二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- 第32話「雪原のプリンス!」 ( No.24 )
- 日時: 2013/02/24 13:46
- 名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)
ブゥゥゥゥン———
瞳子「………」
零「…スー…スー…」
キャラバンの中は静まったまま。零は未だに寝ている。
円堂は自分の拳と拳をぶつけ合った。
円堂「白恋中の吹雪か…一体どんな奴なんだろうな! …!」
染岡の切なそうな背中に気付く。
染岡「…………チッ。」
染岡は豪炎寺の席を見て、監督を睨んだ。
それを見て不安そうにする1年達。
壁・栗「…………」
お互い顔を見合わせる。
その光景を全て見ていたのは秋だった。
秋「…………
(豪炎寺君が、瞳子監督に追い出されてから、チームの雰囲気が変わってしまった。円堂君と鬼道君は、監督を実力ある指導者として認めている。一之瀬君や土門君も一応、監督の立場は理解している。でも…監督に不安を持つメンバーも居る。特に、染岡君は良く思っていない。零君は何を考えているのか分からないけど、チームの為を思っているのは確か。これからまた白恋中の“吹雪士郎”って人が、どんなに凄いストライカーだとしても、この雰囲気じゃ、うまくやっていけるかどうか……)」
秋の不安は募るまま、キャラバンは白恋中に近付いていった。
.
古株「見えてきたよ、あれが白恋中だ!」
.
(OP)
.
荒谷「わぁっ、すごーい!!本物の雷門中だーぁ!!」
白恋校舎から歓声があがる。
居屋「あの日本一のチームが此処にいる!サイン頂戴〜!!」
雪野「あ〜っ、噂の目金君だ〜!握手、握手!」
目金「うわぁ…ベトベト…;」
雪野は、鼻水の付いた手を目金に差し出した。
空野と円堂は握手をしている。
空野「ようこそ白恋中へ、円堂君。」
円堂「すっげー、皆俺達の事知ってる!」
目深「そりゃあもう。」
壁山「フットボールフロンティアで優勝した実感が、漸く湧いてきたッス!」
零「目的って、歓迎される事だけッスかー?」
呆れたような笑みを浮かべ、零は雷門イレブンに言った。
円堂「あ、そっか;」
瞳子「吹雪士郎君は?何処に居るのかしら。」
瞳子がそう言うと、白恋の生徒達は次々と答えていった。
荒谷「吹雪君?今頃、スキーじゃないかな…今年はジャンプで100m目指すって言ってたもん。」
居屋「いや、きっとスケートだよ!3回転半ジャンプが出来るようになったって言ってた!」
雪野「オイラはボブスレーだと思うな。時速100kmを超えたって言ってたよ。」
目金「………;」
雪野は目金の肩に手(鼻水付)を置き、写メを撮ろうとしていた。
風丸「スキーにスケートにボブスレー、それで熊殺し…?」
円堂「そんなにスポーツが出来るなんて、凄い奴だな!益々会うのが楽しみになってきた!!」
染岡「………」
零「…!」
荒谷「あ。」
居屋「帰ってきたんじゃない?」
荒谷はドアへ駆け寄った。ドアに視線が寄る。
荒谷「吹雪君だ!」
円堂「…((ゴクッ」
円堂は緊張して固唾を呑む。
荒谷「早く早くー!どこに行ってたの?お客さんが来てるんだよ?」
吹雪「お客さん?」
染岡「…!」
雷門イレブン「!!」
吹雪を見て、驚く雷門イレブン。
吹雪「…あれ、君達!」
教室に入ってきた吹雪士郎は、先程の少年だった。
円堂「さっきの…;“吹雪士郎”って、お前だったのか!?」
吹雪はくすっと笑った。
