二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナGO天国から聞こえる〜出逢うべき双子〜京介ェェェェェェッ ( No.111 )
日時: 2012/06/19 18:21
名前: 冬ノ華 神ノ音 ◆Ui8SfUmIUc (ID: UTKb4FuQ)

  20話 終わりの唄

 「終わりだ。拓人。お前は忘れすぎている。残念だ・・・」
 神鳴が鋭く尖った剣先を拓人に向け、斬りかかる。
 拓人は既のところで避ける。剣先が頬をかすめるギリギリのラインであった。
 避けていなければ、顔のどこかは切れていたであろう。それが目であったら?戦える状況ではないはずだ。
 この戦い。どうみても、どう考えても軍配は神鳴の方にあると見て取れる。拓人は何も武器を持ち合わせていないからである。
 ただ避けるだけの防戦一方———。いつ終わるかもわからない戦いである。イヤ、なぜ始まったのかも理解できないが。
 「忘れすぎている」それはどう言う意味であろうか?
 考えている暇等ある訳もないのに拓人はそんなことを考えていた。向かってくる剣をよけつつ。
 拓人は不思議に思った。何故自分はここまで剣を避けることができるのだろう?自分の記憶上、戦った記憶はない。
 反射神経がただ良いだけか?いや、それでもこれだけ避けれるはずがない。大体、自分はいきなり剣を向けられたのにも関わらず、
 何故こんなにも平常心でいれるのだろう。
 それこそおかしいではないか。そんなの戦いに慣れ、幾度となく戦っていた者にしか持ち合わせていないはずだ。
 自分はもしかして戦いをしていたのか?人を殺めていたのか?
 そう思うと、急に自分が汚い奴に思えてきた。どんな理由があろうとも人を殺める等・・・外道をすべきことであろう。
 自分の前世はもしかしてどうしようもない殺人鬼なのかもしれない。
 だから、こんな平常心でいられるのだろう。物事を考えながらでも避けれる。
 一体自分は何がしたかったのだろう?そう問いてみた。
 わからない。ただでさえ記憶がないんだ。なのに死んだ前のことを菊等無理に決まっている。
 何かが、胸に引っかかる。
 殺人鬼かもしれない自分の心に留まるそれは———・・・





 『拓人・・・』
 
 知らない、ピンク髪の少年だった。
 その少年は泣いていた。

 「誰だ・・・君は・・・」

 




          ゴメンネ、ラン。