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　「ねっ…ねえ！！」
　
　メイレの鋭い声で拓人は我に返る。シン…となった部屋を見て、拓人は初めて『自分がボーとしていた』という事実を知る。
　「すっすまない…」
　「どうしたのよ？何かおかしいわよ？」
　メイレが怪しく目を光らし、拓人の顔を覗く。拓人は「何でもない」という風に顔を背ける。
　「お姉ちゃん…あの話しなくていいの？」
　さっきまで大人しく黙っていたメイカが口を開き、メイレの服の袖を掴む。
　「ああ、そうだったわね。拓人、アタシ達は…というよりメイカは一度、死んだの」
　「！！」
　
　拓人が目を見開き、メイレを見る。嘘だと一瞬思った。だがその目が嘘を言っているようには見えなかった。そして恐る恐るこう聞いた。
　「天国に…行ったというのか？」
　メイレは少し目を細くする。少し間を空けて「ええ、そうよ」とだけ答えた。
　
　「アタシたちは、〝伝説の双子"なの。アタシ達の長い話とくと聞きなさい」