二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 学園日和 ( No.16 )
- 日時: 2012/04/06 21:05
- 名前: あさぎ組 (ID: YTT42QuR)
第十四幕 普段真面目で、完璧な人ほど勘違いした時の可愛さったらない その前編
(もも風)
太「おー妹子!」
妹「嫌っ…!おはようございます太子」
太「おまっ!第一声からお前…」
朝、境内を少し歩いた所で二人ははちあわせた。
妹「結局、昨日の話はどうなったんですか?」
太「んー。また今度にする」
妹「何ですかそれ」
太「それよりも妹子!」
太子はいつもより少し(本当に少しだけ)真面目な顔をした。
太「今日から私と閻魔と曽良は早めに部活、抜けるからな」
妹「へ?」
太「よろしく!」
———部室にて———
いつも騒がしい談笑部室は、今日から少し静かになった。
初めは、妹子も鬼男もこの平和をしみじみと喜んでいたが、それが3、4日間…と続くと少しずつ不安になってきた。
鬼「嵐の前の何とやら、だな。そろそろ何かが起きる気がする」
妹「そうですね…本当に太子達、何やってるんでしょう」
この四日間、太子、閻魔、曽良、ついでに芭蕉は部室に来なかったり、来てもすぐいなくなってしまうことが続いた。
妹「あの人達『補習だ!』とか言ってたけど…」
鬼「信じられんな!補習とか嘘ぶっこいて、またとんでもないことしようとしてる可能性大だ」
妹「ですね…」
と、二人で話していると、妹子はあることを思い出した。
妹「そういえば…太子、夜遅くまで帰ってないみたいなんです」
鬼「え?」
妹「詳しくは分からないんですけど、暗くなるまで学校にいるみたいで…」
鬼「あいつら…やっぱり何か企んでるな!もしかして…文化祭の出し物の事とか…」
妹子の顔が青くなった。
妹「まずいですよ…本気でセーラー鑑賞会とか考えてるんじゃ…」
二人はしばらく考え込んだ。すると、鬼男が決意したかのように立ち上がった。
鬼「…よし。明日、大王達に聞き出そう!」
妹子はおずおずと頷いた。
———翌日———
早めに部室に来た二人は、四人を待っていた。
妹子は今日に限って朝、太子と会うことができず、同じクラスの曽良は寝てたり、居なかったりして話せなかったらしい。
妹「遅いですね」
と妹子が呟くと、扉が開けられた。
そこに居たのは閻魔だった。
閻「あっ鬼男くん!妹子!ごめん!!今日も補習だから!」
鬼「ちょっと待て大王!本当に補習なんだろうな…」
鬼男が言い終える前に閻魔は扉を閉めて去って行った。
鬼「っくそ…あのイカ野郎…」
鬼男の爪が長く伸びていて、震えていた。
鬼「妹子行くぞ!あいつらの顔の皮、剥ぎ取ってやる!!」
妹「…はい…」
妹子は、鬼男だけは敵にまわしたくないと思うのだった。
———そして午後七時———
芭「う…やっぱ夜の学校って恐い…」
曽「何か言いましたか?芭蕉さんの分際で」
閻「でも、夜の学校の方がいつもより楽しいよな」
太「そうだな。普段も夜に学校来させれば、皆テンション上がって、昼よりも頑張ると思う」
閻「確かにw」
芭「み、皆ぁ…うるさくするとまた馬子先生に怒られるよ…」
と、いつもの如しだった。
一方、鬼男達は暗い廊下を彷徨っていた。
妹(暗い…)
妹子は身震いしながら、鬼男のすぐ後ろにくっついて歩いた。
鬼(…かわいいな、こいつ)
などと、思っていると
鬼「あ…あの教室に明かりが」
妹「本当だ!良かった…太子達の声も聞こえる」
二人は扉の隙間から中を覗いた。
一瞬だけ曽良がこちらに目を向けたのは気のせいだろう…
妹「何か騒いでるけど、ここからじゃ聞き取れませんね」
鬼「いい。あいつらが補習なんて真面目なことするはず無かったんだ」
鬼男は爪を伸ばした。
鬼「妹子、襲撃だ…」
閻「…」
芭「どうしたの?閻魔くん」
閻「…鬼男くんが近くに居る気がする」
太「アハハ!どんだけ鬼男に敏感なんだよ」
閻「太子も妹子に敏感だろ!何かあいつらって、いつも俺達の傍に居る時…何かこう…殺気立ってるって言うか…。『いつでも殺ってやんよ!』って目で見てくる」
横でうんうんと頷く芭蕉は、曽良の視線に縮みあがった。
太「あー分かるぞ。もしかしたら妹子達、私達を探してるかもな」
閻「でも、妹子…夜の学校とか苦手そう…」
太「…そうかもな。五日間くらい一緒に居ないけど、放置だし…冷たいよなー」
と話していると曽良が口を開いた。
曽「案外、そうではないかもしれないですよ」
太・閻・芭「へ??」
ガラガラ ビシャン!
三人の声と、もの凄い勢いで扉が開く音が重なった。
鬼いう鬼がそこに立っていた。
つづく