二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ボカロ 〜囚人/紙飛行機〜 (リク曲募集中) ( No.103 )
日時: 2012/09/16 12:29
名前: ゆりかん ◆Qd6XA/vkyQ (ID: RDw1p8bb)















「何をするんだ...」

自分でも吃驚するくらい低くて怖い声
そんな声が自分の口から出てきた


看守達も少し驚いている
けど、そんなの関係ない



「何をするんだ、って言ったんだ!!聞こえたのかよ!!」

そう言ってから、もう僕はすこし正気を失っていた
周りにいる人たちを殴りつけ、蹴りつけ

正気を失ったのは周りの人に押さえつけられたときだった

それでも、僕は悲しかった
ただただ、怒りとともに悲しみがあふれてきた









どうして?









どうして?


















「お前、こんな事したんだ...どうなるかわかってるんだろうな?」

そんな、看守の声が聞こえてきた
そうか、ついに僕の番が来たんだな














次の日、僕は朝早くに別の部屋に連れて行かされた
この、収容所には罰がある
なにか、悪い事をした場合ある場所に閉じ込められその中に毒ガスを流し込まれる
そして、囚人は苦しみながら死ぬ


最悪な罰の仕方だ


そして、ついにそれが僕の番に回ってきたんだ








「もう、この世界に未練はない...なんて言ってみたいな」

実際はどうなんだろう?
思い残す事...はたくさんある

せめて、最後に君だけには...会いたかったよ









そのとき、背後からプシューという音がした
振り返ってみると、毒ガスがもうこの部屋の中に入っていた

僕が、最後に入る番...


他の囚人達は、疲れきったような
むしろ、どこか安心しきったような顔をしている


そんなっ


「僕は、僕はまだ死にたくないっ!!」








そのとき、君との思い出が走馬灯の用によみがえってきた
初めて君に手紙をもらった日
その内容に初めて君が笑ってくれた
お互い、名前も知らずに手紙を書いていた
僕が遅れると、いつも草むらでじっと待っていた

最後の...お別れの日は君はきっと涙をこらえてたんだろうね

また、いつか会えるといいね、って..





「ううっ」

少し、目が冴えてきた
今のは夢だったのか?

気づくと、毒ガスは既に部屋全体に回っていた
苦しい、苦しくて喉が焼けそうだ

「僕は、まだあの事話したいんだ...ここから出せ..僕は、まだ...死にたくないんだ...」

そんな僕の切ない声も
ただ単に、部屋の中に響くだけだった

胸がどんどん苦しくなってくる
喉も焼けるようにいたい
呼吸もできない










あぁ、せめて君の名前だけでもさ























知りたかったな.....



ー囚人ENDー