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*遅くなってすいません＞＜


「彼女なら．．．彼女なら僕をまた．．．『夢』を復活させることが出来るかもしれない．．．いや、しれないじゃなくてそうしてやる！！」

しかし、彼女は人間
しかも彼女は「夢」を叶える為にどんなことでも平気にした

罪もない人々を切り裂き
泣き叫ぶ子供も引き裂き
周りの大人達も切り裂き

そして、それを見かねた「夢」は彼女に罰を与えた

一つは「夢」の世界、深い森の奥に閉じ込めること
そしてもう一つは．．．





彼女の「夢」をなくすこと


「夢」を失った彼女は永遠に森の中をさまようしかないのだ
人々はみな、彼女の生を知るすべはなかった
忽然と森の中に消えた彼女のことを人々は”アリス”と呼んだ

しかし、彼女の存在は月日が経つうちに消えていった


*ー二番目アリスー*




——————————ここはどこだ？

一番目アリス、メイコの住んでいた町の隣町
今度は一人の青年が「夢」の世界に迷い込んだ



「二番目のアリス、見ぃーつけた」



青年の名前はカイト、と言う
彼もまた「夢」があるということで有名だった

そんな彼の夢はもっと歌がうまくなること
そんな「夢」は誰よりも強い想いだった

ちいさいころから歌うことが大好きな彼は暇を見つけては森の中、湖の近く、草原．．
いろんなところで歌を歌っていた


二番目のアリスに目をつけられたのはその為だろう

「♪に番目アリスはおとなしく歌を歌って不思議の国♪」

「夢」の世界に迷い込んだ彼は大して気にせずに歌を歌いながら進んでいた
彼の歌っている歌詞の通り、彼はおとなしくまた内気であった
内気なため友達がなかなか出来ず歌ばかり歌っていた彼

そんな歌をいつしか「夢」と思いこんだのだ





「彼なら、一番目のアリスよりも夢に強い想いを抱いてそうだ．．．きっと彼なら僕を．．」