二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.37 )
日時: 2013/03/28 16:42
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

垣田「全く…しょうがない奴だ。ちょっと目を離したらすぐにサボって…はぁ…。……!」


泥だらけの塔子を見、何かを察した。


垣田「っ、大丈夫ですか?」

塔子「あ、大丈夫大丈夫!これくらい…」

垣田「…。……」


左の掌に右手の拳を当て、頭を下げる男。


垣田「…申し訳御座いませんでした。ウチの部員が、とんでも無い事を致しまして…」


雷門一同にも頭を下げる。


円堂「“ウチの部員”?」

一之瀬「て事は、彼奴…」

塔子「……?」


垣田の足元にあるサッカーボールに目をやる塔子。


「「「サッカー部!?」」」

染岡「彼奴がかよ!」

垣田「ええ。木暮というのですが、それが、困った奴でして……。周りを全て敵だと思っているというか…」

秋「敵?」

垣田「えぇ。」


.


(抜かし)


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移動中———


春奈「………!」


春奈は、掃除をしている木暮に気が付いた。木暮は雑巾を蹴り上げ、天井の掃除をしている。
雑巾は天井を滑り、落ちてきては木暮がまた蹴り上げ、天上を滑っていた。


春奈「………(夏未「音無さん!」! はい!」


夏未に呼ばれ、春奈はすぐに駆けて行った。


瞳子「………」

零「…」


木暮をじっと見ている瞳子。
そんな瞳子を零は笑んだままチラリと見て、自分も道場に向かった。


.


道場。正座をする漫遊寺中サッカー部と、雷門イレブン。
立って壁に寄りかかっているのは零だけだ。


影田「成程、お話はよく分かりました。」

円堂「それじゃあ、俺達と一緒に戦ってくれるんだな?」

影田「…いいえ。」

「「「!?」」」

影田「私達は…戦うつもりは有りません。」

風丸「戦うつもりが無い…?」

影田「はい。私達がサッカーをしているのは、あくまで心と体を鍛えるため。争うためではないので、彼等には、私達に戦う意思の無い事を話して、お引取り頂きます。」

円堂「お引取り…?」

染岡「っ、お、オイ!お前等話聞いてたのかよ!」


染岡は立ち上がった。


染岡「そんな話が通じる相手じゃねぇって言ってんだろ!!」

零「…五月蝿いな。」


今まで黙っていた零が口を開いた。
皆、零を見る。


染岡「何ィ!?」

零「すいません影田さん、騒がしくしちまって。アンタ達の言い分はよく分かったので、これ以上の無理強いはしません。僕は戻ります。」


零は会釈代わりに微笑み、道場から出て行こうと、凭れていた壁から離れた。


染岡「おいちょっと待て!」

零「……」


零は相変わらず薄ら笑ったまま、立ち止まって振り返り、染岡を見る。


染岡「っ……」

零「…もしかして返す言葉を考えてなかったけど、とりあえず声掛けてみたんですか?」

染岡「う、煩ぇ!お前、意味分かんねえんだよ!」

零「分からなくて結構ですよ。アンタに言ったわけじゃないですし。」


相変わらず気味の悪い笑みを浮かべたまま、零は道場から出て行った。
漫遊寺中サッカー部も立ち上がる。


影田「では我々も、これで失礼します。修行の時間ですので。」

円堂「あ、おい…;ちょっと待てよ!」


バタン


「「「………」」」


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(ちょと抜かし)


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風丸「…どうする。」

染岡「どうするって言われても、漫遊寺があれじゃあな。おまけに副監督もあんなだし…」


明らかにイライラしている染岡。


塔子「何なんだろうな、零ってば…。…よく分かんないよ…」

円堂「………考えても仕方ないさ!俺達は俺達で、今出来る事をするだけだ。」

一之瀬「出来る事…?」

風丸「特訓だな。」

円堂「ああ!相手はエイリア学園のファーストランクチーム。こっちももっと特訓して、強くなんないとな!」

「「「ああ!」」」

一之瀬「そうと決まれば、早速練習場所を探そう!(吹雪「練習場所ならあるよ。」


吹雪の声。


吹雪「この向こうに川があって、その河川敷でなら、サッカー出来るって。ね?」

女「「はい!」」

吹雪「また何かあったら宜しくね。」

女「「はーい!」」


「「「……;」」」


.


(ちょっと抜かし)


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春奈「…………」


外では春奈が座っていた。


鬼道「…眠れないのか?」

春奈「! …お兄ちゃん…」


零「………」


キャラバンの屋根では、起きてはいるが、寝転がっている零。
相変わらず薄く笑みを浮かべている。


鬼道「…ちょっと付いて来い。」


.


(鬼道と春奈が別れた後)


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鬼道「…いつからつけていた。」


振り向かずに言う鬼道。


零「…やっぱり、気付いてましたか。」


木の陰から出てくる零。


鬼道「何のつもりだ。」

零「別に。ちょっと眠れなかったんで、暇潰しに。」


今度は振り返る鬼道。


鬼道「言いたい事があるならハッキリ言え。」

零「おぉ、怖い怖い。」


零は首を竦ませ、やれやれと言うように両手を軽くあげる。


零「…言いたい事、か。うーん…。……2人は、兄妹なんですよね。」

鬼道「…それがどうした。」

零「“兄”って…“妹”をどう思うものなんですか。」


零は微笑を崩さず、鬼道を見る。


鬼道「それは…守りたいとか、大切、じゃないか…普通は…(零「普通じゃなかったら。」!」

零「…どうなんですかね。」

鬼道「………」


鬼道は零の目を見る。
相変わらず笑みを崩さないままで、何を考えているか分からない。


零「…答えられないんいいですよ。じゃ、おやすみなさい鬼道さん。」


零は後ろを向き、鬼道の方は見ずに軽く手を振りながら帰っていく。
鬼道はただそれを見ているだけだった。


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(抜かし・CM)


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