二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナGO天国から聞こえる〜出逢うべき双子〜 ( No.23 )
日時: 2012/04/21 19:52
名前: 冬ノ華 神ノ音 ◆Ui8SfUmIUc (ID: yWjGmkI2)




    6話 頼まれた仕事
 
 「京介…とか言ったな。キミは狩人か?
  それとも守護人か?どっちだ答えてくれ」
 拓人の冷たい声が静かな店内に響く。
 そして酒を啜る。
 京介は無表情でこう答えた。
 「どちらでもない。俺はアンタらの味方でも女王の味方でもない。
  強いて言うなら俺は女王を憎んでいる…」
 京介の強気な言葉に微笑みながらまた拓人は酒を啜る。
 「そ…なら、天馬…とか言ったっけ…その子がどうしたの?
  病気?病気なら専門外だから違うところへ…」
 「チカラを持っている…天馬はチカラが増幅して抑えきれていない」
 京介の言葉を聞いた拓人の眉がピク…と少し動く。
 「何だって…そうか、だから此処へ…でも何でキミは俺の事を
  知ってるんだ?君は何者だ?」
 拓人は警戒するように京介を見る。仕方はない。
 京介は見たところチカラを持っているようだし、だが狩人でもないと
 自信は言う。じゃあ何者か?
 「別にお前には関係ないことだ。頼む…アンタにしか頼めないんだ…
  頼む…」
 京介はそっけなく返す。とにかく助けてほしいようだ…
 拓人はハァと溜息を零し、酒を飲み干す。
 「仕方ないか…わかったよ。行けばいいんだろ」
 「おっおい…!本気か?得体も知れねえ奴の言うこと聞くのかよッ!
  大体そいつが女王の手下だったらどうするんだよッ!!」
 典人が立ち上がり、行こうとする拓人を止める。
 拓人はそう言う典人をフッと鼻で笑う。
 「京介がそうだったとしても俺は苦しんでる人を放ってはおけない。
  それに女王に忠誠を誓ってるやつがこんな嘘をつけるハズないからな。何よりこんなに早く女王が動くわけないだろ。
  行くぞ。京介」
 「…あっああ」
 拓人が着ていたコートをひるがえし、ドアへ向かう。
 それに京介もついてゆく。
 


 こうして二人の冒険が始まった。こうして動くことこそ

 女王の狙いだったとは知らず———
 
 「フフッ…」
 女王は窓から見える景色を見ながらほくそ笑んだ。
 女王の後ろには見知らぬ青年が立っていた。