二次創作小説(映像)※倉庫ログ

第37話「帝国の逆襲・前編!!」 ( No.43 )
日時: 2013/02/24 20:01
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

暗い部屋に、十字架の形をした光。その前を通って、椅子らしきものがエレベーターのようにあがっていく。
椅子は天井の穴を通り、外に出た。

外は海。椅子全体が外に出て、動きは止まる。
椅子に座っていた男はにやりと笑った。

船は海上を進んでいく。


.


(OP・抜かし)


.


瞳子「分かりました。責任を持ってお預かりします。……((ピッ」


「「「………」」」


瞳子は電話を切る。
雷門イレブン達は、キャラバン内から様子を見ていた。

皆は木暮に振り返る。木暮は何かしているらしい。
手元からキュッキュッと音がしている。


栗松「俺は反対でヤンス!こんな奴…(目金「うわぁぁあああ!!」


目金は栗松の言葉を遮り、木暮に駆け寄った。


目金「僕のレイナちゃんがぁ…」


落書きされたフィギュアに顔を摺り寄せている目金。


木暮「ウッシッシッシッシッシ…」

目金「っ、僕もこんな奴が、雷門イレブンに入るのは絶対反対です!」

木暮「フン、たかがおもちゃぐらいで。」

目金「何をー!!」

栗松「…? あぁぁあああ!!」


栗松は自分の席を見る。


円堂「今度は何だよ。」

栗松「俺の雑誌が…」


栗松のサッカー雑誌にも施された落書き。


木暮「ウッシッシッシッシ…」

目金「零君!副監督の権限で、木暮君を外して下さい!!」

零「無理言わねーで下さいよー。」


ケラケラと笑う零。


零「こんなのガキのお遊びじゃないですか。」

木暮「…(零「適当にやり過ごしゃあ、木暮だって満足しますよ。」…((ニヤ」


零の発言にムッとする木暮だが、すぐにニヤリと笑った。


零「全く…こんな幼稚な悪戯に、引っかかる方も引っかかる方だと思いますよー。」


零はポケットから取り出した棒付キャンディのパッケージを開けてを壁山の口へ投げ、足元に張ってあった糸を跨ぎ、自分の席についた。


壁山「!! か、辛いッスーーー!!」


壁山の口に放り込まれた飴は木暮が悪戯を仕掛けていたらしく、壁山は口から火を吹いていた。


「「「………」」」


呆然とする雷門イレブン。


木暮「ちぇっ、つまんねー奴。(春奈「木暮君!」! …」

春奈「皆に謝りなさい。ちゃんと謝らないと漫遊寺に帰って貰うからね!」


強めに言う春奈。
木暮は仕方ないという風に横目で言う。


木暮「………ごめんよ。」

目・栗「……」

円堂「…まぁ、本人も謝ってるんだからさ!な?目金、栗松!」

栗松「…キャプテンにそう言われちゃ、仕方ないでヤンス。」

目金「…」

瞳子「…行くわよ。」


瞳子がキャラバンに入ってきた。


円堂「よぉし、出発だぁ!! …あら?」


ドタッ!


「「「!」」」


転んでしまった円堂。
両足の靴紐が結ばれている。


塔子「円堂!?」

円堂「…ぐっ…こ…」

木暮「ウッシッシッシ…♪」

円堂「…木ー暮ぇええ!!」


ブゥゥゥゥン——


.


