二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 続き ( No.117 )
- 日時: 2013/03/13 19:32
- 名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)
鬼道の回答に呆れる土門。
やり取りを聞いていた円堂が口を挟んだ。
円堂「エイリア学園の全てが分かるんだぜ、行くしかないだろ。」
「「「……」」」
円堂「監督達が勝つことに拘って、俺達を引っ張ってきたのは、きっと訳があると思ってた。その答えは、富士山にあるんだよ! 行こうぜ、みんな!」
円堂は熱くなっているが、誰もその意見を助長しようとはしない。
鬼道「待て円堂。俺は、一之瀬が戸惑うのも分かる。一緒に行くかどうかは、それぞれに決めて貰おう。」
円堂「だけど…!」
鬼道「…みんなには考える時間が必要だ。」
円堂「! …そうか。」
円堂は鬼道の言葉に冷静さを取り戻し、納得した。
円堂「そうだな、今夜一晩あるもんな。」
一之瀬「どんなに時間を貰っても、答えは同じだよ。」
円堂「一之瀬…」
一之瀬「俺は降りる。」
リカ「ダーリン…」
普段よりも低い声で小さく言う一之瀬。
リカもさすがに空気を読んで大人しい。
綱海「何で2人共話さないんだ? 隠してたって、いいことなんかないだろ。」
木暮「結局、信じた俺達が馬鹿だったってことでしょ…」
木暮は哀しそうに俯く。
夏未「本当にそうかしら。」
木暮「!」
夏未「今までのことを思い出して。監督の采配は、いつも私達の勝利を第一に考えた的確なもの…零くんは、口は悪くても尤もなアドバイスや行動…染岡くんや佐久間くんが怪我をしたときも、誰より先に対処していたわ。本当に信用する価値はないのかしら。」
土門「そりゃあ、そうだけど…」
夏未の説得力のある発言にたじろぐ土門。
夏未「豪炎寺くんのときも憎まれ役になってでも、豪炎寺くんにチームを離れるように言ったのは、彼と彼の妹さんを助けるだめだったでしょう?」
豪炎寺「そうだな。…俺は監督を信じる。」
吹雪「僕も行くよ。」
鬼道と豪炎寺は吹雪を見る。
吹雪は俯き、マフラーを握り締めていた。
吹雪「…行くしかないんだ。…こんなところで、立ち止まりたくない。」
豪炎寺「……」
豪炎寺は目を細めた。
塔子「アタシも行く! 零はただの知り合いとしか思ってないかもしれないけど、アタシちゃんと零のこと知って、認めて欲しい!」
壁山「俺は、俺は…;」
はっきりと言う塔子に対し、おどおどと指を弄りながら曖昧に答える壁山。
土門「…やっぱ俺は、納得いかない…!」
雷門の中で微妙な空気が流れ、沈黙を作る。
そんな中鬼道が動いた。
鬼道「みんな頭を冷やそう。…俺も考える。」
そう言い残して鬼道は帰っていった。
それに続きみんなも自然と足が進み、残ったのは秋・夏未と、円堂だけになった。
秋「みんな、大丈夫かな…」
夏未「いいの? これで…」
秋と夏未は円堂を見て意見を求める。
円堂は少し考えてから言った。
円堂「俺、みんなを信じてるから。」
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(抜かし)
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地下室——
理事長・夏未・鬼瓦は、モニターで総理と話していた。
財前『富士山麓?』
総理は驚いたように言葉を反復する。
夏未「はい。瞳子監督は、そこに答えがあると…」
財前『やはりそうか…』
雷門「と、言いますと…」
財前「私が連れて行かれたのが、富士山らしいんだ。」
総理は拉致されたときを思い出す。
雷門「では、早速調査を…」
鬼瓦「その役目、引き受けましょう。」
鬼瓦が軽く挙手する。
財前『心強い。ではキミに頼むよ。』
鬼瓦「はい。響木とも連絡を取り合って、調べを進めていきます。」
財前『うむ、慎重にな。』
夏未「…あの。総理とお父様に、質問があります。」
雷門「何だね?」
控えめに声を掛ける夏未。
理事長は夏未を見る。
夏未「お父様達は瞳子監督や零君と、どうやって知り合ったのですか?」
雷門「…瞳子君は、響木監督が連れてきたんだ。雷門を託せる人物だと言ってね。」
夏未「じゃあ、零君は…」
鬼瓦「俺が、理事長に紹介した。」
鬼瓦が答える。
夏未「!」
鬼瓦「金さえ払えば何でも引き受ける奴だ、ってな。」
夏未「………」
夏未は何か考えるような表情をしていた。
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(円堂・立向居・綱海/木暮の特訓)
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零「………」
どこかの家の中。零は窓に手を当て、今にも雨が降り出しそうな空を笑顔で見ている。
窓にこつんと額を乗せた。そして目を伏せて眉を顰め、呆れたような笑みになる。
零「……お兄ちゃん。」
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(抜かし・CM)
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