二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第36話「かくされた力!」 ( No.40 )
日時: 2013/02/24 16:11
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

春奈「頑張ってね、木暮君!」


靴紐を結び直している木暮に春奈が話しかけた。
木暮は春奈を軽く睨み、ちらりとベンチに居る秋や漫遊寺サッカー部を見てまた靴を弄る。
零が木暮に歩み寄った。


零「…木暮。」

木暮「…?」


零を見上げる木暮。


零「お前にはDFをやって貰うぜ。」

木暮「俺が、DF…」

零「適任だと思うけど。嫌か?」

木暮「別に。地味だなと思って。」

夏未「じゃあ何処がいいって言うの?」

木暮「拘ってないんで。DFでいいです。」


ベンチに座っていた目金が木暮に言う。


目金「ま、精々怪我しない事ですね。」

木暮「……」


木暮が目金を見ると、目金は目を反らした。


春奈「大丈夫、木暮君ならやれるよ!私、信じてるから。」


“信じてる”という言葉を聞いて、つまらなさそうな顔をする。


木暮「あのさ、“信じてる”って、そんな簡単に言うなよ。」


それだけ言い残し、フィールドに入っていった。
瞳子と零もベンチにつく。


目金「どーなんですかねぇあの態度!」

秋「ちょっと心配かな…」

春奈「木暮君はやれば出来るんです!((ボソ …皆、本当の木暮君を知らない…」


.


(OP)


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フィールドに木暮が入る。


塔子「ねぇ、アンタホントに大丈夫なわけ?」

木暮「…」


土門「どう思う?」

鬼道「俺は春奈の言う彼奴を信じる…」

風丸「そんな事言って、実力には疑問を持ってるんだろ?」

鬼道「…まぁな。」


栗松「彼奴、サッカーどのくらい出来るでヤンスかねぇ…」

壁山「うんうん。確か、漫遊寺の補欠ッスよね…。宇宙人相手の試合なのに、そんな奴に頼っていいんスかぁ?」


吹雪「木暮くーん!楽しんでいこうよ!」

染岡「お前そればっかりだな。」


円堂「木暮〜〜!楽しんでいこうぜ!!」

木暮「…」


木暮は俯いた。


デザーム「雷門中。ジェミニストームを打ち破った唯一のサッカーチーム。たったそれだけの事で我等に勝てると思うとは…。我等イプシロンの選手も随分と嘗められたものよ。」


零「…」


木暮「………;」


雷門イレブンは準備運動を始める。
木暮を除いて。


木暮「何だよ、此奴等…本気で宇宙人に勝つ気なのかよ…。っ、信じられねぇ;…俺、此処で何してんだ…?;」


デザーム「諸君、キックオフといこうか。」

ゼル「暴れ足りねぇな…レーゼ達に勝ったなら、少しは手応えあんじゃねーの?」

メトロン「お手並み拝見といきましょう。」

クリプト「ぶっ潰す…」

マキュア「命知らずってマキュアだーい好き。」

デザーム「聞けぇ雷門中!破壊されるべきは漫遊寺中に在らず。我等エイリア学園に刃向かい続けるお前達…雷門イレブンと決まった。」


一之瀬「勝手に決めちゃってるよ…」


デザーム「漫遊寺中は6分で片付けた。だが、お前達はジェミニストームを倒した…。その実力を称え、3分で結着とする。光栄に思うが良い。」

円堂「3分!?」

土門「だからなんで勝手に決めちゃうかなぁ。」

塔子「ホンット腹立つな…。アタシそういうの大っ嫌い。」

吹雪「だったら、僕達も3分で片付けちゃおうよー。」

染岡「面白ぇ。」


デザーム「エイリア学園ファーストランクチーム、イプシロンの力…思い知るがいい。」

木暮「…;」


秋「3分だなんて…;」

夏未「それだけ私達に対して本気なのよ…」

瞳子「「ええ。」

零「でも漫遊寺戦の6分間で、イプシロンがどんな戦い方をするかは掴めました。」

「「「!」」」

零「ジェミニストームはスピードで押してくるチーム。それに対して漫遊寺との戦いで見せたイプシロンの戦いは、的確にFWを封じ、相手の攻撃を防いでいる…。漫遊寺が敗れたのは、満足なプレイをさせて貰えなかったから。」


笑いながらカタカタとキーボードを打つ零。


角馬「はい御待たせ致しました!!」


角馬が、春奈と目金の間に現れる。


「「「!;」」」

秋「角馬君!;」

夏未「漫遊寺戦の時は来なかったのに…」

角馬「小生、雷門中の一員として、雷門の試合を余さずお伝えする事を信条としております。悪しからず、漫遊寺中の皆さん。」

垣田「はぁ…どうぞ、お気遣い無く…;」


[それでは!雷門中対、エイリア学園ファーストランクチームイプシロン!雷門イレブンの攻撃より、スタートです!!]