pll pll pll


瞳子「…!」


瞳子は携帯を取り出す。


瞳子「…響木さんから…」

零「((ピク」

瞳子「『影山が脱走し、愛媛に“真・帝国学園”を設立した』…!?」

鬼/円「!!/何だって!?」

染岡「彼奴…まだ性懲りも無くそんな事やってんのかよ…!」

土門「しかも…“真・帝国学園”だって…!?」

鬼道「………」

塔子「…鬼道?」


歯を食いしばる鬼道。
塔子は、鬼道を心配そうに見る


円堂「よし、愛媛に行こう!」

土門「ああ!影山のやろうとしている事を、ぶっ潰そう!」

夏未「そうよ!彼奴を許しちゃいけないわ!」


状況が掴めない塔子はキョロキョロとする。


塔子「…なぁ、影山って、中学サッカー協会の副会長だったんだろ?」

鬼道「そうだ。そして帝国学園の総帥だった。……俺達の、チームの…」

塔子「そんな人を、何故倒さなきゃならないんだ…?」

円堂「勝つためには手段を選ばない奴だったんだよ!」

鬼道「それも自分の手は汚さず、人を使って相手チームを蹴落とそうとする…」

塔子「きったねぇな…」

鬼道「それだけじゃない…彼奴は勝つために、“神のアクア”を作り出した…!」

塔子「神の、アクア…?」

風丸「人間の体を、根本から変えてしまうものさ…。…神の領域にまで…」


世宇子中との事を思い出す。


零「ま、結局それが影山の逮捕に繋がったんだけどな。」


頭の後ろで腕を組んで言う零。


円堂「ぇ…影山の事、知ってるのか?」

零「警察に知り合いが居るんで…ちょっと。」

染岡「其奴が脱走したんだ…!」

吹雪「…」


円堂は手と拳をぶつけ合う。


円堂「またサッカーを使って、何か企んでいるのか…(壁山「あぁーーーっ!」! 壁山!どうした!」


円堂達は振り返る。


壁山「…木暮君が酷いんス…これ、見て下さいよ…」


振り返った壁山の顔には、ペンで落書きがされている。


「「「あははははは…」」」


零・鬼道・春奈以外の者達は爆笑。
木暮は席を立って前の方へ駆けていく。


壁山「居眠りした隙に…って、何で皆笑うんスかー!?」

円堂「だ、はっ…笑ってなんかないよ!!」


木暮「ウシシシシシ…(春奈「木暮君!」!」


春奈が身を乗り出す。


春奈「シートベルトはちゃんとする席から立たない!守れないんなら降りて貰うわよ!?」


木暮は急いで席に戻った。


円堂「しょうがない奴だな…」

春奈「もう…」


春奈が座った途端、ブーッという音がした。


春奈「!」

夏未「ぇ…」

「「「………」」」


春奈の顔が見る見るうちに赤くなる。
春奈は自分の椅子に敷いてあるものを取り出した。

小さな袋、恐らくブーブークッション。


春奈「……こ、木暮くーーーん!!」

木暮「ウッシッシッシッシ…」


.


続き ( No.44 )
日時: 2013/02/24 20:11
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

愛媛に着き、一旦コンビニで休憩することになった。


ウィィィィン


壁山「やっぱ、蜜柑の本場ッスね。」


壁山は結構な量の蜜柑を持っていた。

キャラバンでは


風丸「………」

零「………」


珍しく眼鏡を掛け、瞳子の携帯を弄っている零と、その隣で気まずそうにする風丸。


風丸「…………なぁ。」

零「今忙しいんでトイレなら勝手に行って下さい。」


沈黙に耐えられなかったのか、風丸は零に話しかけた。


風丸「そういうんじゃないから。」


即答する零に、静かにツッコミを入れる風丸。


零「緊急時以外に話しかけないで貰えます?アンタと違って僕は忙しいんだ。」


笑顔ながらも、言葉の節々に怒りを露にする零。


風丸「…そうじゃなくて…」

零「じゃあ塔子とでも席交代すれば?言っときますが僕は絶対代わりませんから。僕が先に座ったんですし、後から来たのアンタ等ですからね。意地でも動きませんよ。僕が隣で嫌ならアンタが動きな。」

風丸「いや、そこまで言ってないし。」

零「塔子遅い…アイスまだかな。」

風丸「…」


風丸は零をジトリとした目で見た。


.


