二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.21 )
日時: 2013/03/27 18:11
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)



キィィィと音を立て、坂を下っていくボール。
そして、木を避けながら、それを必死に追いかける風丸。


風丸「…
(速く…もっと、速く……;)」


風丸は加速し、ボールを追い越す。
そしてボールを、自分が走ってきた方向へ蹴った。
木に貼ってある目印に命中。


風丸「ハァ、ハァ、ハァ…;
(俺がもっと速くならなきゃいけないんだ…。俺がカットして、チームの誰かに繋げなきゃ…!)」

零「…コントロールはいいんスね、チーム一の俊足君。」


不意に現れた零。


風丸「れ、零…」

零「昼食が出来るって、伝言。」

風丸「はあ…;」

「う〜う〜や〜ほ〜お〜れ〜〜…」

風/零「!?/…?」

「あ〜ああ〜〜…」


棒に掴まり、宙でクルクルと回っている円堂。
それを呆れてみている風丸と、円堂の行動を享受しているかのように笑っている零。


零「…何あれ。」

風丸「俺に聞かれても…;」

塔子「マジン・ザ・ハンドをもっと素早く出すために…」

円堂「回転に〜体を〜慣らしてるんだ〜〜…」


塔子が現れ、説明する。
スタッと着地する円堂。だが足元が覚束ない。


円堂「あはは、もういっちょ〜…」


円堂は棒を掴もうとしたが、中々掴めない。
塔子が手伝ってやった。


円堂「さんきゅー、塔子…」

塔子「よし、あたしも…」

風丸「おい、何も塔子が付き合う事無いだろ;」

塔子「ザ・タワーにも役に立つ!やるぞ円堂!」

円堂「おう!」


2人はまたターザンのように回っていった。


風丸「…これで、勝てるのか…?;」

零「…当のキャプテンがあれなんだ。アンタがそこまで悩む必要は無いと思いますけど?」

風丸「! ぇ…;」



ポツリと言う零。
風丸は零を見るが、零は相変わらず笑っているだけ。


零「昼食の事、他の奴にも伝えといて下さーい。」


零は来た方へ帰っていった。


風丸「あ、おい!」


.


昼食。
たくさんのおにぎりがテーブルに並べられている。


円堂「おーーーっ!いっただっきま〜す!!(夏未「待って。」

夏未「手は洗ったのかしら?」


全員が手を夏未に出した。


夏未「よ、宜しい;」


皆は改めて頂きますと言い、御握りを食べ始めた。


目金「僕も握ったんですよ?いやぁ芸術的な出来映えで…。特に梅の入った御握りに注目して下さい!1つ1つ潰して…ちょ、ちょっと、聞いて下さいよ〜っ!」


秋、春奈は苦笑。


円堂「あむ、んぐんぐ…」


2つのおにぎりを手に持ち、豪快に食べる円堂。


夏未「! …クス//」


零「…ぁむ。」


零は木に寄りかかり、おにぎりを一口口にした。


土門「…あれ、監督は?」

壁山「そう言えば居ないッスねぇ…」

一之瀬「…あ。」


瞳子が歩いて来た。


瞳子「皆、自主トレで汗かいたでしょ。近くにお風呂があるから、すぐに入って来なさい。」

「「「おー!!」」」


.


塔子「…あれ、零は入んないの?」

零「後で1人で入るよ。」

塔子「ふ〜ん…」


.

(抜かし)

.


零「………」


1人キャラバンに寄りかかり、携帯を弄っている零。
やはり薄く笑んでいる。


瞳子「零さん。」


瞳子が歩み寄る。
零は携帯の画面から目を離し、瞳子を見た。


瞳子「…少し、いいかしら。」


.


森の付近に2人は立っていた。


瞳子「…単刀直入に聞くわ。貴方の目的は何。」


真っ直ぐに零を見る瞳子。


零「…フッ。本当にいきなりですね、監督は。相も変わらずド直球な言葉だ。」

瞳子「御託はいいわ。話を反らさないで頂戴。」


零はふぅ、と溜息を吐き、肩を竦ませた。


零「…目的ね。まぁ、監督の思っているような事じゃありません。どっちかと言うと、“監督側”の者だと思います。…それに」


そこで言葉を溜める。


瞳子「それに、何?」

零「…僕は、利益を得られるんならどんな依頼だって受けますよ。たとえそれが、自分の人生に大きく関わっていようと…ね。」


ニッコリと笑い、ゆっくりと目を開く。


瞳子「…そう。」


零はまた元の場所へ戻っていき、瞳子はその場で佇んだ。


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