二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: とんがりボウシ+メープル魔法学校 ( No.2 )
- 日時: 2012/03/23 13:52
- 名前: 由奈 (ID: .niDELNN)
1話 入学式(前編)
桜がひらひら舞い落ちる季節。
ほとんどの学校が入学式を済ませている中
“ある学校”は…。
キーンコーンカーンコーン
「それでは、これから入学式の説明…っておや?
ひとつ席が空いてる…。確かここの席の生徒は…。」
そんな事を言ったからか、何故か教室がざわめき
始めた。
その間、ミスキーキー先生は困ったような様子で
名簿をチェックする。
すると…。
ガラッ
教室のドアが開いた。
入って来たのは、水色の髪にポニーテールをした
女の子。
「貴方は…もしかしてユメさん?」
「あっ、はい!そうです!」
ユメという女の子は、息を切らしながら答える。
教室は更にざわめく。
「何があったんですか?」
「あっ、それは…。」
「その事は後で聞きます。
とりあえず、席に着いて下さい。」
「…はい。」
あたしは、何も言わずに席に着く。
周りの人があたしの事に対してクスクス笑っている。
そりゃ、そうだよね。
入学早々遅刻…だなんておかしいよね。
「…それでは本題に入ります。」
そして…。
「それでは、出席番号順に並んで下さい。」
先生がそういうと、皆知っているかの様に
並んでいく。
えっ、番号知らないのあたしだけ!?
どうしよう、誰かに聞こうかな…。
その時、後ろで声がした。
「お前の場所は俺の前だよっ」
振り返るとある男子がムスッとした
表情で怒鳴っていた。
「ったくお前は…。何回言えば分かるんだ!?」
初対面に対して…、お前だとー!!!
何なんだアイツ!ってか誰!?
何様なんだー!!!
「おい、お前!」
「えっ?」
「だから!お前の場所は俺の…」
「何を騒いでいるんですか!!」
次に怒鳴ったのはミスキーキー先生。
顔が真っ赤に染まっていて…。
「俺はただ…」
「後で職員室に来なさい!!」
ミスキーキー先生は鬼の様にその男子を
怒鳴ると直ぐ様先頭の列の方へ戻っていった。
あたしはアイツに言われた通りに
アイツの前に入った。
ありがとうって言いたかったけど…
何故かあたしはアイツに言えなかった。
そして、お礼が言えないまま入学式が
始まった。
(後編に続く)