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二次創作小説(映像)※倉庫ログ
- Re: イナGO天国から聞こえる〜出逢うべき双子〜 ( No.37 )
- 日時: 2012/04/25 19:57
- 名前: 冬ノ華 神ノ音 ◆Ui8SfUmIUc (ID: uOIKSYv5)
9話 陰謀
乱れた髪を細い指で直す。拓人は猛獣をただ見つめている。
「…奏人」
「どうしたの拓人」
奏人が具現化し拓人の隣に現れる。
「こいつってさ、女王の玩具だったよな。こいつ…
操られている………」
拓人の瞳にまた憎しみが映る。女王は動物を何だと思っているのか—
気に入ったものは何でも奪う。それが自分の肉親の好きなものであっても——そうやって生きてきた。
許せない…彼奴の所為で何百人という人が死んだ——
いやもっとかもしれない…彼奴は命を弄ぶ物だとしか考えていない。
…彼奴の所為で、俺の家族は…俺の大切な人が———
ぎりっと強く歯を食い縛る。苛立ちがとめどなく溢れる。
女王をこのまま野放しにはしておけない———
「…俺が、女王を倒す。殺す。これは復讐だ。
そのためなら俺はこの手が汚れても構わない———」
「アンタ…」
拓人は拳を強く握り締めた。ただ許せなかった。
それは京介も同じだった。拓人には言っていないが、
京介も女王を恨んでいる——
そのために剣の使い方を覚えた。
すべては女王を殺すため——
二人とも憎しみを背負っている。
「蘭丸…いらっしゃい」
「はい。女王様」
蘭丸はレジーナに近寄る。レジーナは笑っていた。
その笑みは年相応の笑みであった。
蘭丸の腰に手を回す。
「わたくしの言うこと聞いてくれますわよね…
殺しなさい。
わたくしに刃向かうもの全て」
———ー全ては女王の仰せのままに…
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