二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第61話「最終決戦!ザ・ジェネシス・前編!!」 ( No.125 )
日時: 2013/02/27 18:02
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)


[ゴーーール!! グランの必殺シュート、流星ブレードが決まったぁあああ!!]


吹雪「っ…」


[先取点は、ジェネシスだぁあああ!!]


綱海が立向居を起こす。
円堂が振り返ると、グランがすぐ傍に居た。


グラン「分かっただろう? 最強はどっちなのか…」


.


吉良は茶を啜る。


吉良「これこそエイリア石のエナジーで強化された人間の力なのです。この素晴らしさ、お前にも分かるでしょう、瞳子…」


.


瞳子「……」


瞳子は歯を食いしばって吉良星二郎のいる場所を睨む。
零はパソコンを起動させながらも、そんな瞳子を気に掛けるように、笑顔のまま横目で瞳子を見ていた。


.


一之瀬「…何て奴等だ…。本当に俺達と同じ人間なのか?」


一之瀬は信じられないというようにグランを見る。


円堂「……
(人間を強化するエイリア石…それを政府に売り込もうとしている、吉良星二郎…吉良の計画を実現するため、エイリア石で強くなったヒロト…)」


円堂は息を吸い、叫んだ。


円堂「ヒロト、お前達のサッカーは間違ってる! 本当の力は、努力して身に付けるものなんだ!」

グラン「果たしてそうかな? 我等ジェネシスこそ、最強なんだ。」


グランはそう言って、円堂に背を向けてポジションに戻って行った。


円堂「(言葉で分からないなら、プレイで伝えるしかない…!)」


.


(OP・抜かし)


.


その後も雷門は守ることで精一杯で、攻めることが出来なかった。


[雷門必死のディフェンス! このまま、ジェネシスのワンサイドゲームになってしまうのかァ!?]


リカ「ウチ等も行くで!」

豪炎寺「……」


FW2人も守りに回る。


吹雪「! ……
(どうして僕はここに座っているんだ……完璧になるためにキャプテンやみんなと一緒に戦うことを選んだのに…)」


吹雪は悔しそうに目を瞑り、アフロディや染岡のことを思い出す。


吹雪「(アフロディくんは、自分を犠牲にしてまで戦った。染岡くんは、僕にFWを託してくれた…。…豪炎寺くんは強くなって帰って来た。……僕がこのままベンチでいていいわけがない。)」


『そんなに辛いなら、投げ出せばいいだろ。』


零の言葉が脳を掠める。


吹雪「(分かっている…これじゃ何も変わらない…! 何も出来ないのか、またあの時と同じように…!)」


家族を失った時の記憶が蘇る。


吹雪「(完璧じゃないから僕は誰1人助けられない。…完璧じゃないから試合に出ることさえ出来ない…!!)」


零「……」


吹雪が考え込んでいる間にも雷門イレブンはジェネシスに攻め続けられボロボロになっている。


吹雪「(でも…!!)
(「落ち着け。」!!」


吹雪のモノローグは独特のハスキーボイスに遮られた。


吹雪「……零…」


零は、キーは打っていないがパソコンを開いたままの状態で膝に乗せている。


零「落ち着いてフィールドを見ろ。あそこで必死に戦っているプレイヤーを。」


吹雪は零の言うがままにフィールドに目を向ける。


鬼道「っ…」
円堂「ぅわっ!」


鬼道と円堂がグランにパスカットされている。
グランはあがり、豪炎寺とリカがそれを止めにくるが、グランのノーマルシュートで2人は退けられる。
立向居はそれを受け止めるがゴールしてしまう。


ピーーーッ!