染岡「お前が熊殺しか!?」
吹雪「…あぁ、実物物見てがっかりさせちゃったかなぁ…;噂を聞いて来た人達は皆、僕を大男だと思っちゃうみたいで…。…これが本当の吹雪士郎なんだ。宜しく。」
染岡「………っ!」
吹雪は握手を求めた。
だが染岡は悔しそうに表情を歪ませて、教室を出て行った。
円堂「! 染岡!」
秋「私に任せて!」
秋は染岡を追って出て行った。
吹雪「あれ…何か怒らせちゃったかな…」
零「彼奴は染岡竜吾って言って、雷門のFW。今ちょっと怒りっぽいから、そう気にすんなー。」
吹雪「ふーん。……」
染岡の事を説明する零。
吹雪は、それを当たり前のように流す。
吹・零「………」
暫く沈黙。
吹雪「あれ、零?」
零「うん。」
吹雪「久しぶり!来てくれるなら連絡してよ〜!小父さん達も喜ぶよ?」
再会に感動する吹雪と、寒そうに身震いしてくしゃみをする零。
風丸「…知り合いなのか?」
吹雪「ちょっと、ね。」
吹雪は楽しそうに笑う。
円堂「吹雪、ごめん。…染岡は、ホントはいい奴なんだ。」
円堂は頭を下げる。
吹雪「気にしないで。」
瞳子「吹雪君。」
吹雪は瞳子の方を見た。
瞳子「…少し時間いいかしら。」
吹雪「…ええ。…ええっと…」
瞳子「私は吉良瞳子。雷門中サッカー部の監督よ。」
吹雪「…雷門中サッカー部の……」
.
(抜かし)
.
- 続き ( No.25 )
- 日時: 2013/02/24 13:52
- 名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)
零「へくち!」
吹雪の隣で、クシャミをする零。
零「あー寒っ!」
風丸「……」
零よりも下に居る風丸が零を見上げる。
零は微妙に頬が赤いも、薄笑いを崩さない。
零「…ケホッ…寒//」
空野「これくらい普通だよ。動けば暖かくなるさ。」
零「動かない場合はどーすんスか。」
雪野「オラのマフラー貸してやろーか?」
空野「…;」
マフラー(鼻水付)を差し出す雪野。
零「音無、コート無い?」
春奈「これ学校指定のだから、人数分しか無いの。ごめんね…」
雪野「…………」
雪野は無視された。
零「………」
吹雪「相変わらずの虚弱体質だね;」
零「適応能力が弱いだけ。」
腕を擦る零に、苦笑する吹雪。
吹雪「………!」
ドドドドド———
円堂「…何だ?」
雪が落ちてくる。
円堂「うわ、雪崩!」
吹雪「………」
吹雪の目が見開く。
「「「………」」」
崖から落ちてくる、多いとも少ないとも言えない量の雪を見ていた。
円堂「びっくりしたー…でも凄い勢いだなぁ。雪国ならではか…」
吹雪「…っ……;」
吹雪はその場にしゃがみ込み、震えている。
吹雪「…っ…っく……;」
瞳子「!」
零は吹雪の隣に座り込み、いつもよりも優しげな微笑みで頭にポンと右手を置いた。
零「屋根の雪が落ちただけだ。大丈夫。」
吹雪「…や、屋根か……」
吹雪は、雪が落ちてきた方を見た。
吹雪「……なんだ、屋根の雪か…」
円堂「何だー?どうかしたのか?」
吹雪「ぁ、いや…何でも無いよー!」
円堂達に振り返って言う吹雪。
夏未「これぐらいの事でそんなに驚くなんて、意外と小心者ね。」
吹雪「あはははははは…;…さぁ、行こう。」
瞳子「……」
瞳子は静かに吹雪を見ている。
吹雪「…零、ありがとう。」
零「別に。」
零はさっきの優しげな笑みではなくいつもの表情で、立ち上がって歩き出した。
吹雪「…クス。」
塔子「ナヨナヨした奴だなぁ…ホントに凄いストライカーなのか?」
.
(抜かし)
.
