二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第59話「ついに来た!エイリア学園!!」 ( No.116 )
- 日時: 2013/02/26 20:21
- 名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)
秋と春奈は正門前で円堂を待っていた。
春奈「…!」
春奈は円堂と吹雪が歩いてきたのに気付き、寄り掛かっていた身体を戻す。
秋「円堂くん…」
春奈「キャプテン…!」
円堂「っ…どうした?」
秋と春奈の不安げな表情に、ただごとではないことを察した円堂。
秋「ジェネシスのグランが来たのよ…」
円堂「何!? っ…」
円堂と吹雪はすぐに校内へ向かう。
秋「っ、瞳子監督や零くんを、姉弟だって言ってたの…!」
2人は秋の言葉に足を止める。
円堂「っ…姉弟だって!?」
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(OP)
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雷門中校内——
円堂と吹雪を除いた雷門イレブンは、瞳子と零に詰め寄っていた。
零は木に寄りかかって笑んだままみんなの話を聞いている。
夏未「グランはどうして2人を“姉弟”と言っていたんですか…。答えて下さい。」
瞳子「……」
夏未「…監督!」
零「…(円堂「監督! 零!」
瞳子も零も何も言わずに沈黙する。
それは円堂が破った。
リカ「おお円堂!」
リカはやって来た円堂達に歩み寄る。
リカ「コイツ等、スパイやスパイ!」
円堂「!」
リカ「そうに決まっとる!」
円堂「…スパイ…?」
土門「…ってことは、」
土門が口を開く。
土門「監督と零は、姉妹だったってことなのか?」
壁山「でも、苗字が違うっすよ?」
土門「苗字くらい、偽ることは出来る。」
壁山「た、確かに…」」
2人の話を零はさして興味なさげに聞いている。
綱海「なぁなぁ、敵と姉弟ってことはさ…」
木暮「2人は宇宙人!?」
目金「説明責任があると思いますね。」
瞳子「……」
瞳子の髪が少し耳から落ちる。
土門「どっちにしても、話して貰おうじゃないか! なぁ!」
瞳子「………(円堂「待て、みんな。」!」
円堂「……俺が話す。」
円堂はみんなの中から前に出て瞳子達に向かい合う。
円堂「…本当に、アイツと姉弟なんですか?」
瞳子は髪を整えて言った。
瞳子「確かに私は、あなた達に隠していることがある。でももう少し待って欲しいの。」
少し伏せていた顔を上げる。
瞳子「…エイリア学園は、ただの宇宙人ではないわ。」
「「「…!」」」
瞳子の言葉にざわつく雷門。
瞳子「……みんなに、私と一緒に富士山麓に行って欲しいの。………そこで全て話すわ。」
「………」「富士山麓…?」
雷門イレブンはぼそぼそと疑問を洩らす。
鬼道「“全て”というのは、…零もですか?」
みんな零を見る。
零はいつも通り、蔑むような笑顔で雷門イレブンを見た。
リカ「そもそも、1番怪しいのはアイツとちゃうん!?」
土門「確かに…情報が全く出なかったのは、地球に存在しないから…」
納得したように呟く土門に、「くっだんね。」と鼻で笑う零。
土門「何!?」
瞳子「…明日の朝8時。それまでに準備を整えておいて。」
瞳子は土門の台詞を遮り、半ば強引に話を終わらせてその場を去った。
零は自分の横を瞳子が通り過ぎるとそれに続いた。
リカ「…そんなん、信用出来ひん…」
一之瀬「結局監督達は、俺達の質問に何にも答えなかった…」
リカ「ダーリン…」
リカはいつもと違って厳しい剣幕の一之瀬を不安そうに見る。
一之瀬「俺だって、今度の戦いにはいっぱい疑問があった。…それでも付いて来たのは、エイリア学園の攻撃で傷付いた、みんなの思いに応えたかったからだ。」
「「「……」」」
一之瀬「今日のカオス戦だって、アフロディが倒れている…!」
吹雪「!」
秋「一之瀬くん…」
一之瀬「だけど監督には、みんなの思いなんか何にも届いてない…。…俺はこんな気持ちじゃ、富士山になんか行けない!」
一之瀬は強く断言した。
土門「俺も一之瀬と同じだぜ。」
土門は挙手する。
土門「もう我慢の限界だ。…鬼道はどうよ。」
鬼道に話を振る。
鬼道「どっちに転ぶにしても、判断材料が少な過ぎる。」
土門「…らしい答えだよ。(円堂「悩むことなんかない。」!」
- 続き ( No.117 )
- 日時: 2013/03/13 19:32
- 名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)
鬼道の回答に呆れる土門。
やり取りを聞いていた円堂が口を挟んだ。
円堂「エイリア学園の全てが分かるんだぜ、行くしかないだろ。」
「「「……」」」
