南雲晴矢15歳の。その日のお日様園では、いつまでも笑い声が絶えなかった。