二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第63話「終わりなき脅威!」 ( No.132 )
日時: 2013/03/07 17:09
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)


ピッピッピーーーッ!!


[ここで試合終了ーーっ!! 4−3で、雷門の勝利!! 遂に…遂にエイリア学園を倒しました!!]


円堂「やったぁぁああ!!」
「「「やったぁぁああ!!」」」


ウルビダは涙を流す。


ウルビダ「勝ちたかった……お父様の…お父様の為に…!」


吉良「…ヒロト。」

瞳・零「!」


吉良が此方まで降りてきて、グランに歩み寄る。


吉良「お前達を苦しめてすまなかった…」

円堂「……」

グラン「父さん…」

吉良「瞳子、零。私はあのエイリア石に取り憑かれていた。…お前達の…いや、お前達のチームのお陰でようやく分かった…」


吉良は申し訳が無さそうに言う。


瞳子「…父さん…!」

零「…」


零は腕を組み、目を伏せて微笑む。


吉良「そう、ジェネシス計画そのものが間違っていたのだ…」

ウルビダ「!!」


吉良の言葉にウルビダは大きく反応した。


ウルビダ「ふざけるな…!」


ウルビダは強く地面を踏むようにして立ち上がる。
そしてボールを蹴る体勢に。


ウルビダ「これほど愛し、尽くしてきた私達を…よりによってあなたが否定するなぁああ!!」


ウルビダは力一杯、吉良に向けてシュートを撃った。
吉良は受け入れるように真っ直ぐと立っている。


「「「!!」」」


ここではない場所でモニターを見ていた総理や理事長も驚く。


瞳子「お父さん!!」


——ドガァッ!!


「「「!!;」」」


グランが、吉良の前で腹でボールを受け止めていた。
雷門イレブンもジェネシスも驚きを隠せない。


ウルビダ「グラン…お前…」

グラン「……っ、…;」


グランは倒れた。


.


(OP)


.


「「「………」」」


みんなはグランの行動に騒然とする。


円堂「ヒロト!」


円堂が駆け寄る。


ウルビダ「……」
円堂「ヒロト、ヒロト! 大丈夫か…?」


ウルビダも、加害者とはいえ驚いていた。


円堂「ヒロト!」

グラン「円堂くん…っ、;」


円堂はヒロトの体を支え、零は肩に手を遣る。


ウルビダ「何故だグラン…」

円・グラン「…!」

ウルビダ「何故止めたんだァ!! そいつは私達の存在を否定したんだぞ!?」


吉良を指差すウルビダ。


ウルビダ「そいつを信じて、戦ってきた私達の存在を…! 私達は全てを懸けて戦ってきた……ただ、強くなる為に…! …それを今更〝間違っていた〟!? そんなことが許されるのか、グラン!!」


ウルビダは怒りを露わにしてグランに問い掛ける。


吉良「……(グラン「確かに、」!」

グラン「確かに、ウルビダの言う通りかもしれない…お前の気持ちも分かる…」


グランはよろけながらも立ち上がる。


グラン「でも、それでもこの人は…俺の大事な父さんなんだ!!」

吉良「!」

ウルビダ「!」

瞳・零「…」

グラン「勿論、本当の父さんじゃないことは分かってる。」


吉良に振り向くグラン。


グラン「〝ヒロト〟って名前が、ずっと前に死んだ、父さんの本当の息子だってことも…」
円堂「…」

鬼道「〝本当の息子〟…?」

瞳子「ええ…」


瞳子は悲しそうに肯定する。


グラン「っ!;」

円堂「ヒロト…」

グラン「っそれでも、構わなかった…」


ふらつくグランを支える円堂。


グラン「父さんが…俺に〝本当のヒロトの姿〟を、重ね合わせるだけでも…;」


.


『お日さま園』という施設。
施設の庭からは笑い声が聞こえる。

幼い姿のグラン——基、基山ヒロトは、ブランコに1人座っていた。


基山「……! 父さん!」


ヒロトは、プレゼントをたくさん抱えた吉良の姿を見ると、表情を明るく変えた。
他の子供達も吉良に駆け寄る。


.


グラン「父さんが施設に来る日が、楽しみでしょうがなかった…。父さんの喜ぶ顔を見ているだけで…嬉しかった…」


.


玲名「ねぇ父さん! 私学校でさァ、先生に褒められたんだよ!」


幼いウルビダ——八神玲名は、吉良に嬉しそうに話す。吉良も相槌を打ちながら、嬉しそうに聞いている。
不意に、吉良はヒロトを見た。ヒロトは照れたように笑っていた。


.


グラン「たとえ存在を否定されようと…父さんがもう、俺達のことを必要としなくなったとしても……」

ウルビダ「…」
グラン「それでも、父さんは…」

ジェネシス「……」
グラン「俺にはたった1人の父さんなんだ…!」

瞳子「……」

吉良「ヒロト…お前はそこまで私を…」


吉良は決心したように背筋を伸ばした。