パチパチ———
餅の焼ける音と香りがかまくらに篭る。
静かなかまくらにも、外の騒がしい声が聞こえてきていた。
瞳子「私達は、エイリア学園を倒すために、仲間を集めているの。」
染岡「……!」
外を歩いていた染岡に、かまくらでの会話が聞こえる。
瞳子「音無さん。」
春奈「はい。」
春奈はパソコンの画面を見せた。
画面には今までにジェミニストームが破壊した学校が映っている。
円堂「こういう事が起こってるの、知ってるだろ?」
零「数日前から、エイリア学園は北海道でも中学校を破壊してるらしい。」
零は腕を擦りながら、どこか他人事のような説明。
吹雪「…でもウチは大丈夫さ。狙われるわけが無いよ。」
網の上に切り餅を置きながら言った。
吹雪「やっとサッカー部として活動ができてる弱小チームなんだから。」
瞳子「白恋中だけの問題ではないわ。これ以上、エイリア学園の勝手にさせる訳にはいかない。」
円堂「俺達は、奴等を倒すために、地上最強のサッカーチームを作ろうとしてるいんだ!だから吹雪、お前に会いに来たんだぜ!」
吹雪「……“地上最強のサッカーチーム”……」
その言葉を聞いて、吹雪は少し考えた。
染岡「………」
瞳子「貴方の噂を聞いたわ。噂の実力の持ち主なら、私達と一緒に戦って欲しいの。貴方のプレイを、見せてくれる?」
吹雪「…………」
吹雪は何も言わず、円堂にサッカーボール形に膨らんだ焼餅を差し出した。
円堂「! …い、頂きます。」
吹雪「……いいですよ。」
吹雪はにっこりと笑い、答えた。
染岡「……チッ。」
.
(抜かし)
.
瞳子「彼の動き、洩らさず撮ってね。」
零「へーい。」
零はビデオカメラ片手に、かったるく返事をした。
.
(抜かし・CM)
.
- 続き ( No.26 )
- 日時: 2013/02/24 13:56
- 名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)
吹雪「…フッ。」
吹雪の口角が上がった。
染岡「うぉーらーぁっ!!」
染岡の足がボールに触れそうになった瞬間、吹雪の周囲に突風が起こった。
染岡「うぉああっ!!」
円堂「染岡!」
零「…」
染岡は弾き返される。
[何とぉ!スライディングに行った染岡を、簡単に弾き飛ばしたぁ!!]
風雪の中、オレンジ色の目が光る。
吹雪「…へへっ!」
円堂「何っ!?」
明らかに雰囲気が変わった吹雪に、驚きを隠せない円堂。
吹雪「この程度かよぉ。甘っちょろい奴等だ。」
一之瀬「!?」
塔子「彼奴…」
鬼道「雰囲気が変わった…!?」
マネージャー/瞳・零「……;/……」
荒谷「吹雪君!」
吹雪「任せとけ!いつもみてぇにバンバン点取ってやっからよ!見てな!!」
吹雪は走り出した。
(抜かし)
ピーーーッ!!
[ゴーーール!!吹雪の必殺シュートが、雷門ゴールに炸裂!!なんと!先制したのは白恋中だァアア!!]
春奈「…;」
秋「ゴッドハンドが、こんな簡単に…;」
夏未「これが“ブリザードの吹雪”…;」
瞳・零「……」
驚くマネージャー達と、あまり大きな反応を見せない瞳子と零。
円堂「凄い…止めたと思ったのに、何て破壊力…;」
吹雪「いいかよく聞け。俺がエースストライカー、吹雪士郎だ。」
振り返る吹雪。
円堂「吹雪!お前のシュート、どうしても止めたくなった!」
吹雪「出来るもんならやってみな。」
吹雪は自分のポジションに戻っていった。
円堂「…
(まだ、手がジンジンと痺れてる…。…彼奴が仲間になってくれたら…!)」
鬼道「スーパーディフェンスに、素晴らしいシュート力…噂以上のプレイヤーだ。」
染岡「どんなにシュートが凄くても、豪炎寺の代わりは居ねぇんだ…!」
染岡は、落ちているボールを拾う。
染岡「やられっ放しで堪るかぁ!!(瞳子「そこまで!」
瞳子「試合終了よ!」
