二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.29 )
日時: 2013/02/24 14:27
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

吹雪「…?」


いつもの大人しい吹雪。


染岡「お前なぁ…一之瀬も鬼道も、こっちに回せって声掛けてんだろうが!」

吹雪「だって、僕いつもこうしてたし…」


不思議そうな顔をする吹雪に、染岡は怒鳴りつけた。


染岡「白恋じゃそうでもウチじゃ通用しねえんだよ!!お前は雷門イレブンに入ったんだ、俺達のやり方に合わせろ!」

吹雪「そんな事急に言われても…そういう汗臭いの疲れるなぁ。」

染岡「誰が臭いって、誰が!?」

一之瀬「まぁまぁまぁ;」

土門「落ち着け染岡;」


苛立つ染岡を止める一之瀬と土門。


零「そーやって強引にするのがいけないんだろ。」


零は膝に肘を突き、ボソリと呟く。
だが染岡には聞こえていたらしく


染岡「んだと!!俺が悪いってぇのか!俺が!」

零「あ、聞こえてました?」


至極楽しげに笑っているがどこか呆れている。


零「聞こえてるんなら思いっきり言ってやりますよー。染岡さんの高血圧ー。血管ぶっちぎれんぞー。」

染岡「堂々と言うな!!」


口元に手を添え、笑いながらで堂々と悪態を吐く零。


零「…ま、冗談はほどほどにして。(秋「冗談?;」いきなりプレイスタイルを変えろと言われて、アンタ等だったら納得がいきますか?」

染岡「っ…」

零「“豪炎寺さんがストライカーの雷門イレブン”。それを変えたくないって思ってる染岡さんと同じじゃないスか。」


腕を組み、勝ち誇ったような笑みを浮かべる零。


目金「…確かに、世界の中には個人技に重点を置くチームも有ります。吹雪君を中心とした白恋中は、正にそうしたタイプなのでは?」


目金は得意気に付け加えた。


染岡「ウチはウチだっ!白恋じゃねぇ!!」

目・壁「ひっ…;」

染岡「どんなにスピードがあろうと、こんな自分勝手な奴と一緒にやれるか!!無理なんだよ、此奴に豪炎寺の代わりなんて…;」

吹雪「………」


キョトンとした顔で染岡を見つめる吹雪に、染岡は言葉を詰まらせた。
すると、風丸が口を開いた。


風丸「それはどうかな…」

一部「!」


風丸の言葉に皆反応する。


風丸「…俺は吹雪に合わせてみる。」

染岡「はぁ!?お前何言って…」

風丸「俺には…吹雪あののスピードが必要なんだ…エイリア学園からボールを奪うには、あのスピードが無くちゃ駄目なんだ…そうでなきゃ、また前の繰り返しだ…」


ジェミニストームとの試合を思い出し、皆は静まり返る。
沈黙を破ったのは吹雪だった。


吹雪「だったら、風になればいいんだよ。」

風丸「!」

円堂「…風?」

吹雪「おいで。…見せてあげるから。」


.


着いたのは校舎の裏のゲレンデだった。


円堂「すげー…校舎の裏がゲレンデなのか…。…ん?」


いつの間にか大きな雪玉を作っていた白恋中サッカー部に、円堂は気付いた。


ザザザッ


スノーボードの格好をした吹雪が、滑って現れた。


円堂「スノーボードか!」

風丸「それでどうやって…」

吹雪「まぁ見ててよ。雪が僕達を風にしてくれるんだ!」


そう言って吹雪は滑り出した。


春奈「わぁっ、速い!」

壁山「カッコいいッスー!」

円堂「やるな吹雪!」

染岡「ハッ、ただのスノボじゃねぇか。」


皆それぞれ歓声をあげる。
染岡だけは文句を言っているが。


零「…士郎は、小さな頃からこうやって滑って遊んでいたらしい。走るより滑る方が、風を感じられるから好きだ…って言ってました。…ケホ」

風丸「風か…」

吹雪「皆ー!宜しくー!」

「「「はーい!」」」


滑っている吹雪は白恋の者達に声をかける。
白恋は返事をすると、すぐに自分達がさっき作った雪玉を、吹雪に向かって転がした。


染・風「!」

円堂「危ない!」


驚く雷門イレブン。
だが吹雪は高く飛び上がり、雪玉をかわした。


土門「凄ぇな…雪玉の目茶目茶な動きを、完璧に見切ってるぜ…」

零「彼奴曰く、速ければ速いほど感覚が研ぎ澄まされて…周りのものがハッキリと見えてくるらしい。」

一之瀬「確かに速いよ!」

塔子「この特訓、面白そう!」

円堂「あぁ、俺もやりてぇ!」


目金と栗松の足元を吹雪が通る。


目・栗「おおー…」

目金「やるもんですねー…」

栗松「! め、目金さんアレ…;」

目金「うん?ぎゃーーー!!;」


目金と栗松の方に大きな雪玉が転がってきた。2人は雪玉に埋もれ、ゲレンデを転がる。
壁にぶち当たり、傍にあった木が揺れた。


ドガッッ———


大量の雪が木から落ちる。


吹雪「っ!!;」


それに反応する吹雪。
吹雪は滑るのを止め、その場にしゃがみ込んだ。


円堂「吹雪!?」


震える吹雪に、円堂・風丸・零は駆け寄った(正確に言えば零だけは歩いてきた)。


円堂「吹雪…大丈夫か…?」

風・零「…」

吹雪「う、うん…」


顔をあげる吹雪。


吹雪「ゴメンゴメン…ちょっと失敗;」

零「……」


.