二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: イナGO天国から聞こえる〜出逢うべき双子〜イラストが見れます ( No.241 )
- 日時: 2012/08/11 17:23
- 名前: 冬ノ華 神ノ音 ◆Ui8SfUmIUc (ID: fxhCNxuy)
- 参照: 神ではないよ。紙だよ。髪だよ。何を言ってるんだい?
42話 過去の過ち〜attack〜
「何のつもりだ……お前ら!」
「何がァ?鬼道クン」
ニヤニヤと笑う不動は片手で剣を振り回している。剣は鞘から抜かれており、手から滑り落ちればどうなるかはよくわかるだろう。
鬼道はゴーグルの奥の赤い瞳を光らした。何故此奴らは剣を持っているのか。
此奴ら……解るだろう?不動だけではないのだ。佐久間もいる。この二人が鬼道を——
「殺すつもりか」
「よく解ったなあ。そうだよ」
顔色一つ変えず淡々と答える。
次の瞬間、二人がかりで斬りかかってきた。二人の息はよく合っていた。それに驚いた。よく啀み合っているのを見ていたからだ。そんな二人がこんなにも息を合わせ自分を殺そうと——?
「ふざけるなッ!!」
鬼道はとうとう剣を抜いた。二人の攻撃を受け止め、躱し、最低限の攻撃を加える。二人に傷は負わしたくない。鬼道の配慮だった。
だが、その思いは二人には届かない。
鬼道は隙を突かれてしまう。
「ぐッ……あっ!」
何故、こんなことをされるのか。自分は此奴らに恨まれるようなことをしたのか。それは何なんだ。
ああ、俺らの絆はこんな脆いものだったのか。
優越感に浸り、哂う不動。佐久間は只々鬼道を見ている。最後、こう言い放った。
「アンタが悪いんだ」
ああ、俺はお前らに悪いことをしたのか。
そうなのか。
++++++
それから、鬼道を怪我させた、その後も悪事を働いた不動は刑部に引き渡された。佐久間は、逃げたらしい。
だが佐久間はのこのこを戻ってきた。そしてこう言った。
「鬼道さん……ごめんなさい」
その一言で許してしまった。訳を聞いて、安心してしまった。
だから、自分の身の元に置いておいた。それが間違いだった。
不動を殺していればよかった。自分の心に負け、刑部に任した自分が愚かだった。馬鹿だ。自分自身が許せない。
「鬼道クンよお!恨むなら自分を殺さなかった自分を恨みな!!あン時殺していれば、仲間も自分も助かったのになあ!」