二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 学園日和 ( No.21 )
- 日時: 2012/04/14 00:34
- 名前: あさぎ組 (ID: iIdSnc5m)
第十六幕 せっかくの誕生日なのに!!! (団子)
「じゃ、じゃあ太子…」
「おう、また明日、な…」
結局あのあとは妙に恥ずかしく、これといった会話もなく家についてしまった。
年に一度の行事だったのに、なんだか悪いことをしたかもしれない。
…いや、なんで僕が気を遣わなきゃいけないんだ。
「太子さん、妹子さん。」
僕がそんなことを考えていると、
「閻魔さんが、呼んでます」
曽良君がやってきた。
「また部員と芭蕉さんに集合をかけたみたいです」
「今度は鬼男さんの家だそうです」
「あぁ、僕はさっき道を覚えたんでご心配なく」
「どうせ三連休のこととかじゃないですか?」
「まあ結果騒ぐことになりそうですけど」
と、歩きながら曽良君は説明してくれた。
…罵声を交えながら。
どうやら帰っている途中に僕と太子以外にはメールが届いていた様だ。
4人が集合した後、曽良君が迎えに来たらしい。
それにしても、なぜ僕と太子は後から知らされたのだろう。
「つきましたよ、ここです」
曽良君がそういったのはマンションのとある一室の前。
なんというか…普通だ。
さすが鬼男先輩!!
「あ、妹子さんはこちらに来てください」
「え、なんで?」
「どうした曽良」
「太子さんは早く入って下さい。臭いんで。」
「なっ、臭くなんかない!断じて!」
あの人はいつになったら自覚するのだろうか。
むしろハーブの香りだ、などとブツブツ言いながら太子は部屋の中へ入っていった。
「で、どうしたの曽良君?」
「実は…」
曽良君が話をはじめようとしたその時。
パァン、と何かが爆発する音が、鬼男先輩の部屋から聞こえた。
「こういうことなんです。早く上がりましょう」
「・・・え?」
どういうこと?
「うわぁ…。」
部屋の中に入ると入口のところで太子が立っていた。
顔面にケーキをぶちまけて。
閻魔先輩が"本日の主役"と書かれたたすきを嬉しそうに太子にかけた。
「誕生日おめでとう!!!!」
パァンと、さっきと同じ爆発音が響く。
どうやらあれはクラッカーの音だったようだ。
「あの…これは…?」
いまだ直立不動のまま、顔からケーキをぼとぼとと落としている太子に代わって聞いた。
「聞いてない?今日太子の誕生日なんだよ」
「いや、そうじゃなくて」
「あ、パイ投げのノリでケーキ投げしたんだよ」
「曽良君も妹子君も、当たる瞬間が見れなくて残念だったね!」
「別に興味ありませんが…それより、ケーキがもったいないです」
「ちゃんと食べる用のも用意してあるよ」
「じゃあ食べましょう今すぐに」
「落ち着け曽良、今日の主役は一応太子だ」
「…す、」
す???
僕もようやく状況が呑み込めた頃、隣で太子がつぶやいた。
さすがに怒らせてしまったか?いや、僕に責任はないんだけど。
「すごいな閻魔!!さすが私の幼馴染だ!!!
私ケーキ投げなんてはじめてされた!あとおいしい!これおいしい!
あ、カレーもある!!やった—————!ありがとう!!」
…どうやら気に入ったようだった。
むしろはしゃぎすぎじゃないか?小学生なのかこの人は。
閻魔先輩はどういたしまして、と満足そうに笑った。
そういえば昔からの付き合いなのに怒らせるような事はしないだろう。
ハラハラして損した。
「よし、お誕生日様の命令だ!!!
今日は遊んで楽しむぞ———っ!!!!」
おー!と、なぜかみんなノリ気だ。
近所迷惑にならない程度に頼みます、そう言う鬼男先輩も笑っていた。
「じゃあね!」「ばいばーい」
パーティーが終わり家路につくころには、もう外は真っ暗だった。
昼の大雨はなんだったと言いたくなる程、星空に少し雲がかかってきれいだ。
もう皆はそれぞれの道で帰って行き、僕と太子しかこの道にいない。
それにしても、今日は疲れた。
かなりの量のものを食べ、よくわからないゲームをやらされ、大声でしゃべらざるを得ないことも何度もあった。
…まあ、楽しかったのは確かだ。
「、あ」
そんなことを考えたら小雨が降ってきた。
「しまった…もう降らないだろうと思って傘持ってきてませんよ。
でもこれだけしか降ってないなら」
走ればぬれずに済みそうですね、そう言いかけた口は"バサッ"という音によって中断された。
驚いて太子のほうを見る。
その手には青い傘が広げられていた。
「…太子?」
「え〜と、持ってきてて…それで、」
昼間とあまり変わらない言動だった。
普段は遠慮しないのに、なんでこういうところだけ繊細なのだろうか。
「えっと、、」
「わかりましたよ、疲れたし、傘にはいって歩いて帰りましょう。」
「本当か!?」
本当です、と呟いて傘に入る。
雨の音もだんだんと強くなってきた。
「そういえば太子、誕生日おめでとうございます」
「ああ、まだ言われてなかったな。ありがとう!」
「これでより死に近づきましたね」
「そういう言い方するな!!!」
この先輩なれれば面白いかも。
>>ナル姫様
コメントありがとうございます!
人からの初めての評価なので、とてもうれしく思います。
私は逆にシリアスが書けそうにありません…。
会話中心になってしまう(-_-;)
返信おくれて申し訳ありません。
またのご閲覧、お待ちしてます^^