染岡「何!?;」
春奈「え…ここで終わりですか?;」
瞳子「……」
染岡「このまま終わらせて堪るか…!」
秋「染岡君!;」
染岡は吹雪にボールを蹴った。
吹雪はボールを足で受け止め、高く蹴り上げた。
染岡は走り出す。
染岡「負けるわけには…いかねぇんだっ!!」
吹雪「やる気か…面白ぇっ!!」
一部「!!」
2人は同時に、逆方向からボールを蹴った。
染岡「ぅおっ…;」
円堂「染岡っ!」
染岡は吹雪に飛ばされ、転んでしまった。
吹雪「その程度か…話にならねぇ!」
染岡「くっ…;」
吹雪「こんなもんじゃ満足出来ねぇ…もっと楽しませろ!!」
塔子「…さっきのなよなよ感と、全然違う…」
零「仕方無いな…」
零は春奈にビデオカメラを渡し、フィールドへ歩いて行った。
春奈「ぇ、零君?」
零「ちょっと止めてくるー。…ケホッ。」
秋「あ、危ないわよ!」
零「へーきッス。」
零は秋達が止めているのにも構わず、薄笑いで吹雪を見た。
吹雪「ククッ…」
零「…」
吹雪「エターナr(零「いい加減にしな。」っ!?;」
一部「!?;」
そこに居る殆どの者が驚いている。
零は一瞬で、吹雪からボールを奪ったのだ。
ボールに足を乗せ腰に手を置き、吹雪を見ている。
吹雪「っ; 零、何で(零「試合終了。」……」
吹雪はそれを聞き、大人しくなった。
円堂「零、凄ぇなお前!吹雪からボールを奪うなんて!!」
零「普通っすよ普通。」
零はすぐにベンチに戻った。
風丸「…何で彼奴は、戦わないんだ…?」
風丸は零を見る。
円堂「吹雪のシュートも凄かった!!俺、お前ともっとサッカーしたいぜ!!」
吹雪「僕もだよ。」
吹雪は、試合前の大人しい吹雪になっていた。
パン、パン!
瞳子「はいそこまで!」
瞳子は手を叩いて皆を注目させた。
瞳子「吹雪君。正式に、イナズマキャラバンへの参加を要請するわ。一緒に戦ってくれるわね?」
吹雪「((コクッ いいですよ。」
こうして吹雪は雷門イレブンの一員となった。
円堂「吹雪、俺お前と一緒に、サッカーやりたい!」
吹雪「僕もさ!君となら…君達となら、思いっきりサッカーをやれそうな気がするよ。」
染岡「…」
つまらなさそうな顔をする染岡。
瞳子「雷門の新しいストライカー、誕生よ!」
吹雪「皆、宜しくね。」
吹雪はニコリと笑う。
染岡「…っ!;」
円堂「!」
秋「染岡君…;」
染岡は何処かへ走っていった。
円堂「染岡!」
円堂はそれを追いかけた。
秋「…………」
.
(抜かし)
.
皆は餅を食べたりストーブで温まったりしている。
零はパソコンで、エイリア学園の事を調べていた。
零「…皆、ちょっと集まりな。」
「「「?」」」
丁度、円堂と染岡も帰って来た。
零「これ、見て下さい。」
零はパソコンの向きを変え、画面を皆に見せた。
そこには破壊された学校とジェミニストームが映っていた。
『白恋中の者達よ。お前達は、我がエイリア学園に選ばれた。サッカーに応じよ!』
円堂「レーゼ…」
『断る事は出来ない。』
「「「!!」」」
『負ければ破壊が待っている。助かる道は勝利のみ!』
そこで映像は途絶えた。
吹雪「……この白恋中に…」
円堂「…エイリア学園が…やって来る…!」
.
(ED)
.
- 次回予告 ( No.27 )
- 日時: 2012/04/16 19:48
- 名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)
吹雪がチームに入ってくれたぜ!
新たなメンバーを加えて、さぁ、今日も特訓だ!
…だけど、またまた問題爆発。
染岡が吹雪を認めないって言い出した。
次回イナズマイレブン、
「エースストライカーはだれだ!」
これが超次元サッカーだ!!
キャプテン、今日の格言!
「信じる奴のためなら、俺は何でもできる!!」
以上!!