二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.19 )
日時: 2013/03/27 18:01
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

秋「起きて。」

塔子「…?」


秋は塔子を起こした。
塔子はむっくりと起き上がり、窓の外を見た。


塔子「…!」

秋「お父さんに会わせてやってくれって…円堂君が。」


秋はチラっと円堂を見る。釣られて塔子も。

秋「クスッ…」

塔子「……分かったよ、円堂。」

「起きてたのか。」


不意に後ろから聞こえた声に、2人は肩をびくつかせる。


塔子「…何だ零かぁ…」

零「そんなに驚くか。」

秋「零君も起きてたんだ。」

零「…まぁ。」

塔子「そうだ、零も来なよ。パパも久しぶりに会いたいだろうからさ。」

零「ああ。そうする。」


零・塔子は、総理の待つ国会議事堂へ入っていった。


.


——ガチャッ


ドアが開く。


財前「! …塔子?」

塔子「パパ!!」


塔子と総理は抱き合った。
そして零に気付いた総理に、零は軽く会釈する。


塔子「…パパ、何があったの?」

財前「っ……何も、覚えていないんだ。」


辛そうな表情をする総理。


零「嘘は止めて下さい。どうせ、いつかは話す事なんですから。」

財前「!!」

塔子「…どういう事?」

財前「……やはり、君に嘘は吐けそうにない。」

零「独特の癖があるんですよね、総理は。」


少し小馬鹿にしたような笑みで、総理に言う。


財前「ふぅ…。…分かった、話すよ。」


デスクに手を置き、俯きがちに話し始める。


財前「危険、過ぎるんだ…あれは…;」


デスクに手を付き、自分が見た物を思い出す。


財前「日本を、いや世界をも揺るがす最悪が始まろうとしている…」

塔子「だったら、尚更イナズマキャラバンに参加する!こんな時に守られてるだけなんて嫌だ!」

財前「塔子、お前はまだ(塔子「子供だから何も出来ない事なんて事は無い!!」…」

塔子「円堂達はやろうとしているよ…!エイリア学園を、倒そうとしている…」

財前「! エイリア学園を…」

塔子「零も居るし、大丈夫だから…」

財前「…………」


黙り込む総理に零は言った。


零「僕からもお願いします。…塔子の真っ直ぐな性格は、貴方が一番分かっているでしょう?」


.

(ちょっと抜かし)



財前「私は私で、出来るだけの事をする。だから君達も、力を貸して欲しい。」

円堂「分かりました。あんな連中に負けません!」


総理の手を放し、ペコリと頭を下げる円堂。


財前「それと零君。…少し、話があるんだが…」

零「はい。」

財前「…円堂君達は、席を外してくれるか?」

円堂「あ、はい…」

塔子「パパ、行って来るね。」

財前「…」


円堂は不思議そうな顔をして、塔子は軽く手を振って、キャラバンに乗り込んだ。


.




財前「君はどう思う?今回の件について。」

零「どうって…どう思おうと僕は、頼まれた事しかしませんよ。まぁ出来る限りの事はします。お金さえ払ってくれれば。」

財前「はは。相変わらずだな、君は。」


苦笑する総理。


財前「…私が見た物は、一体何なのか…。君は分かるかい?」

零「………」


零は笑みを崩さず、総理を見た。


.


塔子「ありがと円堂、零。」


キャラバンで、円堂と零にお礼を言う塔子。


円堂「よーっし!出発だぁ!!」


円堂の掛け声と共に、キャラバンは走り出した。


.


ブゥゥゥゥン———


総理「…………」

角巣「どうなさいました?」

総理「いや。自分にもあんな真っ直ぐな時代があったな、と。」

角巣「いえ…総理は今でも真っ直ぐでいらっしゃいます。」

総理「…真っ直ぐで居るのは難しいんだよ…」


総理はくすっと笑い、深刻な表情に戻る。


総理「…頼んだぞ、零君……」


.


賑やかなキャラバンに、1人静かに窓枠に肘を突いている零。
そしてそれをじっと見つめる人物が居た。


春奈「…………」


その視線に気がつく零。


零「…何。」

春奈「!! いや、あ〜ぇっと…;」


目を反らし、必死に誤魔化そうとする春奈に、皆の視線が集まる。


円堂「どうかしたのか?音無。」

春奈「…し、調べたんです、零君の事;」

風丸「それでどうして、そんなに零の事見てたんだ?」

春奈「そ、それはですね〜…;」


春奈は少し溜めてから言う。


春奈「全く出て来ないんですよ、零君のデータが…」

一部「!!」


春奈の言葉に驚く雷門イレブン。春奈は続けて言う。


春奈「情報どころか、名前すら…」

土門「つまりそれって…」

鬼道「完全に不明、と言う訳か。」

春奈「うん…」


雷門イレブンは不思議そうな目で零を見る。


零「…別に深く知る必要なんて無いでしょう。指導者と教え子ってだけの付き合いなんですし。」


くすりと微笑む零。


春奈「そ、そうだね…;」


とりあえず、春奈は笑って誤魔化した。


.


キキーーーッ!


キャラバンは山の中で止まった。


夏未「監督、何で止まったんですか?」


瞳子は立ち上がる。


瞳子「狭いバスに乗ってばかりじゃ、体が鈍るわ。トレーニングをしましょう。」


春奈の方を見る瞳子。


春奈「ぁあ、ぇと…皆さんのためのトレーニングメニューもあります…;」


声が上擦っている春奈。


円堂「ぃやったー!!…ん?」


円堂、塔子以外の雷門イレブンはやる気が無い。


円堂「ぁ、おい、皆!」


円堂はキョロキョロと周りを見渡す。


零「寄ってんじゃねぇよ。」

風丸「仕方無いだろ?円堂が立ってるんだから…;」


零と風丸がこそこそと言い合いを始めた。
零は笑顔のままタメ口で、肘突きをしている。


春奈「……」

瞳子「…いいわ。」


瞳子は春奈の持つボードを掴み、捨てた。


瞳子「だったら、自主トレをして貰うわ。この山の自然を相手に…」


しんとなるキャラバン。初めに染岡が口を開いた。


染岡「監督のメニューよりはマシだろうさ。」

壁山「そ、そうッスね;」

円堂「よーっし…」


円堂は拳を握り締める。


円堂「山だ、自然だ、特訓だーーーっ!!」


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(CM)


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