二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: ボカロ 〜囚人/紙飛行機〜 ( No.99 )
日時: 2012/07/11 19:20
名前: ゆりかん ◆Qd6XA/vkyQ (ID: oo/XaO.D)
参照: http://www.pixiv.net/novel/member.php

--囚人--


「おいっっ!!いつまで掃除に時間をかけているんだ!!さっさとすませろ!!」
そういって僕は蹴られた

でも...
ズボンについた汚れを払い、手にした紙飛行機をぎゅっと握りながら僕は考える
別に蹴られるぐらいどうってことはない
大好きな君に会えるんだから...




あれは良く晴れた暑い日だった
そんなことを知ってか外の掃除は全て任させられたのだ
外を箒で掃きながら僕はため息をついた

どうして自分がこんなところにいるのかまったくわからない
ただ、物心ついたときからずっとこの収容所にいた
たぶん、親に捨てられたのあ、売られたのかもしれない


「ここを抜け出せたらどんなにいいか...」

けど、抜け出せないことはとっくに知ってる
常に部屋の外は見張られているし部屋に窓はない
何回か抜け出したことはあるけど外も鉄格子やら大きな扉があって抜け出すことは不可能だった
もっとも、抜け出したところでどこかへいくあてもないからここでいいのかもしれないけど...

結局、いつもどおり箒で外を掃くしかなかった
はやくしないと

はやくしないと看守に怒られてしまう
だからはやくしないと...


そのとき、ふと前を見ると一人の女の子が立っていた
目の前というのは間違いか、
鉄格子の向こうだ

きれいなワンピースを着て麦藁帽をかぶっているため顔はよく見えない
けど、身長などからして同い年ぐらいに見える

あんなところで何してるんだろ?
創思ったけど疑問はすぐにわかった

この収容所の隣は立派な病院
もしかしたらそこで入院してる子かも

そのとき、その子は手にした何かをこっちに投げてきた
その何かは僕の目の前に落ちる
歩いて手にとって見るとそれは真っ白い紙飛行機だった

どういうことだと女の子法を見ると、その子の姿はもうなかった
この紙飛行機はどうやら手紙になっているらしい

何が書いてあるんだろ?
少しわくわくしながら手紙を開くと、そこには丁寧な文字でただ、こう書かれていた

「友達になりませんか?」
たった一行のそっけない文章
けど、そんな言葉が僕にとっては温かかった
紙飛行機を握り締め、僕は掃除を続けてた

もしかしたら、明日もここにいればまたあの子に会えるかもしれない
そのときに、この紙飛行機で返事も書ける...



そのとき、もうひとつ疑問が浮かんだが
無理やり打ち消して、明日を楽しみに待つことにした