二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: 学園日和 ( No.12 )
日時: 2012/04/07 15:38
名前: あさぎ組 (ID: YTT42QuR)


第十一幕 ていうかフォーエバー!その前編 (もも風)

※視点がコロコロ変わります!


            〜天国組〜

鬼「…なんだ、この状況は…」

あの後、ヒュースケンに司会をまかされた二人によってキャンプファイヤーは予想以上に盛り上がったが……というか盛り上がりすぎじゃないのか?
何で皆、1、3年がここにいることにつっこまない?
何で皆、通常運転?

閻「まぁまぁ鬼男くん。細かいことは気にしなぁい」
鬼「どこが細かいんだよ…それより大王、後でちゃんと説明してもらいますからね」
閻「う…うわぁーい……」

ったく。この人はいつまでたってもかわらないな。

閻「あっ鬼男くん!そろそろファイアートーチやるみたいだよ!」

大王はプログラムを見ながらそう言った。
すると、素早く僕の手をとって

閻「行こ!鬼男くん!良い場所につれっててあげる!!」
鬼「は!?ちょっと…」

大王はニッと笑った。
僕は大王につれて行かれるまま広場を離れた。

鬼(………。)


            〜細道組〜

曽「………。」
芭「きれいだね曽良くん」
曽「そうですね…」
芭「……?」
曽「……」
芭「曽良くん?…何か怒ってる?」
曽「…何故、そう思うんです?」
芭「だって、そんな感じだから…」
曽「…そうですか……」

沈黙。

芭(うぅ…居づらい)

そのまま、だんまりが続いた。
「そうですか」って否定しないってことはやっぱ怒ってるんだよなぁ曽良くん。
でも…何で?

芭「…曽良くん」
曽「何ですか?」
芭「ごめんっ!!」
曽「はぁ?」
芭「曽良くんが何で怒ってるかなんて知らないけど…でも、私に対して妙に辛辣だし(いつもより)。やっぱり私、何か曽良くんに嫌なコトしたんじゃないかって…。ごめんっ!」
曽(…このバカジジィ)
芭「曽良くん…」

一つ息を呑んだ。そして、スゥーとはきながら心を落ち着かせて曽良くんに向き直った。

芭「何かあるなら言って欲しいな」

曽良くんが悩んでるなら力になりたい。そんな気持ちで微笑んでみた。

曽「なら、言いますけど…」
芭「うん!」
曽「どうして僕に言わなかったんですか?」
芭「え?」

何のことかさっぱり分からない。言う?何を??

曽「芭蕉さんが林間学校について行くってことです」
芭「え…だって毎年のことだし、曽良くんも知ってるかなって…」
曽「僕は直接聞いてません」
芭「う、うん。ごめん…。えっ?もしかして、そんなことで怒ってたの?」
曽「…別に。誰も怒ってるなんて言ってません」

嘘だぁ!絶対怒ってたくせに!!…なんて言える訳がない。

——でも——

芭((クスッ
曽「何笑ってるんですか芭蕉さん。気持ち悪い」
芭「な、なんだとぉ!?この鬼生徒!!」

——ありがとう 曽良くん——

曽良くんは入部してから、言いたいことはしっかり言うけど、中に秘めていることはまったく分からなかった。
あれからたった一ヶ月だけど、少しでも私を認めてくれたのかな。「どうして僕に言わなかったんですか」って…

芭(けっこう可愛いところもあるなぁ曽良くんも)
 「エヘヘ…そ〜らくん〜」 ←後ろから抱きつく 曽((イラッ
曽「この中年悪臭ジジィが!!」 ((ドゴッ
芭「あわびっ!!」
曽「何ウザイことしてんですか芭蕉さん。殴りますよ?」
芭「もうすでに殴られてますが!?というか私、今風邪ひいてるんだよ!?」
曽「それは良かったですね。そんなことより、さっき僕に何か言いました?特等席が何とか…」
芭「え?あぁ…」(やっぱ可愛いところなんて無いかも…)

その時、司会の太子くんの声が聞こえた。

太『さて、皆さん!遂にこの時がやってきました!!お次はファイヤートーチです!!』

芭「あれ?もう次トーチ?」
曽「そうみたいですね」
芭「っわ、じゃあ急がなきゃ!曽良くん、ついてきて」
曽「どこ行くんですか?」

私は笑顔を作って見せた。

芭「いいもの見せてあげるから!」


            〜飛鳥組〜

暗い夜。僕はパチパチと飛び散るキャンプファイヤーの火花を少し離れた所から見ていた。

太「おーい。何やってんだ妹子?」

二年生の輪から太子が小走りでやって来た。

妹「別に何もやってませんよ」
太「なら、こっち来い!楽しいぞキャンプファイヤー」
妹「いいですよ。僕はここで」
太「なんだよー。もっと皆の中に入って楽しめよ。せっかくここまで来たんだから」
妹(……。)

太子は何も分かってない。
僕達がしたことは絶対に許されることじゃない。それなのに何でこうも普通にしてられるんだ、この人は。

太「妹子?どうした?」
妹「…太子は心が痛まないんですか?」
太「?」
妹「僕達は本当はここに居ちゃいけないんですよ?なのに…」

びっくりした…思ったより大きい声が出たから。

妹「なのに、こんな…授業をサボってまで、二年生達の思い出に他学年の僕達が入り込んで…」

いつもそうだ。太子は周りのことを考えない。自分のことばっかりで、何も分かってない…。

太「なぁんだ。そんなことか」

!!?

妹「っな!?」
太「そんなんことでさっきからヒスってたのか。お前真面目だなー妹子」
妹「はっ!?な、何言ってんだ!正論でしょ!?」
太「お前の考えはいちいち正論すぎるんだよ」

はぁ!?何言ってんだ、このアホは!

妹「何ですか正論すぎるって」
太「う〜ん。正論すぎるというか…固すぎる、かな?この世に正しい人間なんて一人もいないんだぞ」
妹「意味が分かりません!僕は、よく二年生の行事を台無しにしといて、そうやって悠然としてられますねって言いたいんです!」
太「台無しになんかしてないぞ!見ろ!!二年だって皆楽しそうにしてるだろ?」

確かにだけど…。でも…

太「私は皆の楽しそうな姿を見るのが好きなんだ。だったら、私自身が一番楽しまなきゃいけないと思わないか?私達が二年の思い出に入り込んだっていいじゃない!皆楽しんでるんだから!!」

太子はケラケラ笑った。
その笑い顔を見てたら、胸の中にあったモヤモヤが消えていった。

妹(太子…)

そうか。太子はいつだって何も考えてないアホなカレー馬鹿の人なんだ。
他人のことなんて気にしない。それでも…周りを笑顔にさせる人なんだ。
妹「…分かりました」
太「ん?何がだ?」
妹「太子が大馬鹿だってことがです」
太「なんだとー!私は天才だぞ!!ウルトラ天才太子様だ!!」
妹「はいはい」

分かりましたよ太子。
だったら僕だって、仕方ないから観念して最後までつき合ってやりますよ。
あなたに負けないくらい、林間学校を楽しんでやります。

覚悟しておけ!コノヤロー。


                             つづく