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8話 悔し涙

その頃あたしは…。

もう、何なのよあたし！馬鹿だよ！
お礼言っただけで逃げるっておかしいよー！

あたしは自分に自分を言い聞かせながら闇雲に走り続ける

頭ん中はさっきの事でいっぱいだった


何であんな態度を取ったのか
何故、あたしは人生から逃げようとするのか…


その理由は自分にも分からない…。














『あたしは誰？』
そう自分に言い聞かせたかった…


そんな時…

ゴンッ

「いっつぅ。」

闇雲に走っていたせいか誰かにぶつかった

「あの…大丈夫ですか？」

あたしがぶつかったのはHRの後
先生に質問していた女の子だった

「あっ、うん…大丈夫」

あたしは地面から立ち上がると同時に女の子は口を開ける

「あたし、イブって言います！
貴方がユメさんですよね！」

「うん…そうだけど‥」

「…どうしたんですか？ユメさん」

「えっ？どうもしてないけど」

イブの表情からは悲しそうな…
いや、心配そうな顔があたしの目に映る

「何かあったんですか、ユメさん…
顔が赤くなってますよ？」

「えっ？」

あたしは自分のほっぺたに手を当てると…

こんな事で悩む自分が…情けなくなった

「何があったかは知りませんが‥
ハンカチ…良かったら使って下さい…」

あたしはイブからハンカチを受け取ると
イブはそのまま行ってしまった

あたし…なんて情けないんだろう‥
こんな事でメソメソして…

あたしは自分の涙を拭き取り学生寮へ向かう…

と、その時…

…あれ？
何か忘れてた様な…

「あっ、そうだった！」

あたしの声に周囲にいた人は驚く
でも、あたしは別の事で驚く

それは…







「先生に呼ばれてたんだ〜！！！」

あたしは学生寮とは逆方向の学校に
大急ぎで向かって走って行った…