二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 学園日和 ( No.27 )
- 日時: 2012/04/17 22:28
- 名前: 団子 (ID: PfnP2WII)
第十九幕 てすとなんてばくはつしろ。
「中間試験?」
ああそういえばそろそろか。妹子はそう考えた。
数週間前には入学試験があったので最近は試験続きだが
この時期は仕方ないのだろう。
「そう。みんな普通に部活来てるけどもう一週間もないんだよ。
勉強頑張ってね!!」
マーフィー君も応援してるよ!と人形の手を動かしながら言った芭蕉が
曽良に断罪されるのを気にも留めず妹子は考えた。
<まあ何日か前から試験勉強はしているし、大丈夫だろう>
このバカ共に感化されてはいけない。
入部してからそう思い、より一層努力するようになったのだ。
<僕には頼れる先輩が(一人だけ)いるし、いざとなったら…>
その先輩を見ようとしてふと顔を上げると、異様な光景が広がっていた。
楽しそうにしているのが一人、無表情なのが一人、顔が死んでるのが二人、実際死んでいる(?)のが一人。
状況を整理し終えると、妹子は一番意外な反応を示す人物に声をかけた。
「鬼男先輩、どうしたんですか?顔色悪いですよ?」
顔が死んでいた、鬼男だ。
たしか彼はその性格上努力したのだろう、成績は良かったはずだ。
「いや、勉強は前々からやってるんだけど、いざ結果が出るとなると…」
なるほど。
それに鬼男自身は"君あの談笑部の部員なんだね(笑)"と教師に言われたのが気になっているのかもしれない。
そっとしておこう。
心の底からそう思った。
「で、閻魔先輩はどうしたんですか?」
顔が死んでいる二人目、閻魔に声をかけた。
普段からは想像もできない疲労っぷりである。
「鬼男君にこの分のテキストやれって言われたんだけど…
もう無理!!!終わらない!!!」
そう叫んで何枚かのプリントを床に投げつけた。
ほとんどの解答欄が真っ白だ。
「そんなことしなくたって、別に点は取れるでしょう」
無表情だった曽良君が口を開いた。
「うるさい!!曽良のバカ!アホ!天才は黙ってろ!!」
「褒めているのか貶しているのかどっちですか」
そういえば彼は天才型であった。
赤点の心配はないのだろう。羨ましい。
「…それで、お前何で一人で楽しんでるんだ!!」
「いだいっ!理不尽!!!」
一発殴ってやると楽しそうにしていた太子は涙目で叫んだ。
どこが理不尽なものか、僕はそれ相応の態度をとったまでだ。
「私だってただ楽しんでたんじゃない!本読んでたんだよ!」
それでも試験には関係ないじゃないか、と机をのぞきこむと"カレー大特集!"とかかれた何かのパンフレットが置いてあった。
「カレーが載ってる本読んで楽しんでんじゃないですか!この馬鹿が!」
「馬鹿とはなんだ!私はな、本気を出したらすごいんだぞ!」
「はあ?そんなわけないでしょう!」
「すごいったらすごいんだ!」
お互い一歩も譲らず。
そんな状態でにらみ合っていると、いつの間にか読書を始めていた曽良君が声を上げた。
「そんなに言うなら今度の試験で決着をつけては?
幸いこの学校は試験の順位が廊下に張り出しますし、分かりやすいかと。」
最後に曽良は、そんな小学生のような喧嘩を続けるならばの話ですが、と付け加えた。
その一言が引っ掛かり再びお互い睨み合っていたが、
「よし!テストの順位で勝負だ妹子!!」
「望むところです!」
売り言葉に買い言葉、まさにそんな言葉が当てはまる。
「もし私が勝っていたらその…えっと、なんだ…なんかおごれ!」
「決めてから言ってくださいよ!」
「き、気分で変わるかもしれんだろ!これでいいんじゃい!」
「わかりましたから、代わりに僕が勝っても太子が奢って下さいね」
「ツナおにぎりを?」
「違うよ!!」
まあどうせ、僕が太子に負けるわけないだろう。
結局奢る"なにか"は決めなかったので、好きなものを頼んでいいわけだ。
試験の結果がこれ程楽しみなのは、思えば初めてかもしれない。
あ、芭蕉さんは無事でした。
数日後。
試験の出来もよかったので、さっそく廊下に張り出された紙を見に行く。
どうやら各学年の校舎ごとに張り出されるようだ。
つまり1年の僕は3年のあいつの結果は見れないのだ。
結果は学年5位。
上の順位に曽良君がいたことは不服だが、太子へ自慢するため部室へ向かう。
「あ、妹子!どうだった?」
ちょうどそこには太子しかいなかった。
「入ってましたよ。5位です!そういう太子はどうなんですか!?」
「私?私は1位だよ」
…?
「だから、学年1位。まあ私が本気を出せばこんなものだ!」
…。
「あれ?妹子聞いてる?」
「…ぼ…、ぞ…」
「え?」
「僕は認めないぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「あっ待て妹子!おーーい!」
その後太子に奢るはめになったが、レトルトカレーで済んだ。
やっぱりこの人はバカなんだと、改めて思った。
もう眠い…これ書くのに2回失敗して心が折れそうになりました。
ヒュ助たちの紹介はまた次回にします。