零「あそこに、1人でも完璧な奴がいるか?」

吹雪「……」
零「“完璧”なんて所詮故事成語、ただの比喩さ。
…だから、そんな人間はどこにもいないんだよ。」


慈しむように話す零を見る吹雪。


零「誰もが認める完璧になんてなれない。だからみんな、それぞれの完璧を目指すんだ。あいつらも僕も。監督も響木さんも吉良も、ジェネシスの奴等も、——お前も。」


それぞれを思い浮かべながら話す。


零「…他人ひとのものさしで、自分を計ろうとするな。」

吹雪「!!」


最後に吹雪を見て微笑む零。
吹雪は瞳孔を開き、それから目を瞑り、また開いた。
やる気に満ち溢れたような、強気な目だった。スッと立ち上がる。


「「「!」」」

吹雪「………」


突然の吹雪の行為に驚く一同。


豪炎寺「……
(来い。お前の答えは、グラウンドでしか見つからない。)」

吹雪「……」


豪炎寺は吹雪を見、頷いた。
吹雪も豪炎寺を見る。


吹雪「監督!」

瞳子「……」

吹雪「僕を試合に出して下さい!」

目・マネージャー「え!」


驚くベンチ陣。


吹雪「僕はみんなの役に立ちたいんです!」

瞳子「……」


黙って見合う2人。
やがて瞳子は決意したように席を立つ。


瞳子「選手交代! 浦部リカに代わって、吹雪士郎!」

円堂「吹雪?」

「「「!?」」」


吹雪が準備するのを心配そうに見ているマネージャー。


目金「今のままでは勝てない…確かに点を取るためには、吹雪くんの力が必要ですが…」


瞳子「さぁ行きなさい、吹雪くん。」

吹雪「…はい!」


準備を終えた吹雪はフィールドに向かう。


リカ「頼んだで!」


リカは吹雪とタッチして交代する。
吹雪は目を落とし、フィールドの境界線を見た。


『また一緒に、風になろうぜ…』

『分かってくれたんだね…』

『完璧になりたいなら、必要なものを間違えないことだ。』
他人ひとのものさしで、自分を計ろうとするな。』


自分を支えてくれた者達を思いながら、フィールドへと足を踏み入れる。


瞳子「……」

零「……」


吹雪は豪炎寺の前を通り、みんなの元へ向かう。
みんな吹雪を見る。


円堂「吹雪…」

吹雪「(僕はこの試合で完璧になる。…みんなのためにも、ならなくちゃならないんだ…!)」


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(CM)


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続き ( No.126 )
日時: 2013/02/27 18:11
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)



(抜かし)


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グランは一之瀬と鬼道を抜き、ゴールへ向かう。
それを追う吹雪。


吹雪「(完璧に…!)」


士郎に姿に戻る。


吹雪「アイスグランド!! 、うわっ!!」


グランには通用せず、吹雪は弾き返される。


[シュートに続き、ディフェンスも破られてしまった!!]


吹雪「………; 僕のプレイが全然通用しない…;」

豪炎寺「……」
吹雪「完璧にならなきゃいけないのに…!」


秋「やっぱり、吹雪くんはまだ…」

零「……」


秋が心配そうに呟くのを背景に、零は目を細めた。


.


(抜かし)


.


ウルビダからパスを受けるウィーズ。


ウィーズ「… !」


円堂・鬼道・一之瀬・木暮の4人が一気にウィーズにスライディング。
不意打ちな上に4人相手なのでさすがに防ぎきれなかった。


鬼道「吹雪っ!」


ボールは吹雪へ。
だが吹雪は俯いたまま反応しない。


豪炎寺「吹雪!」

吹雪「! っあ…」


吹雪はやっと気付きボールをトラップしようとするもミス。
ボールはエリア外へ。


[ああっ、吹雪! 何と痛恨のトラップミスだァ!!]


吹雪「………」


豪炎寺がボールに歩み寄る。
そして俯いている吹雪にシュートを撃ち込んだ。


吹雪「うわっ…!」


吹雪は数メートル吹っ飛んだ。


円堂「!」
鬼道「!」
一之瀬「!」
木暮「!」

リカ・目・マネージャー/瞳「!/…」

零「……」


みんなは驚く。
——瞳子と零は冷静だったが。

吹雪は呻き声をあげ苦しむ。
そこに豪炎寺が歩み寄った。


吹雪「……豪炎寺くん…?」

豪炎寺「本気のプレイで失敗するならいい。…だが、やる気がないプレイだけは絶対に許さない!」


吹雪を見下げて言う豪炎寺。


豪炎寺「…お前には聞こえないのか、あの声が…」

吹雪「………声…?」


.


