二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナGO天国から聞こえる〜出逢うべき双子〜京介ェェェェェェッ ( No.115 )
日時: 2012/06/17 17:15
名前: 冬ノ華 神ノ音 ◆Ui8SfUmIUc (ID: 1sGb2NBG)


 「誰だ・・・彼奴は・・・!」
 急に自分の脳裏に映ったのは、一人の少年。綺麗に伸びたピンクの髪。幼い少年。何故か泣いていた。
 〝誰″だと?自分は知っているじゃないのか?
 違うのか?全く知らない少年が脳裏に映るだと・・・?
 わからない。いったい誰なんだ。
 そう思うと、頭が痛んだ。この痛み、前にも感じたことがあるような・・・
 思い出せない。イヤ、思い出したくないのかもしれない。
 自分の中の何かが、拒絶しているのかもしれない。思い出したくないことなのかもしれない。
 
 『生きて・・・俺たちは〝  ″だろ?』

 さっきの少年が、何かを言った。だが、よく聞き取れなかった。聞こえなかった所は大切なことかもしれないのにも関わらず。
 〝俺たち″と言った。あの少年は。と考えると、拓人とあの少年は何らかかの関わりがあったのだ。
 だが、その関わりが思い出せない。思い出せたらわかるのに。
 苛立ちが趨った。当然であろう。
 自分は何がしたくて、何が望みなのだろう。
 何故、死んだのだろう。それすらもわからなかった。
 ろくでもないことをやらかしたのかもしれない。
 人として生きる価値もない奴だったのかもしれない。
 「貴様は、死んではいけないのだ」
 神鳴が剣を振るうのをやめ、そう言った。
 「どう言う意味だ・・・」
 拓人は落ちてくる汗を拭いながら、そう問いた。
 神鳴が指をパチンと鳴らす。すると、あろうことか拓人の頭に無数の映像が流れ込んでくる。
 それはどれも人が映っていた。
 その人は皆、一様に笑っていた。とても楽しそうで、とても幸せそうだった。
 拓人はそれを食い入るように頭の中で何度も再生した。
 見たことがある。知らない奴ではない。誰かはわからない。だが、初めてという感じがしない。
 なぜだろう。とても暖かい雰囲気がする。
 心は休まる。
 「典・・・人。風丸・・・さん。京介・・・皆・・・」
 「お前の大切な仲間だ」
 そうだ。自分は狩人。そして自分の仲間。いつも助けてくれて、気にかけてくれたとてもいい仲間。
 どうして忘れていたのだろう。
 
 だが、そう思ったのも一瞬だけであった。
 思い出したのだ。あの惨事を。
 「行かなくっちゃ・・・!」
 今頃、典人と京介、天馬はどうしているのだろう?
 無事なのか?蘭丸は—・・・レジーナは?
 神鳴は最後にこう、言った。

 「護るものを護りたけば、自分がみんなを信じろ」
 
 

 

 生きていてくれ—————!みんな!!





 「天国から、声が聞こえる・・・」
 ソレハ、〝セイボ″ノコエデスカ?

 ソレトモ——————————


 ジブンノアイスル〝タクト″ノコエデスカ?

 

      そうだよ、と答えるが、聞こえてはいない。
      さようなら。キョウスケ。
      きっと息はしていないだろうね。
      だって、俺が殺したんだもん。
      さあ来い。拓人———————!