二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: ボカロ 〜囚人/紙飛行機〜 (リク曲募集中) ( No.110 )
- 日時: 2012/10/01 20:50
- 名前: ゆりかん ◆Qd6XA/vkyQ (ID: BdPlSccL)
「ハァ...ハァ...」
何もしていないのに、荒い息づかいがでてくる
日に日に体に巻き付けられる管の数は増えていった
耳も、遠くなってきて
歩くのもかなりつらくなってきた
「...私はこのまま死んじゃうのかな?」
ふと、誰もいない病室でつぶやいてみる
けど、誰も返事しない
当たり前か、ここには誰もいないから
あの、男の子と文通をし始めてから私の体調は急に悪くなってきた
お医者さんに心当たりはあるか、って聞かれた
ある...けどそんなことは言えない
まさか、毎日病室を抜け出して文通してたなんてね
今もこっそり抜け出してる
けど、いつか私の体に限界がくるだろう
そんなことには...なりたくないけど
「そうだ」
私は思いついた
遠くに引っ越すからもう会えない、嘘の手紙を送ればいいんだ
まさか入院していて、もしかしたら死ぬかもしれないなんて書けない
あの子に嘘をつかなきゃいけないのと、あの事一生会えないのはつらい
けど...これしか方法はないんだ
必死に私は着替えてこっそり病室を抜け出した
もちろん、手紙も忘れないで
私がやっとの思いで外に出ると、まだあの子はいなかった
「よかった...」
私はふぅっとため息をつく
しばらくすると、あの子はいつもと同じ格好をしてでてきた
いつもは出てくると嬉しくてにっこり笑いかける
けど、今日は精神的にも肉体的にもそんなことはできなかった
「私は遠くへ行くの。もう一生会えない。今までありがとう、だからバイバイ」
こう書かれた、嘘の手紙を私は投げた
投げて、すぐに後ろを向いた
泣いている姿なんて見せたくない
そう思って立ち去ろうとしたとき
「待つよ...いつまでも待つよ!!」
あの子の声が聞こえた
後ろから、ちゃんとはっきり聞こえた
「君が...いなくなっちゃうのはつらい..けど、君が帰ってくるまでこの手紙は大事に持ってる!だとしたら...また会えますよね?」
途中から涙声に変わった
...もうやめて
私だって泣いちゃうじゃない
私は最後に君と笑顔のお別れをしたかったんだよ
なのに、そんな事言われたら笑顔でさよならできないじゃない...
「.....サヨウナ」
私はこう小さくつぶやいて病室へと向かった
そして、二度と振り返らなかった
これで...いいんだよね
私たちのためでもあるんだ
私はこう言聞かせながら病室へと戻った
足が重たい、息も苦しい
はは...やっぱりもう私の体は
もたない...な
私の目の前が真っ暗になり、病室にたどり着く前に倒れた