二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: 学園日和 ★参照500突破!★ ( No.37 )
- 日時: 2013/03/04 09:36
- 名前: あさぎ組 (ID: B6N9vk9k)
だいぶ間が開いてしまいました(^_^;)
では本編どぞ!
第二十三幕 大根役者の“大根”の謎 その前編 (流之介)
芭「う〜ん…」
只今、6月。梅雨前線が到来中のこの時期は、俳句部も部室に籠りきりだった。
芭「ねぇ…太子くん、今年のどうしようかな…」
太「ん?あぁー。もうそんな時期か」
鬼「……マジで!?」
まあ、つまり
部室には暇な部員がすでに6人揃っているという状況だ。
妹「?何ですか?」
閻「毎年ね 芭蕉さんの趣味で幼稚園に行ってボランティアしてるんだ」
妹「えっ幼稚園ですか?」
芭「うん。知り合いが幼稚園の先生でね。毎年、梅雨になると園児を預ける親が増えるみたいで…」
曽「サンドバックになっている訳ですか」
芭「ちっ違うわい!」
いつものように芭蕉さんと曽良が言い合いを始める前に、妹子が慌てて話を戻した。
妹「去年は何やったんですか?」
鬼「劇だよ…」
鬼男の声はやけに静かだった。よほど苦い思い出らしい。
閻「そうそう。太子の案で『どっこいおむすび君』!!」
妹「どっ…!?何ですかそれ…」
閻「結構ウケてたよー」
曽「子ども向けの漫画でしたからね」
鬼「知ってんのか曽良…」
妹(なんだ…?)
鬼男の様子がいつもと違うことに気づいた妹子に、嫌な予感が遮った。
すると
太「よしっっ!」
太子が机を無駄に大きく叩いて立ち上がった。
太「今年もやるぞ!劇!!」
鬼,妹「…え……」
閻「やっぱり、太子ならそう言うと思ったよ(笑)」
曽「同感です」
芭「ん〜。まぁ、去年も楽しかったし…いいか」
太「だろ!?劇って子どもウケいいし、去年の反省にもなるし、さらに(私が)楽しい!一石二鳥だぞ!!」
と盛り上がった。ただし、一部を除いて。
鬼「だ…だけど、やっぱ2年連続だし…」
妹「…そうですよ…だいたい、練習する時間だって少ないんじゃないですか……?」
鬼男と妹子は弱々しい声で反論した。
芭「うん…そうなんだよね。ちょっと時間が足りないかも。今週の土曜日だし」
曽「芭蕉さんは黙っていて下さい。妹子さんのことだから、人前で演技するのが恥ずかしいだけなんですから」
妹「何、人の心を勝手に読んでるの曽良くん!?」
閻「別にいいじゃん!逆に時間ない方が燃えるよ!なっ太子!!」
太「おう閻魔!今週中に完成させて、今年も子ども達を喜ばせよう!!」
妹子と鬼男はため息をついた。おそらく2人とも同じ事を考えていただろう。
どうしてこのやる気を普段の勉強に生かせないのか。と……。
———演目———
太「やりたいやつも、もう決まってんだ!」
あの後、太子と閻魔が推して、結局劇をすることになった。
鬼「また去年みたいに変なやつにしないで下さいよ…」
曽「ちなみに、鬼男さんは『どっこいおむすび君』の何役をやったんですか?」
鬼「うっ…!聞くな曽良…」
閻「鬼男くんはねー。なんとあの…」 ((グサッ
鬼「言うな!堕ちたいか!この野郎!!」 閻「グフッ!」
太「…おぉーい閻魔ぁ…大丈夫かー?」
床に転がった閻魔に声をかける太子。
閻魔がゆっくりと体を起こすのを見てホッとため息をつき、続きに戻った。
そして、この場にいる皆を凍りつかせたのである。
太「今回、私達がやるのは…
『ソードマスターヤマト』だ!!」
———役割———
妹「何ですか…これ」
太子が劇の演目発表の後にダッシュで家まで取りに行った漫画、『ソードマスターヤマト』を読んだ妹子は呟いた。
妹「短っ!10話までしかないじゃないですか!!しかも、この9話…何ですか!?完全に誤植ですよね!!?」
太「面白いだろ!?」
妹「…そうですね…。別の意味で面白すぎです…」
芭「でもこれ、ラストシーンがヤマトの戦いはこれからも続くってなってるけど…」
太「そこは、まぁテキトーにごまかしてハッピーエンドにでもすれば子どもは納得するだろ」
妹,鬼(適当かよ!)
閻「じゃあ、配役どうする?主なキャラは…ヤマトにベルゼバブ、サイアークを含めた四天王…」
曽「くじでいいんじゃないですか」
鬼「く、…くじ!?」
鬼男が異様に反応した。
妹「先輩?」
鬼「その…くじはやめた方がいいと思う…」
だが、言うが遅し。
曽良の一言を聞いたアホコンビはとっくにくじの準備を済ませていた。
芭「じ、じゃあ。役を発表するよ」
その10分後、全員あみだくじを引かされた。
芭「え〜と…。ベルゼバブ役、閻魔くん。レツアーク役、曽良くん。キョウアーク役、私。ゴクアーク役、鬼男くん。サイアーク役、太子くん。そしてヤマト役、妹子くん…」
太,閻,曽,鬼,妹「「………。」」
妹「…んなっ!」
太「ちぇー。いいな妹子!主役で」
妹「え、ちょっと待っ…」
閻「俺、ラスボスだよ!やったー!!」
鬼「…よかったぁ…変な役じゃなくて」
妹「待って下さい…!僕…」
曽「はまり役じゃないですか妹子さん。よかったですね」
芭「頑張ってねー妹子くん」
見事(?)主役を勝ち取った(??)妹子に皆が声をかける。が、
妹(こんな役絶対嫌だぁぁぁぁ!!!)
心の叫びは、誰にも届かなかった。