ピーーーッ!!



(抜かし)



瞳子「やはり…」

零「2トップを押さえ込む事で、此方へのプレッシャーも狙っていますね。」



(抜かし)



吹雪「エターナルブリザード…ぅらぁぁあああ!!」


[行ったーー!!遥か上空からの、超ロングレンジシュート!!]


余裕な表情で居るデザーム。左手を突き出した。
何の技も無しに、エターナルブリザードを受け止める。

靴が、少し地面と擦れた。


吹雪「っ…、フッ。」


着地し、自信有り気な顔でデザームの方を見る吹雪。
ゴール周りは煙で包まれている。


吹雪「…! な、何っ!;」


煙が収まると、きっちり左手でボールを掴んでいるデザームが居た。


「「「………;」」」

瞳子「……」

零「…」

木暮「……;」


唖然とする雷門イレブン、マネージャー達。
真剣な眼差しでフィールドを見つめる瞳子。
いつもと同じ表情で見ている零。
怯えている木暮。


[エターナルブリザード ゴールならず!!イプシロンのキャプテンにしてキーパー、デザームによってがっちりと止められてしまったー!!]


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(抜かし・CM)


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続き ( No.41 )
日時: 2013/03/28 16:57
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

(抜かし)



秋「イプシロンが居ない…」

夏未「…3分経ってる。…((チラッ」


夏未は瞳子を見る。


零「………」


笑いながらさっきの少年の方を見る零。
少年は、既に姿を消していた。


春奈「木暮君凄い!」

目金「偶然でしょ!所謂ビギナーズラックですよ。」

瞳子「…偶然だけかしら。」

目金「え?」

春奈「…そうですよ!あれこそ、木暮君の実力なんだと思います!」

目金「褒めすぎですよ、音無さん!」

瞳子「………」


瞳子もさっきの少年の居た場所を見上げる。だがやはり、そこに彼の姿は無かった。
それに気付いた秋は、自分も見上げてみる。


秋「…監督、どうかしたんですか?」

瞳子「! …いいえ、何でもないわ。」

夏未「………」

零「……」


零は瞳子を見ていた。


.


木暮「あー…;(春奈「やったね木暮君!」ぃ゛!;」


春奈を見る木暮。


円堂「お前、奴等のシュートをカットしたんだぜ!」

木暮「……」


パチパチと瞬きをし、円堂を見上げる。


一之瀬「意外性があって、面白かったね。」

土門「結構やるもんだな!」

塔子「ホントだよね!補欠にしとくの勿体無いよ!」

円堂「って事だ!お前、凄いぜ!」

木暮「……// そうさ。俺、凄いんだ…ウッシッシッシッシ…」


木暮は照れるように笑う。


垣田「大したもんだ木暮!」

影田「見事だったぞ!」

「「「うぉああ!!」」」


ドサッ———


「「「あ…」」」

木暮「ウッシッシッシッシッシ…」


漫遊寺サッカー部は、木暮が作ったと思われる落とし穴に嵌った。



(ちょっと抜かし)



染岡「ったくしょうがねぇ奴だな…。なぁ吹雪よぉ。」

吹雪「……」


無言で俯く吹雪。


染岡「…どうした?」

吹雪「僕は、役に立たなかった…くっ…」

染岡「んな事言ったら俺だって…(吹雪「何にも出来なかったんだ!!」

吹雪「こんなんじゃ駄目だ…。完璧にならなきゃ…」


吹雪の瞳が微かにオレンジ色に染まった。


風丸「! …やっぱり、奴等と戦うには…もっとパワーが居る…」


風丸は胸に手を当てた。


零「…皆、今回はよくやったと思いますよ。」

吹・風「!!」


2人は微笑んでいる零を見る。


零「1回の敗北でくよくよ悩まず、相手に勝つ事だけを考える。無駄な事は頭に入れないでいい。今一番大切な事は、目の前に居る敵を、倒す事じゃないですか?」


零を、風丸は少しハッとしたような表情で見つめる。


円堂「零の言う通り!イプシロンを倒すために特訓して、強くなるんだ!!」

「「「おう!」」」


雷門に熱気が戻った。


零「…はぁ。……柄にも無い事言わせやがって。」


零は困ったように笑みをやめて言った。


.

