二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ボカロ 〜囚人/紙飛行機〜 (リク曲募集中) ( No.111 )
日時: 2012/10/01 21:05
名前: ゆりかん ◆Qd6XA/vkyQ (ID: BdPlSccL)

あれから、幾月もたった
あの倒れて以来、私の体はまったく動かなくなった

パパは何も言わない
ただただ、黙って私を見つめているだけ



ふと、あの子の顔を思い出した
金髪で、とても素敵な笑顔なあの子の事を


「強がらなければよかった...」
自然と私は口に出していた

口に出すと同時に、涙も目から溢れ出してきた
止めようと思ってもなかなか止められない

「あのときの別れ際に...笑顔でさよならしよって...思わなければよかった...泣いて本当の事を話せばよかったんだ...そうしたら...そうしたら...」





君に会えたかもしれないのに



「会いたいよ...また、君に...」














ふと目を覚ますと、私は小さな丘にいた
なんで私は...もしかしてもう死んじゃったの?

だとしたらここは天国かな
お花もたくさんさいてて、空気もとても綺麗


「...誰?」

ふと声がして振り向くとそこにはあの子がいた


「!!!」
私は吃驚しすぎて、声もでない
あの子も死んじゃったの?だから天国にいるの?

「あ...」
声にもならない声をだす
けど、あの子の口からでたのはこんな言葉だった

「君はだれ?僕は違う人に用なんだ。遠くに引っ越しちゃったんだけど...また会えるって信じてるんだ。だから僕はその子のもとに行かなきゃいけないんだ」


ちがう!!それは私!!
お願いだから気づいて!!



どんなに心の中で強く思って声にはだせない

そうして、あの子は私からどんどん遠ざかっていた

「いやああああ!!!!」
その声に目が覚めた
なんだ...ただの夢って...
私はまだ死んでない

ここはあの何時もの見慣れた病室
ぴ...ぴ...ぴって無機質に響くこの部屋


「大丈夫か?」
隣には、いつのまにかパパがいる
パパ...

こんな親不孝な娘で...本当にごめんね...
言う事聞かないで、勝手に体を壊してごめんね...
私のせいで...こんな思いをさせてごめんね...


「ごめんね...」
私はそうつぶやく目を閉じた
どこからか、あの心電図が止まったような音がした













「...あれ?」
二回目のシチュエーション
私はまたあの小さな丘にいた

今度こそは...本当に死んじゃったんだね
だって、ここにいるって感じがするんだもん
絶対に夢じゃない

「ここは、天国かな?」
自分でつぶやいて吃驚した
全然息苦しくない
それに、いつもはかすれていて時分ですらよく聞こえないこの声も
ちゃんと聞こえる

風が私の顔に優しく当たる
こんな風に感じたのは久しぶりかもしれないね






「...君は..」
ふと、後ろから声がした
おそるおそる振り返って、この目に飛び込んだのは
大好きな君だった




「え...?」
私は驚いて声も出ない
どうして...どうして...

あの子も、一瞬驚いた感じだったけどまたすぐに何時もの笑顔に戻った
そして、こう言った



「久しぶりだね、ほら、やっぱり会えたでしょ?」






限界だった







私の目から、次から次へと涙が落ちていく
でも今度はその涙を止めない

君が優しく拭ってくれたから

























「きっと...僕たちへの神様からのプレゼントかな」
君はそう言っていたずらっこっぽく微笑んだ






「それじゃあ、行こうか!」










私たちは、手を取り合って
あの場所へと向かった...



ーENDー