二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.136 )
日時: 2013/02/27 19:42
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)



円堂「立向居はどうするんだ?」

立向居「俺ですか? 俺は、陽花戸中に帰ろうと思っています。」

円堂「陽花戸中へ?」

立向居「はい。…それで、もっと特訓して、いつか強くなった姿を、円堂さんに見て貰うんです!
…その時は負けませんよ!?」


いつになく強気に言う立向居。


立向居「円堂さんのメガトンヘッド、必ず止めてみせます!」

円堂「ああ! 楽しみにしてるぜ!」

綱海「…そんじゃ俺も帰るかな。」


立向居の肩を叩いて、綱海は話し始めた。


綱海「そろそろ海が恋しくなってきた頃だしよ。」

吹雪「僕も、白恋中のみんなが待ってるだろうし…」

円堂「ぁ…吹雪もか…」

壁山「みんな、帰っちゃうんすね…」


円堂と壁山は寂しそうに言う。
吹雪は少し離れて隣にいる零に視線を向けた。


吹雪「零は、どうするの?」

零「んー…またぶらぶらしとこうかな。」

吹雪「もう…」


軽い感じに言う零に、吹雪は相変わらず、という風に呆れた。


秋「塔子さんはどうするの?」

塔子「アタシ? うーん…」


頭の上に手を組んで少し考える。


塔子「リカん家の隣で、円堂とたこ焼き屋さんやろうかなー…」
壁山「!」

秋・夏「え!?」

塔子「くすっ、ジョーダンだよジョーダン。ははははははっ!」

秋・夏「…//」


ケラケラと笑う塔子に、2人は顔を真っ赤にして俯いた。

そのとき、雰囲気とはなかなか合わない、低い爆発音が。


「「「?」」」


集まる視線の先には、顔が汚れた古株と響木。


古株「駄目だ…こりゃ、もう少し時間が掛かりそうだ…」


.


というわけで、サッカーをすることに。
最初は見ていたマネージャー達も、いつの間にか参加していた。


「こっちだー!」「きゃあっ!」「あはははっ!」


零「………」


1人取り残された零は、ドリンクの傍で胡坐を掻いてみんなを見ている。


「零ーっ!」

零「…」


円堂がドリンクを飲みに、零のところへ駆け寄る。


円堂「零はやらないのか?」

零「…別に、やる必要もないでしょうに。何でわざわざ疲れなきゃなんないんだか。」

円堂「ははっ。」


円堂はドリンクを手に取り、零の言葉に苦笑しながらドリンクを飲んだ。


円堂「…ぷはっ!」

零「……」

円堂「……なぁ。」

零「…!」


円堂をさして気にすることなくみんなを眺めていた零に、円堂は話し掛ける。
零は横目で円堂を見た。


円堂「ごたごたしてて言えなかったけどさ…、…色々と、ありがとな。
…ジェネシス戦のとき、零が言ってくれなかったら、きっと俺、駄目だったよ。」


円堂はジェネシス戦でのことを思い出しながら言う。
零は特に表情も変えず、笑みを崩さないで円堂の顔を見ながら聞いていた。


円堂「今回だけじゃない…。言葉は冷たいし、厳しいし、何考えてるのか全然分からない。でも本当は、誰も見てないところで、誰よりも努力してるんじゃないかって、俺思うんだ。」

零「……」
円堂「強くなるには、誰1人欠けちゃいけない……ここには来られなかったみんなだって、いなかったら俺達はここにはいないはずだ。…だから、零だってここにいる。零の努力も、誰も見てなくたって、欠けていちゃ駄目なんだ。
ほんとにありがとう。ここまで俺達を強くしてくれて。」


ふわりと零に笑う円堂。
零はキョトンとして、またいつもの笑みに戻った。


零「…よくもまぁ、んな恥ずかしい台詞を長々と言えますね。んなこと僕にじゃなく、マネージャーにでも言ってやって下さいよ。」


涼しい声で言う零。呆れたように笑っている。


円堂「じゃ、俺行ってくる!」

零「……」


円堂はそう言ってみんなのところへ戻った。
零は円堂を見届け、笑みを崩して一息つく。


零「……クス」


肘を突き、微笑ましげにサッカーをするみんなを見た。


.


雷門中——


雷門中に戻ってきた円堂達。
だが学校はいつもの明るさはなく、霧掛かって薄暗かった。


壁山「あれー、変っすねー。…誰も、いないんすかねぇ…」


壁山の言う通り、生徒どころか、人1人さえいない。


「「「……;」」」


異様な空気に呑まれ、一同は不安そうに校舎を見つめている。
円堂は意を決し、前に進んだ。

すると、霧の中から人影が現れる。
人影は決して遅くはないスピードで、此方へ歩み寄ってくる。


鬼道「あいつは…!」

零「研崎…!」


零は鬼道の言葉を紡ぐように長身痩躯の男——研崎の名を呼んだ。

やがて研崎は一同にだいぶ近付き、姿もはっきりと見えてくる。


研崎「おやおや、お嬢様はついてきていたのですか。…お待ちしていましたよ、雷門の皆さん。」


零の存在を確かめて、雷門イレブンに話を向ける研崎。


研崎「皆さんにはまだ…最後の戦いが残っていますからね。」

円堂「最後の…戦い?」

零「やっぱり、あんた…」


零が笑みを崩し研崎を睨むと、いつの間にか研崎の背後にいた、黒いパーカーを着た11人の少年達。
円堂も彼等に気付く。


「「「…?」」」


少年達の中の中心辺りにいた少年が歩み寄ってきた。


円堂「………」

???「……」


少年はフードを取る。


円堂「、! 風丸!?」


フードの下は、髪を解き、目つきが鋭くなっている風丸だった。


零「!」

鬼道「あれは…」

吹雪「… !」


吹雪は少年達の中に、心当たりのある人物を発見した。
彼もフードを取る。


秋「染岡くん!;」

吹雪「嘘…!;」


2人を初めとし、他のメンバーも驚愕の色を浮かべる。


土門「っ、影野、半田!」

壁山「栗松、少林!」


他の少年達もフードを取り、各々の姿を露にしていた。


風丸「…久しぶりだな、円堂。」

円堂「ど、どういうことなんだ…?;」


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(ED)


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