二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第57話「奇跡のチーム!ザ・カオス!!」 ( No.110 )
日時: 2013/02/26 19:47
名前: 名無し ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)


黒地に青と赤の模様のサッカーボールが振ってきて、フィールドに減り込む。
瘴気の感じられる紫色の煙が辺りを包み込んだ。


円堂「っ…これは…エイリア学園!?」


煙の中に2つ人影が見える。


ガゼル・バーン「……」


新しいユニホームに身を包んだガゼルとバーンだった。


円堂「ガゼル、バーン!」

ガゼル・バーン「我等はカオス!」

バーン「猛き炎プロミネンス。」

ガゼル「深遠なる冷気、ダイヤモンドダストが融合した、最強のチーム。」


他のメンバーも現れた。


バーン「我等カオスの挑戦を受けろ!」

ガゼル「宇宙最強が誰なのか、証明しよう!」

円堂「っ…」


.


瞳子「ダイヤモンドダストとプロミネンスの混成チーム…?」


瞳子は帰っていくキャラバンをバックに言葉を繰り返す。


零「らしいっすよ。」


零は両手を頭の後ろで組み、あくまで笑みを崩さず答える。


零「試合は2日後、場所は帝国スタジアム。…一応必殺技は完成しましたけど、勝率はまだ分かりませんかね。」

瞳子「…そう。分かったわ。」


瞳子は零に背を向け、零は壁に寄り掛かって携帯を弄り始める。


零「意外と反応が薄いんすね。」


くつりと笑い瞳子に目を遣る。


零「…ま、大して大きなことでもないか。」

瞳子「…あなたにはそうでしょうね。」


瞳子は目を細めて夕陽を見る。
風が瞳子の髪を揺らした。


.


(OP)


.


翌日、雷門中——


円堂「よーし、今日も気合入れていくぞー!」

「「「おー!!」」」


零が1歩前に出る。


零「カオスとの試合は明日。今日は課題を絞って練習します。
円堂さん・土門さん・鬼道さんは、デスゾーン2の強化。」

円・鬼・土「はい!」

零「立向居と綱海さんは、引き続きムゲン・ザ・ハンドの特訓を。」

立向居「はい!」

綱海「コイツは俺に任せておきな!」


綱海は立向居の肩を抱く。
零は笑みを浮かべたまま2人を見た。


零「他の者は、豪炎寺さんと亜風炉さんを中心にフォーメーションを確認。いいですか?」

「「「はい!/っす!」」」


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(抜かし)



吹雪「……」

豪炎寺「爆熱ストーム!!」


吹雪は黙ってその場を立ち去ろうとする。


零「どうした。」

吹雪「!」


吹雪が零の横を過ぎようとすると、笑みを浮かべた零が話し掛けた。


吹雪「……」

零「見るのも嫌か? そんなに辛いなら投げ出せばいいだろ?」

吹雪「っ…キミに、何が分かるんだよ…」


歯を食いしばる吹雪。


零「そりゃ分かんねーよ。他人の気持ちなんて自分が理解出来るはずねェ。これから先一生、お前の痛みを理解出来る奴も出て来ねェだろうな。」

吹雪「っ、だったら(零「でも…」!」


吹雪は俯くが、零の言葉に反応し顔を上げる。


零「お前を支えたいって思ってる人なら、たくさん居るだろ。」

吹雪「! ……」


吹雪は何も言わず立ち去る。
秋はそれに気付いた。


秋「…吹雪くん…」


円堂「… ! 吹雪…」

アフロディ・豪「……」

アフロディ「(…大丈夫だよ…)」


アフロディは吹雪を見つめる。


アフロディ「(キミが戻って来るまで…雷門は僕が…)」


.


河川敷——


河川敷のグラウンドでは子供達がサッカーをしている。
吹雪は立ったままでそれを眺めていた。


吹雪「……」


『行くぞ、デスゾーン2!』
『ムゲン・ザ・ハンド!!』
『アフロディ!』
『っ…』


みんなの練習を思い出す。


『そんなに辛いなら、投げ出せばいいだろ?』


零の冷たい笑顔が頭に浮かび、吹雪は握り拳を作る。


吹雪「…僕だってやりたいさ…みんなと一緒にサッカーを…。…でも、ボールを蹴ったらアツヤが…」


アツヤになったときの自分を思い出し、目を瞑る。


吹雪「っ…アツヤさえ…いなければ…!」



(抜かし)



春奈「結局、戻って来ませんでしたね、吹雪さん…」

秋「うん…」

零「……」


.


(抜かし)


.


豪炎寺と綱海はタイヤでそれなりの特訓らしきことをしている。
鬼道と円堂はそれを眺めながら話していた。


鬼道「綱海もここが気に入ったみたいだな。」

円堂「ああ。」

鬼道「…なぁ、円堂。」


鬼道は大事な話をするのか、声のトーンを下げる。


鬼道「…零の事だが…」

円堂「!…零が、どうかしたか?」


鬼道は少し黙り、また口を開いた。


鬼道「お前は、アイツをどう思う?」

円堂「どうって…」


暫くの沈黙。円堂はこれまでの零を思い出す。
初めて会ったとき、レーゼのシュートを止めたこと。自分よりも年下ながら、自分達に見事な采配を下したこと。財前総理や吹雪とも知り合いだったこと。そして時々エイリア学園が発する怪しげな言葉。


鬼道「…?」

円堂「分からない。」

鬼道「……そうか。…(円堂「ただ、」!」


鬼道は円堂を見る。


円堂「………いや、分からない。」


綱海「おい、何そこでごちゃごちゃやってんだよ! お前らも来いって!」

円堂「…よーし、俺もやるぞー!! 鬼道!」


円堂は綱海の方へ駆け寄る。
鬼道はその後ろをゆっくり付いていった。


円堂「何で乗ってんだよー!」

綱海「だって上手く出来なくてさァ…」


.


.


.


(抜かし)


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[雷門ファンの皆さん、お待たせしました! 本日は此処、帝国スタジアムから、雷門対カオスの1戦をお送りします! カオスは、エイリア学園マスターランクチーム、ダイヤモンドダストと、プロミネンスが精鋭ばかりを集めた混成チーム!]


瞳子「…」


[一方雷門は、円堂がリベロにあがり、立向居がキーパーに入って初めての試合! これは期待が高まります!!]


雷門イレブンはカオスを睨むように見ている。


目・吹「……」

帝国イレブン「……」

零「……」


フィールドを見つめるみんな。
零は膝の上に開いた上体のパソコンを乗せている。


ガゼル「分かっているな? この試合、必ず勝つ…!」

バーン「遠慮はいらねェ。お前達の力を思い知らせてやれ…!」


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(CM)


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