二次創作小説(映像)※倉庫ログ

003*嬉しさのあまり ( No.11 )
日時: 2012/03/16 22:01
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)
参照: http://mynmmr0608.anime-voice.com/


文芽が帰ってから数分と言ったところだろうか。


再び病室のドアが開き、立っていたのは弟の京介だった。



「兄さん」
「おかえり。」

肩にかけていたカバンを床に置いて椅子に腰掛ける京介。


「優勝おめでとう。」


今日は雷門と聖堂山中の決勝だった。

今回の試合も京介が活躍していたのをTV越しから見ていた。
心から楽しいと思えるサッカーが、やっと元に戻ったと思うと自然に頬が緩む。



「兄さん、ありがとう。…そういえば」


ガサゴソとカバンを漁る京介。

あったと言う様に「あ、」と声をもらす。



「文芽がさっき渡し忘れたって」
「会ったの?」

「下ですれ違った」



京介の手に乗る紙袋。


受け取って開けると抹茶の匂いがフワリと俺を包む。
シフォンケーキ。

一緒に入っていた手紙には

『手術受けるんだってね、おめでとう優ちゃん!』
癖のある可愛らしい文字がツラリと並んでいた。


文芽がシフォンケーキを作るときはいつもお祝いの時。


つまり文芽は俺の手術を祝ってくれている。
なんとなく、さっき付いた傷が癒されるような感じがする。



高校3年生だし、文芽は専門学校に進学すると言っていたのに。

こんな時期に俺のために時間を潰してまでこうして祝ってくれることは嬉しかった。





            ( 現在の恋愛指数値 2→3 up! )