二次創作小説(映像)※倉庫ログ

続き ( No.44 )
日時: 2013/02/24 20:11
名前: 世梨果 ◆t4bgREaztQ (ID: ekp2OEpi)

愛媛に着き、一旦コンビニで休憩することになった。


ウィィィィン


壁山「やっぱ、蜜柑の本場ッスね。」


壁山は結構な量の蜜柑を持っていた。

キャラバンでは


風丸「………」

零「………」


珍しく眼鏡を掛け、瞳子の携帯を弄っている零と、その隣で気まずそうにする風丸。


風丸「…………なぁ。」

零「今忙しいんでトイレなら勝手に行って下さい。」


沈黙に耐えられなかったのか、風丸は零に話しかけた。


風丸「そういうんじゃないから。」


即答する零に、静かにツッコミを入れる風丸。


零「緊急時以外に話しかけないで貰えます?アンタと違って僕は忙しいんだ。」


笑顔ながらも、言葉の節々に怒りを露にする零。


風丸「…そうじゃなくて…」

零「じゃあ塔子とでも席交代すれば?言っときますが僕は絶対代わりませんから。僕が先に座ったんですし、後から来たのアンタ等ですからね。意地でも動きませんよ。僕が隣で嫌ならアンタが動きな。」

風丸「いや、そこまで言ってないし。」

零「塔子遅い…アイスまだかな。」

風丸「…」


風丸は零をジトリとした目で見た。


.


円堂「……うん、元気だよ。」


円堂は、コンビニの裏で電話をしていた。


円堂「…ああ、やってるって…だから!ちゃんと勉強はしてるって…。…瞳子監督、そこらへん煩いんだよ…うん、うん。…ねえ、父さん元気?」


器用にリフティングを続けている少年。

円堂は電話が終わり、立ち上がる。


円堂「…?」


ボールの音に気付き、音のする方を見る。
そこでは、少し変わった髪形をした少年がリフティングしていた。


円堂「なぁ、君もサッカー…(???「((ニヤ」


少年はニヤリと笑い、円堂にボールを蹴った。


円堂「! っ…!」


円堂は咄嗟だったが、がっちりとボールを受け止める。


???「遅っせー。」

秋「円堂君?」


異変に気付いたのか、秋と夏未が駆け寄る。


円堂「何だよいきなり。」

夏未「誰?」

???「愛媛まで時間が掛かり過ぎじゃね?…て事。」

染岡「何だ彼奴は…」


何時の間にか雷門イレブンもキャラバンから降り、円堂達のところへ集まっていた。


瞳子「君、真・帝国学園の生徒ね。」

円堂「え?」


人だかりから瞳子が歩き出てくる。


瞳子「そっちこそ遅いんじゃない?人を偽のメールで呼び出しておいて、今頃現れるの?」

???「…」


挑発的に笑う少年。


円堂「監督、偽のメールって?」

零「調べはついてますよ。」


瞳子の携帯を、右手でぶら下げるようにして持っている零。


零「響木さんからのメールそのものが、偽物だったって事です。調べたら簡単に分かりました。」


零は瞳子に携帯を投げた。瞳子もそれをキャッチする。


零「すぐに分かるような嘘をついてまで、どうしてこんなところにまで呼び出したんですか?ハゲ。」


零は最後の一言を大きめに慈しむような優しい笑顔で言った。
少年の頬に青筋が浮き上がり、零を睨むが、無視して話を進める。


???「俺 不動明王ってんだけどさぁ…俺の名前でメールしたら、ここまで来たのかよ。響木の名前を語ったから、色々調べて愛媛に来る気になったんだろ。違うか?」


どうだと言うように零を見る不動。
零は笑みを崩さない。


零「ふぅ。まぁ事情は分かりましたけど、僕が聞いてるのは“何故呼び出したか”。話聞いてなかったんですか?耳が悪いんですか?バカなんですかアホなんですか?お勧めの病院紹介してやりましょうか?」

不動「っ、テメー、いい度胸してんじゃねえか…」


不動は一瞬殺気立ったが、ニヤリと笑ってまた話を続ける。


不動「ま、アンタ等を真・帝国学園にご招待してやろうって事だ。」

鬼道「!」

不動「アンタ、鬼道有人だろ。」


不動は鬼道に視線を向ける。


不動「ウチにはさぁ…アンタにとってのスペシャルゲストが居るぜ?」

鬼道「スペシャルゲスト?」

不動「ああ。嘗ての帝国学園のお仲間だよ。」

鬼道「何!?」

不動「フッ。」


余裕の笑みで鬼道を見下げる。
鬼道は拳を握り固めた。


鬼道「…有り得ない……影山の汚さを、身をもって知っている帝国学園イレブンが、彼奴に従う筈がない!」


地区予選決勝での事を思い出す。


円堂「そうだ!絶対有り得ない!」

染岡「下手な嘘つくんじゃねえよ!」


不動に罵声を浴びせる染岡達。


不動「はぁ?だったら俺の目がおかしいのかなぁ。」

鬼道「貴様…誰が居るって言うんだ、誰が!」

不動「オイオイ、教えちまったら面白くないだろ。…着いてからのお楽しみさ。フッ。」

鬼道「……」


.


ブゥゥゥゥン———


不動は鬼道の隣に座り、塔子は一番後ろの壁山や木暮の席に座っていた。


瞳子「…どこにあるの?真・帝国学園は。」

不動「俺の言う通り走ってりゃ着くよ。」

鬼道「…」


鬼道は景色を見ていたが、少し不動に目を向け、すぐに目を反らした。


鬼道「…
(一緒に戦ったお前達が、影山に従う筈がない…。……従う筈がないんだ…!)」


鬼道は俯く。

零は携帯のボタンをカチカチと押している。
画面には、『送信中』と映し出されていた。


不動「ぁ、そこの門から入ってくれよ。」」


キャラバンは不動の指示通り、傍に見える門から入っていく。
そこは霧がかかっていて景色は良く見えないが、港のようだった。

円堂達は、キャラバンから降りる。


円堂「…どこにも学校なんか無いじゃないか。」

染岡「テメー!やっぱ俺達を騙したのか!」

不動「…短気な奴だなぁ。真・帝国学園だったら、ほら。」


皆は、不動が指差した先を見る。


「「「……」」」


短い沈黙が流れると、海上の一部が盛り上がり、何かが浮き上がってきているのが分かった。


「「「!」」」


円堂「…」

鬼道「これは…」


浮き出てきたのは大きな船。


瞳/零「!/…」

不動「…((ニヤ」


船はギィィと音を立てて、海に水平に浮かぶ。


鬼道「…!」


船の頂には、帝国の校旗が掲げてあった。


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(CM)


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