二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナGO天国から聞こえる〜出逢うべき双子〜イラストが見れます ( No.219 )
日時: 2012/08/02 19:21
名前: 冬ノ華 神ノ音 ◆Ui8SfUmIUc (ID: iMd/Fc2V)
参照: 神ではないよ。紙だよ。髪だよ。何を言ってるんだい?


 38話 breath

 円堂が倒れ、闇丸は誇らしげに笑う。何も感情を持たず、只やるべき事をする。これこそ、レジーナが欲しかった人材だろう。
 邪魔者に生きる価値はない。
 死ねばいい。
 造られた物らしい考え方。簡単である。
 闇丸は、ふと苦しい生き方をしている人々を馬鹿らしく思った。こうやってやるべき事をして生きている方が楽ではないか。
 勝てもしない奴に挑んで、敗け死ぬだけ。
 何が楽しいのだろう。
 本気で思う。
 神童と言い、円堂と言い、風丸と言い…愚かな人間だと思う。その生き方をして、何を得するのだろう。何が理にかなっているのだろう。
 損得を考えれば、こういう方が絶対いい。
 「答えろ。何故其処までして仲間を大事にする?救おうとする?答えろ!!」
 闇丸は風丸に向かって声を荒げる。聞こえもしない、答えもしないのを分かっているのにも関わらず。
 だが、何か微かにこう聞こえた。
 『得はしない。だが、これが俺らなんだ』
 「"俺ら"…?」
 眉をひそめ、呟く。それ以上何も聞こえなかった。
 闇丸は頭を振り、その場をあとにした。
 
 自分は、敵を殺すことだけ考えればいい—
 ほかは何も考えなくていいはずなのに、どうしてこんなに胸が疼くんだ——?
 
 息をして、生きているから。