二次創作小説(映像)※倉庫ログ

Re: イナGO天国から聞こえる〜出逢うべき双子〜イラストが見れます ( No.269 )
日時: 2012/08/19 15:36
名前: 冬ノ華 神ノ音 ◆Ui8SfUmIUc (ID: zH2NFO0g)
参照: ピクシブ〜始めました♪(アメミヤだw


 
 49話 過去の想い〜出会う二人〜



 「俺の名前は倉間典人。アンタは?」
 そうは聞かれたが、南沢は答えなかった。紫色の髪を振り、答えたくないと言う事を向こうに知らせる。解らせる。話したくなかった。そう言う事だ。倉間は南沢より小さい。幼児の様に見えた。南沢も然程背は高くないが、少なからず倉間よりは高い。
 「答えないのかよ、全く……まぁいいや」
 頭を掻き、半分諦めてる様だ。ああ、それでいい。そう思った。諦めろ。自分に話しかけるなど無駄だと言う事を知っただろう。だって話す気すら無いのだから。倉間は只南沢を見ている。観察だろうか、気持ちが悪い。それが率直な感想だった。いや、キモすぎるだろ。かもしれないがまず一番に思うのがそれとは。南沢らしいっちゃあらしいかもしれんが。
 「アンタさぁ、一人なんだろ?友達とか欲しくなのかよ」
 倉間の何気ない一言に少し腹が立った。そして、只一言こう言った。
 「別に。お前は友達がいて楽しいのか?」
 倉間は少したじろく。南沢のあの目が怖かったからだ。南沢の目は少し変わっている。人に操られている様な何を考えているのか解らない目。瞳孔を挟む様にある黄色の眼光。其の瞳は切れ長で少し大人な雰囲気を漂わす。子供とは思えない大人びた南沢。
 「そりゃあまぁ、楽しいと言われたら楽しいけど」
 「そうか。でも、俺には必要ない」
 はっきりと言い放った。他愛も何もない只の無駄な会話。南沢には会話をすると言う気すら無いのだ。述べたい事だけ述べ、只簡単に終わらす。意味もない会話。
 倉間は驚いた。ああ、聞いていた通りだと思った。話し掛けてはいけないと言うのは本当だった。いや、話し掛ける事自体に意味が無いのだ。時間の無駄だった。馬鹿みたいに思えた。こんな人と仲良くする事など到底無理だろう。だって向こうは自分に興味がないのだから。人に興味がないのだから。