二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナGO天国から聞こえる〜出逢うべき双子〜 ( No.11 )
日時: 2012/04/15 16:29
名前: 冬ノ華 神ノ音 ◆Ui8SfUmIUc (ID: b/MgcHYQ)




   1話 二人だけの秘密
 
  ココは女王様、レジーナの自室。ここへ出入りしているのは
  数少ない側近と蘭丸ぐらいである。
  蘭丸は拓人との戦いの後、すぐにここへ向かった。
  「ただいま戻りました…女王様」
  レジーナの前に行き、膝をつく。
  「蘭丸…よくのこのこと戻れたものね」
  レジーナの声が怒っているのを蘭丸は聞き逃さなかった。
  「申し訳ありません…女王様…」
  頭を下げる蘭丸だったが、レジーナは眉を顰め怒鳴った。
  「何なのあの戦いはっ!!面白くないわ!
   もっとデキるはずでしょう?何故殺らないの?」
  怒りに任せて蘭丸を怒鳴りつける。
  蘭丸は頭を下げたままそれを聞いていた。
  いつものことだった。
  「まぁいいわ…今度あんな戦いをしたら、どうなるか
   わかっていますの?」
  「……はい。全ては女王様の仰せのままに。
   私は貴女様に仕えておれる身でないながら今はこうしていれる。
   幸せの何物でもありません。貴女様のためならこの命
   捨てても構いません」
  「嬉しいこと言ってくれますのね。
   顔をお上げなさい」
  顔を上げ、立ち上がる。
  レジーナが蘭丸の腰へ手を回す。
  「好きよ…蘭丸…壊したくなるくらい……」
  「私もでございます…女王様…」
  




 
  「今日…今だけは…‘レジーナ’って呼んで……」
  「レジーナ様…」
  二人の唇が触れた。



 +++++++++

 
 「おいっ…おいっ!大丈夫か拓人!!」
 少しずつ意識がはっきりする。この声は…典人であった。
 「んっ…」
 少しだけ重かった瞼を開けると心配そうに覗く典人がいた。
 「典…人…」
 「良かった…目ェ覚ましたんだな。大丈夫か拓人」
 起き上がると少しだけ腹の傷が痛んだが、「ああ」とだけ
 答えた。拓人の顔は青白かった。
 「無理すんな。もう少しで町に着くからな」
 「すまないな…」
 拓人は包帯が巻かれている自分の体を見た。
 腕、腹に真っ白い包帯が巻かれていた。
 「あのさ…こんな事ココで言うの何だけどさ…」
 典人が言い出しにくそうに口を開いた。
 「俺さ…ずっと思ってたんだけどさ…
  蘭丸と女王ってデキてると思うんだよな……」
 顔を赤らめながら言う。
 「何言ってるんだ…?冗談だよな……」
 「これが冗談言っている口調か?」 
 典人の意見は正しかった。拓人は信じられなかった。
 「これは想像だけどさ。おかしくないか?いつもお前とあいつの
  戦いン時だけ見てるんだ、これっておかしいだろ?」
 「でもそれだけじゃあ……」
 「確かにそうなんだけどさ、聞いてよ。女王の自室に出入り
  しているのって少しの数の側近と、蘭丸だけなんだ。
  やっぱりどう考えてもおかしいだろ、コレ」
 典人の意見は正しく、確かにおかしかった。
 だが俺は心のどこかでそれを信じたくなかった。
 




 —————蘭丸を庇うように…
 俺、敵なのにおかしいだろ

 何であいつ庇ってんだよ…

 ズキッ頭が急に痛くなった。
 
 アレ…?昔一緒に遊んでいたあの少年って誰だっけ…

 どんな奴だっけ…


 





        思い出せない、何もかも