二次創作小説(映像)※倉庫ログ

004*思い出して ( No.13 )
日時: 2012/03/18 00:28
名前: もずく・ (ID: vj3b3W/M)
参照: http://mynmmr0608.anime-voice.com/





ほろ苦い抹茶の味を舌全体で感じる。


久しぶりに食べる文芽のシフォンケーキ。
いつも砂糖の存在を忘れて完成させるお祝いの味。

俺が甘さ控えめで、と言ったわけではない。


いつもいつも文芽は砂糖という材料を入れ忘れるのだ。



「…まあ、これが文芽にしかできない味なんだろうけど…」


呟いた言葉は病室の明かりに溶けて消えた。



手術…か。
もう1度、京介や文芽たちと時間など忘れるほどしたサッカーができる。
今も脳裏に鮮明に思い浮かぶボールを追いかけながら駈けた公園。




            チガウ、






違う、そうだ



文芽はもうサッカーをしないんだった。



『サッカーなんて大嫌い』



『馬っ…鹿みたい…』

『嫌い、きらい………だいっキライ!!!!』







文芽の涙がフリーズした。


病室の隅で膝を抱えながら、肩を小刻みに震わせながら泣く文芽を。






          ( 現在の恋愛指数値 3→3 no change! )