二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第31話「伝説のストライカーを探せ!」 ( No.18 )
日時: 2013/03/13 18:26
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

もう日は暮れ、辺りはすっかり暗くなっている。


染岡「監督!何で豪炎寺を追い出すんですか!」

瞳子「…“必要無い”。ただそれだけよ。」

染岡「……っ、あのなぁ!!」

鬼道「もう止めろ。」


鬼道は染岡の肩を掴んだ。


鬼道「そんな事をしても、豪炎寺は戻って来ない。」

染岡「っ……(一之瀬「染岡。」!」


2人は一之瀬を見る。


一之瀬「……」

染岡「っ! ………クソッ!」


一之瀬は静かに頷く。
染岡は腹いせに地面を蹴った。


目金「…! 円堂君。」

「「「!」」」


円堂が帰って来た。


一之瀬「円堂、豪炎寺は?」

円堂「……行っちまった。」


ぽつりと言う円堂に、染岡が食って掛かる。


染岡「何で止めなかったんだよ!」

円堂「……彼奴は、絶対、戻って来るよ。」

「「「………」」」


沈黙。
土門が唇を割った。


土門「何だよ、豪炎寺の奴…1人でゲームセットか。(円堂「違う。」

円堂「別れはゲームセットじゃない。出会いのための、キックオフだ!」


円堂は顔を上げて言った。


瞳子「…((pllpllpll ! ((ピッ」


響木からのメールだった。


瞳子「…“北海道、白恋中のエースストライカー・吹雪士郎をチームに引き入れ、戦力アップを計れ。”」

円堂「!」


.


(OP)


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キャラバンの外では、瞳子と古株が北海道へのルートについて話し合っている。


円堂「…で、その吹雪士郎って誰だ?」

一之瀬「何で響木さんは、其奴をチームに入れろって言うんだ…」


カタカタ———


春奈はパソコンで吹雪士郎の事を調べている。


春奈「! 分かりました!!」


パソコンを持った春奈を中心に、皆集まってくる。


染岡「“熊殺しの吹雪”?」

鬼道「“1試合10点。たった1人で叩き出した”…」

一之瀬「“熊よりデカい”?」

風丸「“ブリザードの吹雪という異名を持つ”…?」

栗松「噂ばっかりでヤンス…」


円堂の頭を夏未が退けた。


夏未「これで吹雪士郎の事が分かったって言えるの?」

春奈「でも、これが限界なんです…画像も公式記録も無くて…(鬼道「何故…」!」

鬼道「フットボールフロンティアには参加しなかったんだろうか…」


鬼道は顎に手を置いて考える。


春奈「さぁ…」

円堂「…よーっし、この目で確かめてやろうぜ!その吹雪って奴の実力を!」


ガラッ———


キャラバンのドアが勢いよく開いた。


一部「!!」

秋「零君!」


ドアの前に立っていたのは零。
零はゆっくりと中に入る。


春奈「何処に行ってたの?」

零「何処でもいいだろ。」


春奈達の脇を通り過ぎ、自分の席に就く零。


風丸「居なかったから驚いたんだぞ?」

零「監督に許可は取ったんだ。僕がどうしようが勝手でしょ。」


零は嘲笑いながら、足を組み、携帯を開いている。


一之瀬「俺達は聞いてなかったけど…;」

零「他人事でしょ? 放っといて下さい。…地球にはこんな言葉がある。“触らぬ神に祟り無し”。何ちゃって。」


愉快そうにケラケラと笑う零。皆はムッとした表情になる。
だが零は無視して春奈に目をやった。


零「音無。吹雪士郎のデータは諦めな。」

春奈「ぇ…」

零「“絶対に”…、出てこないからさ。“闇夜の綿”って言ってねー。」


他人事のように適当に言う零に、皆は無言になる。
円堂が沈黙を破った。


円堂「…零って、よく分かんないな。」

染岡「ケッ、何が他人事だよ。折角皆が心配してやってんのに、ふざけやがって…」

風丸「………」


風丸は困ったような顔をしていた。


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キャラバンの殆どの者達は寝ている。
起きているのはマネージャー・零・染岡と土門、塔子だ。

秋と春奈はマネジメント、夏未は特に何も。零はパソコンを弄っている。
パソコンの画面には、エイリア学園に破壊された学校の画像が映っている。その画像の中の瓦礫の陰になってる場所にカーソルを移動させ、拡大して見ていた。

土門は周りに迷惑がかからないようにコソッと染岡に話しかけた。


土門「なぁ、伝説のエースストライカー吹雪って、どんな奴だと思う?」

染岡「ウチのエースストライカーは豪炎寺に決まってるだろ!」

土門「あ、あぁ;」


染岡は豪炎寺の席を見つめ、そして瞳子の方を睨んだ。


土門「………」


plllllplll((ピッ


塔子の携帯が鳴った。


塔子「…ああ、スミス?…え。パパが見つかった!?」

「「「!?」」」


その声で雷門イレブンは全員起きた。


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『謎の宇宙人達に攫われていた、財前総理が、解放され、無事に保護されました。しかしこの数日間、何処に居たのか等の詳細は、明らかになっていません。』


春奈のパソコンの画面を見ている雷門イレブン。
零だけは自分のパソコンで見ていた。


秋「よかったじゃない。」

春奈「お父さんに会えますね!」

塔子「…東京には戻らないよ。」

マネージャー「え?」

塔子「あんな奴等は絶対許せない!」


ジェミニストームとの試合を思い出す。


塔子「…だから、皆と一緒にサッカーで戦う!円堂、一緒に戦おう!」

円堂「…よし、地上最強チームになろうぜ!」


塔子と円堂は拳をぶつけ合った。
マネージャー達は呆れる。


零「…ふぅ。」


零は肘を窓枠に突き、2人を見上げていた。


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今度は零以外の者は全員寝ている。
零は1人、暗い中パソコンを点け、何かを調べているらしい。1人でいるにも拘らず、笑顔だった。
そしてそのまま朝になった。


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