円堂「監督達が勝つことに拘って、俺達を引っ張ってきたのは、きっと訳があると思ってた。その答えは、富士山にあるんだよ! 行こうぜ、みんな!」
円堂は熱くなっているが、誰もその意見を助長しようとはしない。
鬼道「待て円堂。俺は、一之瀬が戸惑うのも分かる。一緒に行くかどうかは、それぞれに決めて貰おう。」
円堂「だけど…!」
鬼道「…みんなには考える時間が必要だ。」
円堂「! …そうか。」
円堂は鬼道の言葉に冷静さを取り戻し、納得した。
円堂「そうだな、今夜一晩あるもんな。」
一之瀬「どんなに時間を貰っても、答えは同じだよ。」
円堂「一之瀬…」
一之瀬「俺は降りる。」
リカ「ダーリン…」
普段よりも低い声で小さく言う一之瀬。
リカもさすがに空気を読んで大人しい。
綱海「何で2人共話さないんだ? 隠してたって、いいことなんかないだろ。」
木暮「結局、信じた俺達が馬鹿だったってことでしょ…」
木暮は哀しそうに俯く。
夏未「本当にそうかしら。」
木暮「!」
夏未「今までのことを思い出して。監督の采配は、いつも私達の勝利を第一に考えた的確なもの…零くんは、口は悪くても尤もなアドバイスや行動…染岡くんや佐久間くんが怪我をしたときも、誰より先に対処していたわ。本当に信用する価値はないのかしら。」
土門「そりゃあ、そうだけど…」
夏未の説得力のある発言にたじろぐ土門。
夏未「豪炎寺くんのときも憎まれ役になってでも、豪炎寺くんにチームを離れるように言ったのは、彼と彼の妹さんを助けるだめだったでしょう?」
豪炎寺「そうだな。…俺は監督を信じる。」
吹雪「僕も行くよ。」
鬼道と豪炎寺は吹雪を見る。
吹雪は俯き、マフラーを握り締めていた。
吹雪「…行くしかないんだ。…こんなところで、立ち止まりたくない。」
豪炎寺「……」
豪炎寺は目を細めた。
塔子「アタシも行く! 零はただの知り合いとしか思ってないかもしれないけど、アタシちゃんと零のこと知って、認めて欲しい!」
壁山「俺は、俺は…;」
はっきりと言う塔子に対し、おどおどと指を弄りながら曖昧に答える壁山。
土門「…やっぱ俺は、納得いかない…!」
雷門の中で微妙な空気が流れ、沈黙を作る。
そんな中鬼道が動いた。
鬼道「みんな頭を冷やそう。…俺も考える。」
そう言い残して鬼道は帰っていった。
それに続きみんなも自然と足が進み、残ったのは秋・夏未と、円堂だけになった。
秋「みんな、大丈夫かな…」
夏未「いいの? これで…」
秋と夏未は円堂を見て意見を求める。
円堂は少し考えてから言った。
円堂「俺、みんなを信じてるから。」
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(抜かし)
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地下室——
理事長・夏未・鬼瓦は、モニターで総理と話していた。
財前『富士山麓?』
総理は驚いたように言葉を反復する。
夏未「はい。瞳子監督は、そこに答えがあると…」
財前『やはりそうか…』
雷門「と、言いますと…」
財前「私が連れて行かれたのが、富士山らしいんだ。」
総理は拉致されたときを思い出す。
雷門「では、早速調査を…」
鬼瓦「その役目、引き受けましょう。」
鬼瓦が軽く挙手する。
財前『心強い。ではキミに頼むよ。』
鬼瓦「はい。響木とも連絡を取り合って、調べを進めていきます。」
財前『うむ、慎重にな。』
夏未「…あの。総理とお父様に、質問があります。」
雷門「何だね?」
控えめに声を掛ける夏未。
理事長は夏未を見る。
夏未「お父様達は瞳子監督や零君と、どうやって知り合ったのですか?」
雷門「…瞳子君は、響木監督が連れてきたんだ。雷門を託せる人物だと言ってね。」
夏未「じゃあ、零君は…」
鬼瓦「俺が、理事長に紹介した。」
鬼瓦が答える。
夏未「!」
鬼瓦「金さえ払えば何でも引き受ける奴だ、ってな。」
夏未「………」
夏未は何か考えるような表情をしていた。
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(円堂・立向居・綱海/木暮の特訓)
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零「………」
どこかの家の中。零は窓に手を当て、今にも雨が降り出しそうな空を笑顔で見ている。
窓にこつんと額を乗せた。そして目を伏せて眉を顰め、呆れたような笑みになる。
零「……お兄ちゃん。」
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(抜かし・CM)
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- 続き ( No.118 )
- 日時: 2013/02/26 20:25
- 名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)