円堂「……うん、元気だよ。」


円堂は、コンビニの裏で電話をしていた。


円堂「…ああ、やってるって…だから!ちゃんと勉強はしてるって…。…瞳子監督、そこらへん煩いんだよ…うん、うん。…ねえ、父さん元気?」


器用にリフティングを続けている少年。

円堂は電話が終わり、立ち上がる。


円堂「…?」


ボールの音に気付き、音のする方を見る。
そこでは、少し変わった髪形をした少年がリフティングしていた。


円堂「なぁ、君もサッカー…(???「((ニヤ」


少年はニヤリと笑い、円堂にボールを蹴った。


円堂「! っ…!」


円堂は咄嗟だったが、がっちりとボールを受け止める。


???「遅っせー。」

秋「円堂君?」


異変に気付いたのか、秋と夏未が駆け寄る。


円堂「何だよいきなり。」

夏未「誰?」

???「愛媛まで時間が掛かり過ぎじゃね?…て事。」

染岡「何だ彼奴は…」


何時の間にか雷門イレブンもキャラバンから降り、円堂達のところへ集まっていた。


瞳子「君、真・帝国学園の生徒ね。」

円堂「え?」


人だかりから瞳子が歩き出てくる。


瞳子「そっちこそ遅いんじゃない?人を偽のメールで呼び出しておいて、今頃現れるの?」

???「…」


挑発的に笑う少年。


円堂「監督、偽のメールって?」

零「調べはついてますよ。」


瞳子の携帯を、右手でぶら下げるようにして持っている零。


零「響木さんからのメールそのものが、偽物だったって事です。調べたら簡単に分かりました。」


零は瞳子に携帯を投げた。瞳子もそれをキャッチする。


零「すぐに分かるような嘘をついてまで、どうしてこんなところにまで呼び出したんですか?ハゲ。」


零は最後の一言を大きめに慈しむような優しい笑顔で言った。
少年の頬に青筋が浮き上がり、零を睨むが、無視して話を進める。


???「俺 不動明王ってんだけどさぁ…俺の名前でメールしたら、ここまで来たのかよ。響木の名前を語ったから、色々調べて愛媛に来る気になったんだろ。違うか?」


どうだと言うように零を見る不動。
零は笑みを崩さない。


零「ふぅ。まぁ事情は分かりましたけど、僕が聞いてるのは“何故呼び出したか”。話聞いてなかったんですか?耳が悪いんですか?バカなんですかアホなんですか?お勧めの病院紹介してやりましょうか?」

不動「っ、テメー、いい度胸してんじゃねえか…」


不動は一瞬殺気立ったが、ニヤリと笑ってまた話を続ける。


不動「ま、アンタ等を真・帝国学園にご招待してやろうって事だ。」

鬼道「!」

不動「アンタ、鬼道有人だろ。」


不動は鬼道に視線を向ける。


不動「ウチにはさぁ…アンタにとってのスペシャルゲストが居るぜ?」

鬼道「スペシャルゲスト?」

不動「ああ。嘗ての帝国学園のお仲間だよ。」

鬼道「何!?」

不動「フッ。」


余裕の笑みで鬼道を見下げる。
鬼道は拳を握り固めた。


鬼道「…有り得ない……影山の汚さを、身をもって知っている帝国学園イレブンが、彼奴に従う筈がない!」


地区予選決勝での事を思い出す。


円堂「そうだ!絶対有り得ない!」

染岡「下手な嘘つくんじゃねえよ!」


不動に罵声を浴びせる染岡達。


不動「はぁ?だったら俺の目がおかしいのかなぁ。」

鬼道「貴様…誰が居るって言うんだ、誰が!」

不動「オイオイ、教えちまったら面白くないだろ。…着いてからのお楽しみさ。フッ。」

鬼道「……」


.


ブゥゥゥゥン———


不動は鬼道の隣に座り、塔子は一番後ろの壁山や木暮の席に座っていた。


瞳子「…どこにあるの?真・帝国学園は。」

不動「俺の言う通り走ってりゃ着くよ。」

鬼道「…」


鬼道は景色を見ていたが、少し不動に目を向け、すぐに目を反らした。


鬼道「…
(一緒に戦ったお前達が、影山に従う筈がない…。……従う筈がないんだ…!)」


鬼道は俯く。

零は携帯のボタンをカチカチと押している。
画面には、『送信中』と映し出されていた。


不動「ぁ、そこの門から入ってくれよ。」」


キャラバンは不動の指示通り、傍に見える門から入っていく。
そこは霧がかかっていて景色は良く見えないが、港のようだった。

円堂達は、キャラバンから降りる。


円堂「…どこにも学校なんか無いじゃないか。」

染岡「テメー!やっぱ俺達を騙したのか!」

不動「…短気な奴だなぁ。真・帝国学園だったら、ほら。」


皆は、不動が指差した先を見る。


「「「……」」」


短い沈黙が流れると、海上の一部が盛り上がり、何かが浮き上がってきているのが分かった。


「「「!」」」


円堂「…」

鬼道「これは…」


浮き出てきたのは大きな船。


瞳/零「!/…」

不動「…((ニヤ」


船はギィィと音を立てて、海に水平に浮かぶ。


鬼道「…!」


船の頂には、帝国の校旗が掲げてあった。


.


(CM)


.