(抜かし)

.

.

.


円堂は1人でグラウンドに居た。


円堂「………
(どうしたら勝てる。俺達は、奴等の力をまだ分かっていない。)」


ゴールに、デザームの姿を思い浮かべる。


円堂「………ぅう…; ぐぁぁぁああああ!!!;」


急に叫び出し、ボールを蹴り始めた。


円堂「…! …?」


後ろから人気ヒトケが。
居たのは、試合中に居た赤い髪の少年だった。


???「君達、凄いな。宇宙人とサッカーしてるなんてさ。」


少年はゆっくりと円堂に近付く。


円堂「見てたんだ!漫遊寺の生徒?」

???「違うよ。違うけど、見てた。」

円堂「そっか。もしかして、俺達の事を応援してくれてたのかな?」

???「まぁね。…実は、ちょっと知り合いの子が居て…その子の様子見も兼ねて。その子、すっごく弱いんだけど…元気そうで安心したよ。」


少年は怪しく微笑しながら言う。


円堂「へぇ…」


円堂は少し疑問を持ったような顔をした。


???「…俺、基山ヒロト。」

円堂「円堂守。雷門イレブンのキャプテンだ!」

基山「知ってるよ。フットボールフロンティアで優勝したんだよね。」

円堂「あぁ!…今日は負けちゃったけどさ。でも、今日負けた事は無駄にはならない!この負けは、次の勝利に繋がるから!」

基山「…いいな、そういうの。」


俯き、小さな声で呟いた。


円堂「一緒にやろうぜ?」

基山「ぇ…」

円堂「ほら、パス!」


円堂はヒロトに軽くパスした。
だがヒロトはボールを見送るだけ。


ト、トトトト——


円堂「おいおい、受けてくれよー;」


ボールを取りに行く円堂。
ヒロトはくすっと笑い、歩き出した。


基山「…じゃあね。」

円堂「…あれ?」


円堂が振り返ると、ヒロトはもう居なかった。

木陰では


零「………」


零は笑みながら円堂を見ていた。


.


基山「…分かった気がするよ、君がそっち側に付く理由。」


何処かで、ヒロトが呟いた。


.


(円堂と秋が話す)


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.

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(抜かし)

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ブゥゥゥゥン———


土門「いやー!何だかんだ言って木暮って奴は面白かったよなぁ!」

栗松「…;」

風丸「チームに入れなくてよかったのか?」

目金「いやいやそれでいいのです。あんな奴が居たら、宇宙人に勝てるものも勝てなくなっちゃいますからね…」

一之瀬「シビアだなぁ目金君;」

零「皆さん。」

「「「ん?」」」


一斉に零の方を見る雷門イレブン。


零「何だか期待を裏切るようで悪いんですけどー…、ん。」


楽しそうに笑いながら、親指で後ろを指差す零。


吹雪「何だい?」

染岡「あー?」


染岡は後ろを見てみる。


染岡「………マジかよ!」

木暮「…♪」

「「えぇーーっ!!?」」」


壁山の隣の荷物の隣で、木暮が体育座りしていた。


円堂「お前!」

春奈「木暮君!」

木暮「ウッシッシッシッシッシ…」

春奈「はは…;」


.


(ED)


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次回予告 ( No.42 )
日時: 2012/05/07 22:30
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

まさかの影山復活!

恐るべき情報を聞いて、四国に向かった俺達を待っていたのは、かつて鬼道と共に、帝国学園で戦っていたメンバーだった。



次回イナズマイレブン、

「帝国の逆襲・前編!!」

これが超次元サッカーだ!!



キャプテン、今日の格言!

「今日の負けは、明日の勝利につながるんだ!」

以上!!