(吹雪の葛藤・円堂の朝)
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円堂は忘れようとしているかのように一心不乱にグラウンドを走る。
キャラバン前に差し掛かったところで息を整えるために一旦止まった。
円堂「はぁ、はぁ、はぁ…。……あれ。」
膝に手を突いていたため気付かなかったが、キャラバン付近には一之瀬・土門・リカを除いた雷門イレブンが揃っていた。
円堂「みんな…!」
円堂は駆け寄る。
鬼道「一之瀬達が、まだなんだ。」
円堂「…そうか。」
???「あーっ、いてるいてるーっ!」
「「「!」」」
みんな声のする方に視線を注ぐ。
キャラバンの影からリカが顔を覘かせた。
リカ「っ、ほらダーリン!」
一之瀬「……//」
土門「…よォ//」
リカは照れ臭そうにした一之瀬を引っ張り出す。
続いて土門も。
円堂「一之瀬、土門、リカ…! …おはよう!」
土・一/リカ「おはよう。/おはよう!」
土門「…まぁ、何っつーか、考えたんだ。」
土門は頭を掻きながら話し始める。
土門「…目を反らしちゃいけないってな!」
円堂「土門…!」
夏未「エイリア学園との戦いの意味を知りたい…その気持ちはみんな同じよ。」
一之瀬「…そういうことだ。俺達も一緒に行くよ。」
円堂「そうか…そう来なくっちゃな!」
リカ「ウチも忘れんといてや! ダーリンあるところにウチありや!」
リカがそう締めると、みんなから笑みが零れた。
そこに瞳子と、相変わらず笑顔の零が歩み寄る。
瞳子「……」
円堂「監督!」
瞳子「…みんな、いいのね?」
「「「はい!」」」
みんな一斉に返事をし、キャラバンに乗る。
キャラバンが出発した。
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山道を進むキャラバン。
中では菓子を食べたり外の景色を見たり、戦いに備えて睡眠を摂ったり、ただ黙って俯いたり、落ち着くために各々がそれぞれのことをしていた。
瞳子は進む先を見、零はパソコンを起動させている。
一方円堂は、裏ノートと睨めっこ。
立向居は円堂の様子に気付く。
立向居「…円堂さん、それは?」
円堂「究極奥義、ジ・アース。じいちゃんの考え出した必殺技で、11人全員のパワーを集めた、必殺シュートなんだ。」
立向居「11人全員ですかァ…凄い…!」
円堂「チームみんなの心が1つになったときに、初めて出来る技だって書いてあるんだ。」
立向居「まさに究極奥義ですね!」
立向居は円堂を尊敬の眼差しで見る。
円堂「昨日からずーっと考えてたんだ。…このメンバーでやってみたい。みんなの気持ちが1つになれば、」
瞳子「!」
円堂「大きな力が生まれる。」
零「…」
瞳子は目を開いて驚き、零は何の表情の変化も見せないが何か考えていそうにも見える。
円堂「…俺達のためにあるような技じゃないか!」
立向居「はい!」
豪炎寺「……、!」
吹雪「………」
豪炎寺はまだ元気の無さそうな吹雪を見た。
豪炎寺「(みんなの心が、1つに…)」
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(抜かし)
.
ブゥゥゥゥン——
円堂「みんな、富士山だ!」
「「「!!」」」
キャラバンの窓から一斉に外を見る一同。
瞳子「……」
零「………」
.
キャラバンは山道を登っていく。
カーブしたところで、雷門イレブンは何かを見つけた。
壁山「な、何すかあれは!?;」
目金「どうしてこんなところに…;」
円堂「……」
崖の陰から見えたものは、以前財前総理が見せられたものと同じだった。
キキ———ッ!!
キャラバンは停止し、みんなはキャラバンから降りた。
円堂「監督…此処が、目的地なんですか?」
瞳子「…ええ。」
零「………」
壁山「あれが、エイリア学園なんすか?」
木暮「どう見ても、UFO…;」
円堂も驚愕を隠せず呆気にとられていたが、すぐに表情を引き締めて言う。
円堂「…みんな、行くぞ!」
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(ED)
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- 次回予告 ( No.119 )
- 日時: 2012/12/07 22:26
- 名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)
長い戦いの果てに俺達はとうとう来た、エイリア学園の秘密基地!
いよいよ奴等の目的が明らかになる。
ヒロト、最後の戦いを始めよう!
次回イナズマイレブン、
「エイリア学園の正体!」
これが超次元サッカーだ!!
キャプテン、今日の格言!
「みんなの気持ちが一つになれば、大きな力になる!」
以上!!