続き ( No.45 )
日時: 2012/07/24 20:49
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

「「「……」」」


屋根らしきところが開き、グラウンドが現れる。


円堂「…!」


小さな穴が開き、そこから階段が降りてくる。
階段の一番上には、影山が居た。


瞳子「!」

円堂「か、影山…」

影山「久しぶりだな円堂。それに鬼道!」

鬼道「影山ぁ!!」


鬼道は思い切り叫ぶ。


影山「もう総帥とは呼んでくれんのか…」


影山は残念そうに首を横に振った。


鬼道「っ、今度は何を企んでるんだ!」

影山「私の計画はお前達には理解出来ん。この真・帝国学園の意味さえもな。」

鬼道「…」

影山「私から逃げ出したりしなければ、お前には分かった筈だ。」

鬼道「俺は逃げたんじゃない!アンタと決別したんだ!」


鬼道は影山を指差す。
影山はフッと笑った。


瞳子「影山零治!」

影山「…」

瞳子「貴方はエイリア学園と何か関係があるの?」


瞳子を見下ろす影山。


影山「…吉良、瞳子監督だね。」

瞳子「! …」

影山「さてどうかな。だが、エイリア皇帝陛下のお力を、借りてるのは事実だ。」

瞳/零「!/…」


違った反応を見せる瞳子と零。


円堂「エイリア、皇帝陛下…?」

染岡「誰だよ其奴は…」

壁山「宇宙人の親玉ッスかねぇ…」


影山「さぁ鬼道、昔の仲間に合わせてあげよう。」


影山はそう言って道の奥へ進んで行った。


鬼道「待て影山!……くっ…」


鬼道は階段へ駆け寄る。


円堂「鬼道!…俺も行く!」


円堂は鬼道を追って走っていった。


染岡「おい!」

塔子「円堂が行くならあたしも!」

不動「お前野暮だなぁ。」

塔子「!」


塔子の前に不動が立ち塞がる。


不動「感動の再会にぞろぞろ着いてってどーすんだよ。デリカシーがあるならここで待ってな。フッ。」


不動は塔子にそう言い残し、自分もさっさと入っていった。


塔子「…彼奴、ムカつく…!」


.

(抜かし)

.


瞳子「……」


瞳子は学園内を見渡していた。
そこで、影山の居るモニター室に目を留める。


瞳子「(影山零治……)」

零「…」


瞳子は一旦零を見ると、次に鬼道に話しかけた。


瞳子「鬼道君。佐久間君と源田君は、君のチームメイトだったんでしょ?」

鬼道「“だった”、ではありません。今でもチームメイトです。」


鬼道は力強く言った。


瞳子「…そう。…今日の試合貴方に任せるわ。」

鬼道「…ありがとうございます。」

円堂「鬼道、やろうぜ?」


円堂は鬼道の肩に手を置いた。


鬼道「だが相手は影山だ。どんな汚い手を使ってでも勝とうとしてくる。」

円堂「どんなに汚いやり方でも、俺達は正々堂々と打ち破ってやる!な、皆!」

「「「おう!!」」」


鬼道以外のスターティングイレブンは、グラウンドへ向かった。


鬼道「…クス」


.


雷門、真・帝国、両者の準備が整った。


「「「………」」」

木暮「(宇宙人も怖かったけど、此奴等もおっかねぇ…)」

円堂「(この試合は、佐久間と源田を助けるための試合なんだ…)」


鬼道「……」


『俺達には“秘策”があるのさ!』


鬼道「(まさか…“アレ”を使う気じゃないよな…。……アレは…あの技は…!)」


ピーーーッ!


[さぁ、遂に始まりましたー!雷門中対、真・帝国学園の試合!]


真・帝国のキックオフ。
不動があがる。


不動「佐久間、見せてやれよ。お前の力を!」

佐久間「……」


不動は佐久間にパスした。


[…おっとどうした、佐久間動きません!何をしようと言うのでしょうか!]


円堂「っ…」

佐久間「…はぁぁあああっ、ぬぁぁぁああああっ!!」


佐久間は小さく息を吐いた後、大きく叫びをあげた。


零「!」

鬼道「! 止めろ、佐久間ぁ!!」


何かに勘付いた零と鬼道。
鬼道は、佐久間に駆け寄る。


ピィイッ!


指笛を鳴らす。地面から赤いペンギンが5匹出てきた。


鬼道「それは!」


佐久間が右脚をあげると、そこに向かってペンギンが飛んでくる。


鬼道「禁断の技だぁ!!」


鬼道は佐久間に必死に手を伸ばす。


佐久間「皇帝ペンギン……っ…」


ペンギンが佐久間の脚に噛み付く。


佐久間「…1号ォォ!!」

鬼道「止めろーーっ!!」


.


(ED)


.


次回予告 ( No.46 )
日時: 2012/05/08 17:17
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)


脅威の皇帝ペンギン1号。

だが佐久間と源田を助けるためにも、俺達は負けない!

影山!もうこれ以上、皆のサッカーへの思いを弄ぶな!!



次回イナズマイレブン、

「帝国の逆襲・後編!!」

これが超次元サッカーだ!!



キャプテン、今日の格言!

「どんなに汚いやり方でも、正々堂々で破れ!」

以上!!