二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.135 )
日時: 2013/02/27 19:26
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)



(抜かし)


.


やがてパトカーと護送車がやって来た。


警官「鬼瓦刑事、ジェミニストーム、及び、イプシロンの子供達、無事保護しました!」


警官が敬礼し、鬼瓦に報告する。


円堂「……」

鬼瓦「ご苦労。」

零「プロミネンスとダイヤモンドダストは、こっちで何とかしますんで。」

警官「了解。」


鬼瓦の隣にいた零が、警官に告げた。


グラン「……」

鬼瓦「…さぁ、行こうか。」


鬼瓦は吉良星二郎とジェネシスに伝える。
吉良は黙って頷いた。


瞳子「お父さん。」

吉良「…ありがとう、瞳子。お前のお陰で目が覚めたよ…」

円堂「……(グラン「父さん!」!」


グランが吉良を呼ぶ。


グラン「俺…待ってるから! 父さんが帰って来るまで、ずっと待ってるから…!」


グランは涙を流しながら吉良に呼びかけた。
吉良も薄っすらと涙を浮かべ、ヒロトの名を零した。

吉良はパトカーに乗り、護送されていった。


ジェネシス「……」

鬼瓦「さぁ、キミ達も行こう。」


鬼瓦がそう言うと、グラン以外のジェネシスは護送車へ歩いていく。


グラン「……」


瞳子「……響木監督。円堂くん達のこと、お願いしても宜しいでしょうか…
…ヒロト達の傍にいたいんです。」

響木「ああ。」


了承を得ると、瞳子は響木に頭を下げ、円堂達を見た。


円堂「!」


雷門イレブンに歩み寄る瞳子。


瞳子「……ありがとう、みんな…ここまで来れたのも、みんながいてくれたからこそ。…感謝してるわ。本当に、ありがとう…」

「「「…」」」


瞳子は雷門イレブンに頭を下げる。


円堂「監督…」

一之瀬「監督…」

壁山「監督ぅ…」

土門「監督っ…」


雷門イレブンは監督、と瞳子を呼ぶ。
瞳子は顔を上げ、みんなの顔を見た。


「「「……」」」

円堂「……((ニコッ」

瞳子「……クス」


円堂が笑いかけ、応えるように笑みを返す瞳子。
表情を引き締め、髪を靡かせてグランに歩み寄った。


瞳子「…さぁ、行きましょう。」

グラン「…… !」


グランには、瞳子の手が差し出されていた。


グラン「……うん。」


グランは瞳子と手を繋ぎ、護送車へ向かった。
悟曽者の前で、後ろに振り返るグラン。


グラン「…円堂くん。」

円堂「……」

グラン「……また、会えるよね…」

円堂「…ああ、もちろんさ! サッカーさえ続けていれば、絶対会える…!」

グラン「………うん…!」


円堂は強く、優しく微笑む。
グランは安心したように笑った。

瞳子は護送車の傍らにいる零を見た。


瞳子「…あなたは、どうするの?」

零「僕はまだキャラバンですよ。」


済ました顔で言う零。
だが次の一言は少し重たく、目を細めて言った。


零「…まだ依頼は、終わってませんから…」


.


(抜かし)


.


帰路の途中、キャラバンは怪しい音を立てて止まった。
エンジンからは煙があがっている。


古株「無理させ過ぎたかァ…」


古株と響木はキャラバンを降り、修理に掛かった。

雷門イレブンは外の様子を眺める。


土門「結構時間掛かりそうだな…」

木暮「…俺、」


木暮が話し出した。


木暮「やっぱりこのチームに入って良かった。」

土門「? 何だよいきなり…」

木暮「だってほら俺…母ちゃんのこと、あったろ?」

春奈「!」


反応する春奈。


木暮「俺、人のことが信じられなくなったって…」

春奈「……」
木暮「けどさ、」

零「……」
木暮「みんなと一緒に戦って、分かったんだ。…人は、信じなきゃ駄目だって!」


木暮は席を降りる。


木暮「俺、このチームが大好きだ! 本当に入って良かったと思ってる!」

綱海「だな!」

立・リカ「……」

塔・吹「……」

春奈「…木暮くん…」


春奈は嬉しそうに目を細め、木暮に歩み寄る。
自分よりも頭1つ分小さい木暮を見下ろし、手を差し出した。


木暮「! ……」


木暮は春奈と握手した。
——が、


木暮「…? 、……ひぇっ!;」

春奈「引っ掛かった引っ掛かったァ!」


2人の手からするりとカエルが飛び出し、木暮の頭に乗った。


春奈「私も1回やってみたかったんだァ。ウッシッシー♪」


春奈は木暮の真似をして笑う。——やっぱり、信じた俺が馬鹿だったぁ…。涙声で言う木暮。
雷門イレブンは2人を微笑ましげに見ていた。


.


外からもイレブンの楽しげな笑い声は聞こえていた。


.


ずっと車内にいては疲れるため、円堂達は一旦外に出た。
塔子は伸びをする。


塔子「…で、みんなはこれからどうするんだ?」

円堂「これから?」


円堂は意味が分からずキョトンする。


塔子「だから、雷門中に帰った後だよ。エイリア学園は倒したわけだしさ。」

円堂「!」

夏未「確かにそうね…(リカ「ウチは決まってんねんで!」


みんなリカの方を見る。
リカは一之瀬にくっついて、恍惚の表情で語る。


リカ「ダーリンとお好み焼き焼きながら幸せな家庭作るんや…」

一之瀬「だから、その話は…;」

リカ「そんな照れんでもええやぁん!」


やんわりと否定しようとする一之瀬の話を聞かないリカに、マネージャー達は呆れた。