(抜かし)



吹雪「(“完璧になる”っていうのは、僕がアツヤになることじゃない…。仲間と一緒に戦うこと、1つになることなんだ…!)」

『そうだ、兄貴はもう1人じゃない。』


頭の中でアツヤの声が聞こえる。

吹雪はマフラーを外し、投げ捨てる。


——パシッ


いつの間にかベンチから立っていた零が、マフラーを左手で受け止める。
吹雪を見上げ、微笑んだ。


吹雪は着地し、吹雪の中で士郎とアツヤが1つになった。


吹雪「……」

円堂「…吹雪…?」


吹雪はドリブルであがり出す。
それに伴い豪炎寺も走る。

それを止めに来たハウザーとゾ−ハン。
だが2人は目で合図し、吹雪は一旦豪炎寺にボールを預け、ディフェンスを抜いて再びボールを受け取った。


『お前は1人じゃない! 仲間が居る。』


ボールから豪炎寺の声が聞こえてきた。


『お前を支え、共に戦う仲間が!』


吹雪「…!」


吹雪は嬉しそうに顔をあげ前に進んだ。


ウルビダ「速い…今までの動きとは違う!」

壁山「吹雪さん!」


夏未「吹雪くん…!」

春奈「…!」

秋「((コクッ」


ネロ「…?」


ネロも今までの吹雪との違いに気付く。


吹雪「これが、“完璧になること”の答えだ!」


吹雪は見たことがないシュートの体勢に入る。


吹雪「ウルフレジェンド!! ぅおおおおっ!!」

ネロ「プロキオンネット!! っ……何! ぅわあああっ!!」


プロキオンネットは破れ、吹雪のシュートはゴールした。


ピピーーーッ!


[ゴーーーッル!! 吹雪の新必殺技が炸裂ー!! 同点だーァ!!]


円堂「やったァ!!」


吹雪はゴールを見つめて、豪炎寺に向いた。


吹雪「ありがとう、豪炎寺くん。」

豪炎寺「…」


豪炎寺は黙って頷く。
吹雪は今度はベンチの、零を見た。零は吹雪に応えるようにマフラー片手に微笑んでいた。


吹雪「……ありがとう、零。」

円堂「凄いぜ吹雪!」


雷門イレブンが吹雪に駆け寄ってくる。
ベンチでも、秋と春奈は手を合わせ、夏未と瞳子も満足気に微笑んでいる。


瞳子「(見いだしたのね、未来への一歩を。)」



(抜かし)


.


自動ドアが開き、3人の男刑事達——鬼瓦とその部下——が室内へと入る。
鬼瓦達は何かを見上げる。


鬼瓦「…間違いない。これが、エイリア石から奴等にエナジーを送っているシステムだ…!」


3人が見上げたもの。それは巨大な紫色の石——エイリア石と、規模の大きな機械だった。


.


時は遡り数十分ほど前。
鬼瓦達は研究施設へと忍び込み、総理から指示を受けていた。


鬼瓦「システムを破壊…!?」


『この試合は、首脳陣の皆に中継されている。それを逆手に取るんだ。』


鬼瓦「エナジーを受けられなくなったジェネシスが、力を失う様を、首脳陣達に流すんですね…」


鬼瓦は納得したように総理の意見を解説する。


財前「そうだ。こんなことは許されることではない。悪の企みは根本から潰さねばならないんだ。」


.


部下2(内海)「準備、完了しました!」


内海と部下1こと大原が鬼瓦に駆け寄り、内海が完了を告げると、途端に機械が爆発した。


.


円堂「っ…何だ!?」


爆音は円堂達のいるフィールドにまで木霊し、スタジアム全体が揺れる。
春奈は秋に抱きついて、瞳子は立ち上がり、零と夏未は驚いたような表情をしていた。
目金に関してはベンチの下に潜り込んでいる。


.


吉良「……」


吉良は相変わらず笑みを浮かべたまま。


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続き ( No.127 )
日時: 2013/02/27 18:14
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)



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内海「破壊成功です!」

鬼瓦「これでジェネシスはお終いだ。」


鬼瓦は自信に満ちた声で言う。


吉良『ご苦労様、鬼瓦警部。』


「「「!」」」


吉良の声に反応する3人。
次の瞬間吉良が映ったモニターが2つ現れた。


吉良『しかしあなた達の苦労も残念ながら無駄だったようです。』


鬼瓦「何!?」


pllll!


