二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.139 )
日時: 2013/02/27 19:51
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)



風丸「このエイリア石に触れた時、力が漲るのを感じた…。求めていた〝力〟が…」

円堂「求めていた、力…?;」

風丸「…俺は強くなりたかった。強くなりたくても、自分の力では超えられない限界を感じていた…」


過去に、エイリア学園と戦った時の自分を思い出す風丸。


風丸「…でもエイリア石なら、信じられないほどの力を与えてくれたんだ…!!」

「「「…;」」」


風丸はパーカーを投げ捨てる。


風丸「俺のスピードとパワーは桁違いにアップした…! この力を、思う存分に使ってみたいのさ!」

円堂「ちょっと待てよ…エイリア石の力で強くなっても、意味が無いだろ!」

栗松「それは違うでやんす。」


栗松が円堂を遮る。


円堂「栗松…」

栗松「強さにこそ意味があるでやんすよ。」

染岡「俺はこの力が気に入ったぜ…。もう豪炎寺にも吹雪にも負けやしねぇ!」

吹雪「っ染岡くん!」

円堂「…お前等…」

穴戸「俺達は誰にも負けない強さを得たんです。」

松野「エイリア石の力がこんなに素晴らしいなんて思わなかったよ…!」

半田「いつまでも走り続けられる…どんなボールだって捌くことが出来る…!」

少林寺「全身に溢れるこの力を見せてあげますよ!」

影野「俺はもう〝影〟じゃない…遂に存在感を示す時がきたのさ…! ふ、フフフフフ…!」

円堂「どうしちゃったんだよ、みんな…;」


円堂はメンバーの変わり様にただただ驚いていた。


研崎「円堂くん。あなたにももうじき分かりますよ。誰もが取り憑かれる魅力……それがエイリア石…!」

円堂「っ!」


研崎は円堂よりも後ろ、雷門イレブンよりは一歩前に出ている零に目を遣る。


研崎「どうです? お嬢様。我がチームにいらしては。」

「「「!」」」

零「……」


零は特に驚く様子もなく、笑みを浮かべて研崎を見る。


研崎「お嬢様の鋭い感覚とセンスは実に素晴らしい。そんな三流チームには勿体無い…。…聞けば、金さえ払えば〝何でも〟するそうじゃありませんか。ただ私の申すことを聞くのが嫌というのであれえば、依頼でもいい、ダークエンペラーズの監督を務めてはくれませんか?」

「「「!!」」」


周りは更に驚愕するが、それでも零の表情は変わらない。
すると、風丸が口を開いた。


風丸「…それでも納得いかないんなら、〝賭け〟をしないか?」

零「…」


零は研崎から風丸に目を移す。
その表情は笑ってはいるものの、明らかにさっきよりも不機嫌だった。


風丸「俺達ダークエンペラーズと、お前が指揮を取る雷門イレブン。サッカーで俺達が勝ったら、俺達の監督になれ。…だが万が一俺達が負けた場合は、好きにすればいい。」

零「…なるほど。お給料はちゃんと貰えるんですね。」


零は軽く微笑み、風丸に歩み寄る(形的には、円堂の隣に)。
風丸と向かい合う。風丸は何も言わず、手を差し出して握手を求めた。
右手をあげる零。


——パァァンッ!!


「「「!!」」」


乾いた音がその場に響いた。
頬を腫らしている風丸と右手を胸元までの高さにしている零。
零は風丸に平手打ち——俗に言う、ビンタを繰り出した。


「「「………」」」

風丸「………っ!」


俯き、突然のことに目を見開いて驚いている風丸。
だが我を取り戻したように顔を上げて零を睨む。


風丸「零、何を…(零「あ、すいません。」

零「…手が滑っちゃいました。」


零は勝ち誇った、蔑むような目で笑う。
研崎は悔しそうに唇を噛む。


零「見損ないましたよ、風丸さん。いくらメンタル弱くてクソ真面目ですっげー気に食わなくても…」
風丸「……」

零「…芯は通った奴だと思ってたのに。」

風丸「っ…」


灰色の鋭い目で見られ、風丸は怯んだように肩を竦める。
零は目を閉じ、呆れたように笑んだ。


零「…悪いんすけど、お客さんに手を上げちゃったんで…この話はなかったことに出来ます?」

風丸「……そうか。…〝試合を断る〟んだな。」


研崎はさっきとは打って変わってくつりとにやける。


研崎「…試合を断ればどうなるか、お教え致しましょう。」


パーカーを脱いでいる染岡。
染岡の足元には、あの黒いサッカーボール。


研崎「まず手始めに、雷門中を破壊します。」

「「「!!;」」」