「「「!」」」


内海の携帯が鳴った。


内海「! 先輩、零ちゃんからです。」


内海は鬼瓦に携帯を渡す。
鬼瓦はすっと受け取り、携帯を耳に当てる。


『もしもし? あんたらだろ、この爆発。』


零は少し怒ったような声。


鬼瓦「ああ。そっちはどうだ。」


零「どうもこうもねぇっすよ、何勝手なことしてんすか。」


零は笑みながらも右耳に指を入れ鬼瓦の声が聞こえるようにしている。


『何って…総理大臣のめいだぞ。』


零「じゃああんたは先生が死ねって言ったら死ぬんすか。」


『もう分かった、早く言え!』


鬼瓦は答えを急かす。


鬼瓦「…」


『いいっすか? んなこと、もう今更関係ないんすよ。僕らはトップまで来た。』


鬼瓦「っ、何のことだ。」


吉良『あなた達の言う通り、確かにエイリア石から出るエナジーは、人間を強化する効果があり、エナジーの供給が終わると元に戻ってしまう。では、そのエイリア石で強くなったジェミニや、イプシロンを相手に、人間自身の能力を鍛えたら…』


吉良は鬼瓦達に回答の余地を与える。


.


零「ジェネシス……エイリア学園のあの三バカは、」
雷門イレブン・ベンチ「……」


.


『ジェミニやイプシロン相手に鍛えられた——』
鬼・内・大「……」


雷門イレブンも鬼瓦達も零の声に耳を傾ける。


.


『弱点などない。最高最強の人間達なのです。』


締めは吉良が言った。


.


財前「では、ジェネシスは、訓練で強くなった普通の人間だと言うのか!」


総理は立ち上がって驚く。


.


円堂「っ!」

「「「!」」」


吉良『ジェネシスこそ、新たなる人の形…ジェネシス計画そのものなのです。』
マネージャー・瞳「……」

ジェネシス「……」


.


『何故それを先に言わなかったんだ!!』


零「…言う前にあんたらが行っちまったんでしょ?」


零は苦笑して応えた。


円堂「……っ、お前の勝手で!!」


円堂は怒りに震えながらも吉良を指差す。


円堂「みんなの大好きなサッカーを悪い使うな!」

グラン「キミ達に、崇高な考えの父さんを理解出来るわけない…!」

円堂「っヒロト!」


グランは円堂を無視してドリブルであがっていく。


円堂「!」

グラン「流星ブレード!!」

塔・綱・木「パーフェクト・タワー!!」


ボールは弾かれた。


グラン「チッ…」

円堂「吹雪!」


弾かれたボールは円堂がヘッドでトラップし吹雪へ。


吹雪「ぅるあああっ!! ウルフレジェンド!!」

ネロ「時空の壁!!」


ネロは新しい必殺技で吹雪のシュートを止めた。


[何とォ!! 吹雪のウルフレジェンドが破られたァ!!]


ボールは跳ね返ってグランへ。


グラン「(これが…ジェネシスの力だ!)」


グラン・ウルビダ・ウィーズがシュート体勢に入る。


グラン・ウルビダ・ウィーズ「スーパーノヴァ!!」


シュートが放たれる。


立向居「ムゲン・ザ・ハンド!! ぅわああっ!!」


進化したムゲン・ザ・ハンドも簡単に破られた。


ピピーーーッ!


表示される数字が『1−2』に変わった。


秋「そんな! 進化したムゲン・ザ・ハンドを、破ってしまうなんて…!」


グラン「我等…ジェネシスこそが、最強ということさ!」

円堂「……ヒロト…」


.


(ED)


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次回予告 ( No.128 )
日時: 2012/12/17 22:29
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)




大決戦は史上最大のシーソーゲームになっていく。

そして、かつて無い究極奥義が。

見ろ、ジェネシス…これが俺達のサッカーだ!



次回イナズマイレブン、

「最終決戦!ザ・ジェネシス・後編!!」

これが超次元サッカーだ!!



キャプテン、今日の格言!

「本当の力は努力して身につけるものだ!」

以上!!